台鉄が昨年までの2年間で25回の脱線事故を起こしていたことが24日、分かった。台鉄を運行する交通部(国土交通省に相当)台湾鉄路管理局の局長が立法院(国会)で明らかにした。
情報源: 台湾・脱線事故 2年で25回、安全不備に批判 – 産経ニュース
あーーーーっ,アカン!
メンテナンスがおろそかになってたり,守られるべき手順が守られなかったりという状態の可能性高し.まるで国鉄末期の状態.ちゅうか,台鉄は公社化すらされていない政府直営の鉄道なのね.
台鉄が昨年までの2年間で25回の脱線事故を起こしていたことが24日、分かった。台鉄を運行する交通部(国土交通省に相当)台湾鉄路管理局の局長が立法院(国会)で明らかにした。
情報源: 台湾・脱線事故 2年で25回、安全不備に批判 – 産経ニュース
あーーーーっ,アカン!
メンテナンスがおろそかになってたり,守られるべき手順が守られなかったりという状態の可能性高し.まるで国鉄末期の状態.ちゅうか,台鉄は公社化すらされていない政府直営の鉄道なのね.
運転士が身柄拘束の請求審査の際、「動力に問題があった」として、速度を自動制御する「自動列車防護装置(ATP)を切った」と証言したと発表した。
情報源: 台湾・脱線事故 運転士「ATP切った」と証言 – 産経ニュース
ダメじゃん.
でも,日本でも故意じゃなくて過失だが,似たような話はあった.
これを防ぐには,運転席のスイッチをハード的な「電源断」にする電流の切断装置にするのでは無く,パソコンの電源スイッチのように「シャットダウンを指示するキー」相当にしておいて,電源供給そのものは切れないようにしておくしかないかな.
その上で,(ソフト)電源スイッチが切られたら,そのときは目視運転でも問題の無い速度でしか走れないようにするとか…
#そうすると,今度は配電盤を探して電源切ろうとする輩が出てくるか…
昨日の話の続きである.
列車前面展望ビデオがあるようなので,よく見てみよう.
脱線現場よりも台北寄りにある半径800mとおぼしきカーブは,どうやら120km/h制限のようだ(1h 22m 43s).このカーブに入った後に,ATSの地上子(2個1組)のようなものが見える(1h 22m 54s)が,これが速度照査用のものかな? 正確にはわからないが,このカーブを出終わる少し前( 1h 23m 22s)にも同様のものがあり,反対向き線路にもあるので,その可能性は高い.(台湾は双単線)
しばらく進んで,脱線現場駅の手前には制限標識があり,「65」と「85」の文字が見える(1h 23m 35s).車体傾斜装置のついていない列車が65km/h制限,ついている列車が85km/h制限ということかな.
ということで,昨日の制限速度に関する考察は概ね当たり.
駅の構内にさしかかり,信号機の横に再びATSの地上子(2個1組)のようなものが見える(1h 23m 45s).
駅を通り過ぎた後の曲線の手前には「75」「100」の文字があり(1h 24m 10s),先ほどと同様に制限がそれぞれ75km/h,100km/h.
さらに進んで次の駅の手前には「95」「120」がある(1h 24m 26s).
台湾のATS等の保安装置についてはあまり詳しくないが,ATS地上子のようなものを2個1組で設置している地点が速度照査ポイントだとすると,曲線に入ってから120km/h制限や85km/h制限が守られているかどうかをチェックしていては,いざという時ブレーキが間に合わないのでは無いかと思った.
(あくまでATS地上子のようなものが速度照査ポイントなら…台湾のTVニュースのネット同時配信を見ていると,やはりこの地上子は速度照査用のもののようだ.)
↓ ”Live”なので,後日見ても意味不明かも.
R800カーブの120km/h制限はクリアしてそうなので,そのまま突っ走ってR300カーブに120km/hのまま突入し,速度照査で引っかかって非常ブレーキが作動したけど間に合わず,といったところか? (ならば,地上設備の設計ミスかも)
事故の前に車両故障で一時動けなくなったという情報もあるみたいだが,まさかとは思うが,故障の原因が保安装置で,保安装置の電源を切ったまま運転していたとか.あるいは,ブレーキがかかったまま緩解しないので,ブレーキのエアを強制的に抜いたまま出発した(関東鉄道取手駅事故がそんな感じだったかな)とか(まぁ,今時空気だけでブレーキかけてるわけ無いか……).そんなんじゃ無いよね.
(台湾のTVニュースのネット同時配信でも,保安装置のスイッチが入っていたかどうかという点が論点になっている模様)
勝手に加速したという話もあるみたいだが,定速運転装置(クルマでいうところのオートクルーズ)が稼働していたとか…
#なお,車体傾斜装置は「安全に曲線を高速で走れる装置」と勘違いしている人が多いが,車体傾斜装置は曲線通過時の車内の遠心力を軽減する装置であって,安全性を大幅に向上させる装置では無い.車両の重心が下がった場合にのみ安全性が向上する.ということで,転ぶときには転ぶ.客に気づかれないようにマージンを削っているようなもの.
#最初のビデオは逆光でわかりにくい.反対側の線路を北上する列車の前面展望ビデオも発見(0h 42m 04s 〜 0h 43m 41s).こっちは太魯閣自強号とあるので,TEMU1000型か?
台湾北東部・宜蘭(ぎらん)県で21日午後4時50分ごろ、台湾鉄道(台鉄)の特急「プユマ」号が脱線した。行政院(内閣に相当)が公表した消防当局の情報によると、乗客366人が乗っており、22人が死亡、171人が負傷した。けが人はさらに増える可能性がある。
情報源: 台湾北東部で特急脱線、22人死亡171人負傷 列車内に閉じ込めも – 産経ニュース
あぁ,大きな事故が起こってしまった.
写真を見ると駅構内の急カーブで,曲線の外側に飛び出している.写真奥が南,手前が北側で,南行きの列車のようなので,写真奥の車両は先頭車ということだ.先頭車はカーブ外側に横倒しになっている.ということで,速度超過かな.
路線自体は日本統治下の大正時代に開通したようだけれど,さすがに現行の線路設備は更新されているはず.
脱線した電車は「TEMU2000型」という形式のようで,日本の日車製のようだ.リンク先の記述によるとエアサス式の簡易車体傾斜システムが装備されていて,営業時は140km/h運転とある.車両構造的には名鉄のミュースカイの親戚みたいなものかな.
ここかな.かなり急カーブだな.半径300mくらいのようだ.台湾の在来線は日本と軌間が同じなので,制限速度としては通常なら60-70km/hくらい.車体傾斜装置が付いているようなので,この列車については70-85km/h制限くらいか.
この駅の北側にも曲線はあるようだが,半径は概ね800mくらいの模様.さらにその手前は18kmくらい直線や緩曲線しか存在しない平野部だ.
半径800mの曲線ならこの電車だとたぶん120-130km/h程度の制限だと思うので,平野部を130-140km/hくらいで快調に走ってきて,800mカーブは何とか通過.その後は,制動をかけるのを忘れたか,あるいはかからなかったか,当該駅構内の急曲線を曲がりきれずに転覆,ということかな.
編成が全体的にW字形になっているが,後ろから押された形になっているということのようなので,曲線にかかった順に先頭車両から脱線して前側から順に急制動ということか.(あるいは編成後部の車両のブレーキが効かなかったか.)
#なお,名鉄ミュースカイに関しては,カーブには速度超過を防ぐ保安装置がある模様.
スペインの鉄道博物館,他の展示物はこれといって面白いモノは無い(…と言ってしまうと失礼だが,正直な感想である).
そんな中,スペインらしい展示物がこれだ.
登場して75周年らしい.期間限定特別展示.といってもパネルだけ.
スペインのタルゴというと,人によって受け止めるイメージは異なり…
…と様々であり,どれが真の姿かというと,どれも正しい.つまり,振り子式列車バージョンも,フリーゲージ列車バージョンも,300km/h超運転できる高速仕様もある.
スペイン国外にも輸出されており,各国仕様があるようだ.ゲージが異なる路線を直通という点では欧州にはロシアという広軌鉄道網を持つ国もあり…
ロシア鉄道では240km/h運転できる上,7編成のうち3編成は1520mmの広軌区間で使用され,残りの4編成は2016年からモスクワーベルリン間に投入されて軌間変換装置を使っているようだ.
JR東日本が検討している秋田新幹線の岩手、秋田県境の新ルート整備で、同社が600億円規模の概算事業費を秋田県や沿線自治体に対し提示していたことが7日、分かった。トンネル新設を含む工事区間は県境をまたぐ十数キロになるとみられる。
情報源: <秋田新幹線>新ルート整備600億円試算 トンネルは10キロ超、工期10年見込み | 河北新報オンラインニュース
関連記事もある.
情報源: <ニュース深掘り>秋田新幹線新ルート整備 防災強化へ議論不可欠 | 河北新報オンラインニュース
山形新幹線の福島-米沢間と似たような事情だが,山形新幹線が「新幹線計画路線に並行する在来幹線鉄道」であるのに対し,こちらは事実上都市間の幹線として機能しているものの地方交通線であり,こちらは公式の新幹線計画は無い.
両記事をよく見ると,どちらにもフル規格新幹線電車を通過させるには追加費用が○○○億円という件も無い.
秋田市への新幹線計画は日本海側の羽越新幹線計画,福島から山形を経由して内陸を縦走する奥羽新幹線計画がある.ところが秋田への現状の主たる幹線鉄道輸送はどちらでも無く,盛岡からの田沢湖線ルートだ.
整備費用は山形新幹線に比べると小さいモノの,状況的にいろいろと悩ましい.簡便な整備は現状のルートを強化することだが,公式の新幹線計画が無いのでフル規格新幹線電車を通過させるトンネルを建設するのが難しそうである.このプロジェクトは在来幹線鉄道の改良工事になってしまい,新幹線整備ではないので国の補助制度メニューもしょぼく,補助率も新幹線建設に比べて小さい.
これに加えて,現状のルートをフル規格新幹線化させた場合,奥羽新幹線や羽越新幹線沿線地域はどうするんだという問題もある.
もっとも,奥羽新幹線がもし完成したとしても,現状の田沢湖線ルートは隣県の県都である盛岡とを結ぶルートであることに変わりは無いわけで,少なくとも防災目的の投資は無駄にはならない.
新トンネルは時間短縮にもつながるそうだが,10キロほどのトンネルだと,急加速しても250キロに達するのは難しそう.時間短縮の恩恵も小さく,170キロ運転程度を念頭に設計しておくというのが無難な落としどころか.170キロなら久留米と新鳥栖のわずか数キロでも到達できる速度だ.いずれフルサイズの電車は山形方向からやってくると期待すれば,トンネル径は在来線サイズでもいいかなぁ.
山形新幹線の山形、福島両県境区間で豪雪などによる運休や遅延が相次いでいることを受け、JR東日本は、防災対策事業の概要をまとめた。
情報源: 運休相次ぐ山形新幹線…トンネル新設の工事費は1500億円 JR東、事業化の是非を検討 – 産経ニュース
例の「山形新幹線最弱伝説」への対応である.いっぺん言及した件でもある.
この記事をよく見ると,120億円追加すればフル規格の電車が通過できるトンネルサイズにできる,とある.ということは,原案は在来線サイズのトンネルということか.
この区間(福島ー米沢間)は新幹線の基本計画である奥羽新幹線の一部でもあるので,「常識的には」フル規格対応で作っておいて,必要に応じて転用するのが妥当だろう.いったん完成して使い始めると出戻り工事は不可能だからだ.まぁ,要するに青函トンネル方式である.
正式な高速道路が欲しいんだが,なかなか整備されない区間において,まずは一般国道のバイパス的な自動車専用道路を建設(線形そのものは高速道路で対面通行など)しておいて,時期が来たら高速道路網に組み込むということが行われることがある.「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」というやつである.
例えば,和歌山の海南湯浅道路(国道42号)→阪和自動車道,とか,高松東道路(国道11号)→高松自動車道とか.そのほか,高速道路への正式編入はされていないものの実質的に高速道路網の一部になっている自動車専用道路は全国にたくさんある.
高速道路以外にも,一般国道2号のバイパスを有料の県道として整備した欽明路道路(30年くらい前に無料開放)というのもある.
そういったアイデアが新幹線ネットワークにあってもいいと思うんだが,「常識」の通じない頭の固いセクションがあると実現しにくいかも.
山形新幹線については最近もさらに別のトンネルの建設を要望する記事があったが,米沢盆地と山形盆地の間の山地部分あたりかな?
トラムの線路ができあがったものの,まだ使用開始できていないスペイン南部のハエン.鉄道ネットワーク的には,マドリードとセビリアを結ぶ幹線から枝分かれするような位置にある.そして,マドリードとセビリアを結ぶ幹線には,現在はAVE,つまり高速新線が整備されている.
さて,このハエンからマドリードに向かうには,「並行在来線」を走る急行列車に乗るか,コルドバまで行ってAVEに乗るかなんだが,乗換を含めての所要時間はどちらもほぼ同じ.4時間弱かかる.
ハエン駅発マドリード行き.マドリードのターミナル駅はアトーチャ駅のことが多いが,この列車は広軌の在来幹線を走るので,近郊列車駅のアトーチャ・セルカニアス駅に達し,そのまま近郊線の地下線を通ってチャマルティン駅まで行く.
オリーブ畑になっている丘陵地帯を,ほぼ等高線に沿って単線の線路が敷かれており,線形ははっきり言って悪い.
架線柱が建っているので,線路だな.どうやら線形改良工事をしている模様.
…そして現在線と合流.
スペインでは高速新線の工事が日本の新幹線の約3倍のペースで進んでいるが,それだけにとどまらず,「並行在来線のさらに枝線」でも線路改良をしている.
…で,日本の在来線はと言うと,朽ちて廃れるのを待っているのかな?
山形新幹線の福島県境部の抜本的な防災対策に関し、トンネル新設の概算事業費を1500億円と試算したJR東日本の調査結果を踏まえ、吉村美栄子知事は1日、JR東日本本社(東京)で冨田哲郎社長と面談し、トンネル整備の早期事業化を要望した。
情報源: 福島県境のトンネル新設、JR東に事業化要望 吉村知事|山形新聞
ちょっと前の新聞記事.まだリンクつながってるかな.
山形新幹線は「新幹線」なのにすぐ止まるという話をしたが,手をこまねいているわけでは無さそう.
福島-山形間の県境,つまり板谷峠に新しいトンネルを掘って「山形新幹線最弱伝説」を返上しようとしているようだ.
この区間は全幹法に基づく基本計画区間でもあるので,この際トンネルを掘るなら将来を見越してフル規格新幹線電車の走行が可能な形で掘るのが当然だろうとは思う.
短期的な目先の支出にとらわれるのか,それとも長期的な出戻り作業を避ける形で建設するのか,注目の案件だな.