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中国に時速350キロの貨物列車

中国中車が公表した最高時速350キロで走れるという貨物専用高速鉄道

情報源: 中国に時速350キロの貨物列車 世界最速の専用車両:朝日新聞デジタル

 

かたや,日本では車販準備室にちょこっとだけ荷物を入れて運んだとさ.

リンク先の写真を見ると,ほぼ航空コンテナのシステムだな.15年くらい前に当方でも航空コンテナを利用したシステムの提案をしてみたことがあるが,あんまり反応なし.学会誌にも記事を書いたことがあるが,鉄道会社がピクピクしてるので表現を軟らかにしてくれと言われてしまう始末.

変化への対応が失われる日本.

いっぽう,欧州では…

… La Posteこと郵便TGV列車は運転終了したものの,名前を変えて高速鉄道による荷物輸送は続いている模様.(写真は運転終了前の2014年撮影)

鉄道後進国ニッポン.日本の鉄道は世界一などと自画自賛している場合ではないのだが.

トヨタと日野、燃料電池大型トラックを共同開発

両社とも、2050年までに走行中CO2排出量の大幅削減を掲げ、電動車の技術開発と普及促進に尽力しています。

情報源: トヨタと日野、燃料電池大型トラックを共同開発 | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト

踏面と路面との間のフリクションロスの低減に限界があり,走行時のタイヤの変形に伴う内部損失として失われるエネルギの低減にも限界があるため,車両だけ努力しても輸送システムとしてのCO2排出削減は頭打ちの模様.

抜本策としては踏面および路面ともにメタル化するとともに,タイヤの素材を柔らかなゴムから剛性の高いメタルへの変更が望まれるところ.

なお,その技術はかなり以前より広く使われている模様

見直される貨物列車

国交省によると、18年4月の貨物自動車運転手の有効求人倍率は2・68倍で、平均の1・35倍を大きく上回る。ドライバーが確保できないことから、鉄道や船舶の輸送へシフトしているという。

情報源: 神戸新聞NEXT|神戸|見直される貨物列車 背景に環境配慮、ドライバー不足 かつては不要論も

…とは言え,貨物列車が走る在来線のインフラはあまり設備投資がされていないのが実態であり,リンク先のような非常時における輸送ルートを確保するにはいくつかの懸案事項がある.

  1. 貨物列車を運行するために必要なレベルの在来線設備は,必ずしも旅客運行に必要なわけではない.ということで,その設備維持の差額分を公費で補填するなどする必要がある
  2. 単線区間の交換設備や複線区間でも待避設備を設けておかないと,足の遅い貨物列車を運行しにくかったり,列車遅延時の対応がしにくい.旅客主体の鉄道会社に任せておくと,固定資産がかかるのですぐ撤去してしまう.税金の部分を含めて,維持費を公費で補填するなどする必要がある.
  3. 日本海縦貫線や山陰線などでは,単線,急曲線,勾配などの難所があったりするが,放置しても改善される見込みはない.かといって,貨物会社が改良できる力も無い.ということで,公費による路線改良は必要.これにより輸送力アップと輸送の信頼性(遅延耐性,悪天候耐性など)が向上.
    • 我が国の在来線改良メニューはかなりしょぼいが,難所区間をバイパスするようなトンネルを青函トンネル方式(スーパー特急方式)で(法的には新幹線の部分整備として)建設するという方法はある.
    • この方法なら,全線着工の難しい日本海側での新幹線整備に部分着手できるとともに,貨物列車の輸送力向上,既存の在来線特急の160km/h程度までのスピードアップが実現できる.
  4. 青函トンネルや関門鉄道トンネルが結構老朽化しているので,堀直し必要かも.
  5. 非電化区間と電化区間を直通運転できるような機関車の開発(英国Class 800の機関車版)と運用.電化路線間に短い非電化区間を挟んで運行するようなケースや短い非電化の支線に乗り入れることを想定.
  6. 特急貨物電車の交直流対応版の開発(俊足化).
  7. 貨物列車へのLoad,Unloadの拠点の性能upが必要.末端部分はトラックへの依存が続くので,異なるモード間の接続を容易にするとともに,倉庫機能も必要かも.インターチェンジ付近に最近増えているEC物流倉庫の鉄道版?
  8. 在来線による貨物輸送の速度には限界があるので,(重量物は難しいが)軽量で高速性を要求されるようなものは新幹線インフラを使った輸送も必要.

…といった辺りか?

いずれも,放っておいても自由経済メカニズムが解決してくれるようなものではないので,政府の主導的な政策実施が必要ですね.

自動運転トラックの隊列走行想定で新名神6車線化

滋賀県内を通る新名神高速道路亀山西ジャンクション(JCT)―大津JCT間の6車線化が22年度から順次完成することが明らかになった。物流業界の運転手不足に対応するため、大型トラックの荷台部分をつないだ「ダブル連結トラック」や自動運転のトラックによる隊列走行の実現を見据え、道幅を広げる。

情報源: 新名神6車線化へ 自動運転トラックの隊列走行想定|経済|地域のニュース|京都新聞

ちと古い記事だが…まぁ技術の進歩は否定しないが,連結して隊列走行って…貨物列車じゃん.

あとはパリ協定への対応のため,タイヤの転がり摩擦を減少させる目的で,道路面およびタイヤの鋼製化という技術開発が残ってるね!

それから,自動操舵のために鋼製化したタイヤに出っ張りをつけるとともに,鋼製化した路面を出っ張りが通りやすい形状にすれば完璧だね!

 

新幹線で農産物を輸送

日本郵便とJR東日本は2018年11月5日(月)、両社の輸送網を活用した物流トライアルを行うと発表しました。

情報源: 新幹線で農産物を輸送 朝収穫、東京で午後販売 日本郵便とJR東日本が試行|ニフティニュース

去年の秋にこういう話題があった(もうリンク切れてるかも).その後どうなったかについてはよくわからないが…

今年6月には長野からも「第二弾」が実施され,「あんず」が輸送されているようだ.

そろそろ第三弾の季節?

なお,(もう止めちゃったけど)過去にはフランスのTGVで郵便物輸送してたわけで,農産物だけじゃなくて,東北とか北海道とかあたりから小包とか宅配荷物とかを輸送するってのもありかも.

在りし日の「La Poste 用TGV」(2014年9月,パリにて)

「無人トラック」実現へ、未来投資会議で方針提示

「無人トラック」実現へ、未来投資会議で方針提示 成長戦略素案

情報源: 「無人トラック」実現へ、未来投資会議で方針提示 成長戦略素案 | ロイター

(まぁ,「技術開発」を意識しているんだとは思うが)
運転手不足のことを考えているのなら,鉄道貨物でいいじゃん

確かに技術開発って大事なんだけど,行政って往々にして妙な新技術に飛びついて,数々の失敗してんだよなぁ.特に交通分野.

第2青函トンネル「ホンキの見積書」

2017年元日の北海道新聞で、第2青函トンネルの建設構想が報じられました。総工費は3900億円、建設期間は最低15年と具体的な数字も上がりました。

情報源: 青函トンネル建設OBが作った第2青函トンネル「ホンキの見積書」 その内容は(1/5) | 乗りものニュース

だいぶ前にパンフレットもらっていたけど,どの程度の扱いをしていいのかよくわからんかったが,web記事になるレベルなら話題にしてもいいのね.

現在の青函トンネルの上下線間に隔壁を設置する費用が1250億円らしいし,重心が高そうで大丈夫かと思うあのトレインオントレインが1810億円だということを考えると,結構安いんじゃないかと思ってしまうのは,イケないことかしら.

現トンネルは260km/hと言わず,騒音の心配もないので,可能な限り高速運転できるだろうから,悪くない案だと思ってしまうのは,イケないことかしら.

あと,この新トンネルは単線は単線でも,サイズを標準軌のフルサイズ列車が走れるように設計しておけば,いざという時(大規模修繕など)に現トンネルのバイパスルートとして使えるので,輸送の安定性向上にも寄与しそうだけど,そんなことを考えてしまうのは,イケないことかしら.

#これとは別に,とりあえず160km/h運転始めるのね.

初夢鉄道2017(物流事情編)

休みボケの平日,午睡の間にこんな夢を見た.

高速道路経由の自動運転トラックが運行されており,自動運転トラックが隊列を組んで走行しているが,荷台に勝手に侵入して窃盗を働くものが多くなり,荷室の密閉性についての議論が行われている.人通りの少ないルートでは,わざとトラックの進路妨害をすることで自動停止させ,荷物を強奪する事件が増えている.

トラックの運転手不足に加えてこんな事情もあり,鉄道貨物の地位がさらに向上している.

在来幹線の輸送能力が問題になってきており,株式上場を果たしたJR貨物が自社線路を持ちたいと考え始めている.特に東京-大阪間は全国的なネットワークの要になっているので,ここをなんとかしたい.かつて物流新幹線構想というのがあったが,仕様がやや突飛で実現しなかった.今度は曲線半径は130キロ運転対応程度で設計され,勾配は妙な補機を付けなくても良いように最初からゆるい勾配にするようである.

東海道新幹線では実現しなかったが,山陽新幹線と北陸新幹線が直通運転されるようになったこと,両新幹線の線路容量に余裕があることから,ボディに黒い猫がペイントされた薄緑色&クリーム色のツートンカラーの荷物専用新幹線が運転されるようになった.荷下ろしと積み込みの時間を短縮できるように,最初から荷物の自動積み込み装置が標準装備である.

専用列車の他にも,北陸山陽新幹線(かつては東海道山陽新幹線と呼ばれることがあったが,今や北陸山陽新幹線と呼ばれることが多い)の各列車の車端1両は荷物車になっている.自動積み込み装置のおかげで必ずしも荷物列車は直通運転する必要が無くなり,中継駅での自動積み替えを介して関西-北海道間や関東-九州間などでよく利用されているようだ.

平成時代末期には各家庭への末端の配達が問題になっていたが,集合住宅では宅配ボックスの設置が義務づけられ,幾分状況は改善しているようである.

IoTと称して各種機器のネット接続が試みられたが,意味の無いネット接続も多く,街中を歩くとwebブラウザのポップアップ広告のように各種の広告が半強制的に視界に入るようになり,景観汚染が問題になっている.同時に進行した無線に反応するチップの導入が物流面で進み,使い捨てチップが段ボール箱に貼り付けられることが標準になった.だが,使われているチップの絶対数が多すぎて無線チップ汚染が進んでいる.

…というところで目が覚めた.

青函「第2トンネル」構想

 津軽海峡の海底下を通る「第2青函トンネル」の建設を将来実現させようと、大手建設会社や土木の専門家らが、動きだした。財源の確保など課題はあるものの、実現されれば北海道新幹線のさらなる高速化が可能になり、貨物列車の輸送力向上なども期待できる。

情報源: 青函に「第2トンネル」専門家ら構想 貨物線で新幹線高速化 | どうしんウェブ/電子版(経済)

貨物列車専用線を在来線規格の単線トンネルとして建設する案らしいが,どうせ掘るなら単線は単線でもフル規格新幹線サイズの電車が通せるように掘るべし.

現在の青函トンネルは,新幹線が通るトンネルにもかかわらず夜中も貨物列車が通るような線路になってしまっているので十分な保守時間がとれていないんじゃないのかな.

加えて,青函トンネルは掘削開始からもう50年.開業から間もなく30年.大規模な修繕も遠くない将来に必要だろうし,日々のメンテナンスも増えてくるだろう.

そうした場合に,日常的な利用法としては第2トンネルは在来線貨物列車用だとしても,「第1トンネル」のメンテナンススケジュールの必要に応じて新幹線電車も通せるようにしておいたほうがいいだろう.

北海道新幹線としては青函トンネルはまだ1才.だが,懐妊期間があまりにも長かったので,第2トンネルのことを考えるのなら,そろそろ「第1トンネル」の高齢化の心配もしながらインフラ計画を考えた方がいいかもしれない.

 

チキチキチキ2

線路際に住んでいると,たまに変わった列車に出会う.原則として銀色の7両編成の電車しか走ってこないが,珍しく機関車が走ってきた.

貨物列車だ.積み荷は…レールだ.

何かの作業している.

運んできて置いていったのは,このレールだね.交換準備の模様.