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ドイツの不通区間でバス代行に乗ってみた

件の不通区間は全く人ごとではなく,自らの行程の一部にもなっている.

当初予定ではフライブルクをICEで昼前に出て,カールスルーエに正午頃到着の予定であった.

Freiburg(Breisgau) Hbf(1057発)→ICE370→ Karlsruhe Hbf(1158着)

ところが,この区間にBaden-BadenとRastattの不通区間が含まれている.

そこで,こういう計画を立てた.きっと臨時ICやそれに接続する代行バスは混んでるだろうから,ローカル列車乗り継ぎコースにしよう.具体的には…

Feiburg(1003発)→ RE →Offenburg(1053着)
Offenburg(1102発)→ RE →Baden-Baden(1127着)
Baden-Baden(1133発)→ 代行バス →Rastatt(1154着)
Rastatt(1202発)→ S7 →Karlsruhe(1226着)

…最後の「S7」が微妙で,ドイツ鉄道が運行している列車なら乗れるのだが,カールスルーエの場合は黄色い路面電車が幹線の上を走るという代物である.基本的にはレールパスの使用対象ではなく,「アブタール鉄道」という会社が運行している.けれども「非常事態」なので,乗せてくれる可能性もある.Rastatt駅で聞いてみよう.

さて,実際はこうなった.まずは,予定通り出発.

Feiburg(1003発)→ RE →Offenburg(1053着)

Offenburg(1102発)→ RE →Baden-Baden(1127着)

ここまで,予定通り.そして,バーデンバーデンに到着.

人の流れにくっついてゆくと,電車のマークが表示されたバスがあった.3台待機しており,2台目に乗れた.「普通の連節バス」だ.検札も何もないが,ええのか?

そして,走ること約20分.Rastatt駅に着くと,本来は既に出発しているはずのベルリン行きICEが待っていた.

ということで,カールスルーエにはほぼ当初予定通り到着.バスの迂回コースはこんな感じであった.見事にあの区間を迂回している.

 

結局は摩擦力に頼ってるわけで…

東海道新幹線の浜松工場というと,十数年前のくそ暑い時期にガキんちょを出汁に見物に行ったところである.この工場の入り口付近にある出入庫線で例の脱線は発生したわけだが,レールをマクラギに犬釘で固定していたことが原因だそうな.

対策は,タイプレートという金具とレールの固定を板バネに変更すると書いてあるようだ.

…がしかし,リンク先のpdfが正しければ,そのタイプレートはマクラギに犬釘で固定するように見える.つまり,結局のところ,マクラギと犬釘の摩擦力に頼る構図は変わりないわけで,事故発生頻度は減りそうだが,抜本対策では無い模様.

本線の中古のコンクリート枕木あたりに交換した方が,摩擦力に頼らない分だけ確実かもしれないと思うのは気のせいか?

#いちいち言わなくても,保線担当者は知っていると思うが.

…で,軌道強化費用と保守費用込みのトータルのコストアップはどの程度?

フリーゲージトレインの話である.

検証走行試験やコスト削減策の検討を進めてきたようで,資料によると,FGTの経済性の検討結果は一般の新幹線と比較して製造コストが1.9倍,メンテナンスコストが2.7倍,全体では2.3倍らしい.

以前がひどかっただけに改善したように見えるが,まだまだ倍以上である.

ところで,FGT導入に関するコストアップは車両そのものもさることながら,軌道に関する面も課題であったかと思う.以前は興味を示していた鉄道会社が試験走行以降は全く興味を示さなくなった原因は,導入前の軌道強化費用が馬鹿にならなかったことと,導入後の軌道保守の手間の煩雑さ(コストアップ)であったかと思う.さらに導入後の在来線の走行速度は現行車両以下で乗換が減ってもあんまり便利にならないことも課題ではなかったろうか?

導入時の軌道強化費用はどの程度低減できたのだろう.あるいは導入後の軌道保守はどの程度低減できたのだろう.在来線走行時の曲線通過性能の改善はいかに? 脱線係数の改善はいかに?

車両だけ注目していても,トータルとしてのシステムの課題が解決できていないと,導入は道遠し,なのだが.

#やはり新幹線ではない鉄道線(例えば近鉄の京都-橿原神宮前-吉野,とか,関空-天下茶屋-河原町,とか)で実績を積んでから高速鉄道に導入するのが安全だと思う.

 

FGTにはSONTAC

JR○州:「フリーゲージトレインて,導入するのヤダなぁ.メンテ費用は高そうだし,そもそも,もし事故があったら人柱や.非難されるのは我々や.やめとこっと.」

J□西:「うちも…」

マスコミ:「JR○州が長崎新◇線へのフリーゲージトレイン導入を見送る方針」

鉄○局:「なんだとぉ.勝手に見送られたら,俺たちの立場がねえ無いじゃねえか! 財△省にも顔向けができん!! (会計検査院に目ぇ付けられたらどうするんだ) 許さん!!! JR○州が非協力的ならこっちにも考えがある!! 少しはSONTACしろ!」

JR○州:「ひえぇぇ〜」
J○西:「ひょぇ〜」

 

国○交○大臣:「JR○州から『フリーゲージトレインの導入を断念 する方針を固めたとの事実はない、評価委員会に向けて引き続きフリーゲージトレインの 開発に協力する』との回答があった

#登場人物や団体は実在するものかどうか不明です.話の流れは想像です.

 

フリーゲージトレインの使い道を考える

例のフリーゲージトレインであるが,JR九州があきらめたようなので,どうやら当面実戦配備は無さそうになってきた.

九州新幹線長崎ルートの佐賀県下については,長崎本線を改軌するか新線を建設するか,何らかの対応を早急に考えた方がいいだろう.

さて,せっかく開発してきたフリーゲージトレインであるが,何がいけなかったかというと,技術的な問題もさることながら,技術の投入手順が最大の問題だったかもしれない.

これまで新幹線には様々な技術が投じられてきているが,200km/h超運転,ATC,CTC,車体傾斜,etc…いずれも別の局面で使用されてきた技術の延長であり,新幹線に投入されるのが日本初,という技術はあまりなかったのではないかと思う.

その点,フリーゲージは今までのものとは異なっており,初の実戦配備を新幹線でしようとするものであった.誰か(あるいはどこかのセクション)の功名を気にした行動が招いた悲劇かな.

でもまぁ,せっかく開発した技術は勿体ないといえば勿体ないので,使い道を考えてみよう.

条件としては,1)狭軌と標準軌の直通運転,2)重い電車でもOKな重軌条の路線,ということなので,例えばこんな感じか?

  • 阪急電車(標準軌)→なにわ筋線(狭軌)経由→関西空港
  • 近鉄京都線(標準軌)→橿原神宮前経由→吉野線(狭軌)

実績を積んで,問題点を洗い出して解決して,そして始めて新幹線への実戦配備,というのが本来のスジだよね.

 

どうする欧州調査(怖いよぉ)

英国マンチェスタでテロ発生.

欧州は最近テロが多いが,多くの発生場所が行ったことのある場所ばかり.

有名都市の路面電車の走っているような中心市街をひねもすウロウロしてればそういうことになってしまう模様.

つまり,昨今のテロの発生場所は中心繁華街は繁華街でも,LRTが走っているような地方中核都市レベルのところが標的にされていることが多いということか.

怖いよぉ.今年はどこに行けば安全なんだろうか.都市の選定が年々難しくなってきている.加えて,数年前ならさほど気に留める人も少なかった街路でのビデオ調査やレーザー距離計を使っての幅員調査などは何となくやりにくくなってきているし,調査方法の選定も難しいねぁ.

どうする,今年の欧州調査.

FGT試乗ルポ,車輪幅の変換滑らか

 新幹線長崎ルートへの導入に向けて検証走行試験を重ねているフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)。報道機関を対象にした試乗が25日、鹿児島ルート熊本-新八代間などで行われた。初夏に控える技術評価委員会では、耐久走行試験の可否を視野に入れた議論になる。大きな節目を前にした試験車両に乗り込み、完成度を体感した。

情報源: FGT試乗ルポ 車輪幅の変換滑らか|佐賀新聞LiVE

えーと,滑らかかどうかは問題になってなくて,十分安全に足るだけの耐久性があるかどうかと,常識的な経済性を備えているかどうかがクローズアップされているわけで,肝心な部分の情報は何も無い感じ.

内装系はそれなりに金をかければきれいなものができるし,外観はE7系の縮小コピーの色違い.乗り心地は足回りのクッション系で振動吸収されており,ごつごつ車輪の振動が伝わるようだと,そもそも新幹線としての所要水準に達してないわけで…この記者さんは,意図せずだとは思うが,まんまと単なる「はしゃいだ記事」を書いちゃったわけやね.

大阪市営地下鉄民営化へ

 大阪市営地下鉄の民営化を巡り、自民党市議団は23日、市が提案していた地下鉄事業の廃止議案へ賛成することを決めた。28日の市議会で3分の2以上の賛成となる見込みで、全国で初めて公営地下鉄の民営化が実現する。市は100%出資する新会社に事業を引き継ぎ、2018年4月に民営化する方針だ。2015年度の営業収益は1561億円。

情報源: 大阪市営地下鉄、民営化へ 公営で全国初  :日本経済新聞

日々の経営面では,利用客にとってプラスの面が少なくないが,民営化すると額の大きな投資は単独ではできなくなるので,新規路線はもうナシよ,ということになる.

まぁ,それでいいのなら,それも良し.

新規路線整備でなくとも,大規模修繕などの目に見えた投資効果のわからないものも実行されにくくなるので,要注意.極端な例はJR北海道のような感じかな.

稲むらの火

紀勢本線の湯浅駅を降りて…

シロウオ漁の風景としてよく紹介される川を渡り…

しばらく歩くと「稲むらの火の館」に到着する.

津波関係のいろいろな展示物がある.土木系にいる人間としてはやや慣れっこになってしまっており,まぁそうだよねと言うのが多いが,いくつか印象的なものもあり例えばこれ.

南海トラフ巨大地震が発生した際に広川町に押し寄せるであろう津波の最大波高は9mらしいが,それを館内の天井の高い箇所で示すとこんな感じ.助かる気がしない…

ちなみに,大半の方にとっては「それどこ?」だが,私の実家のある旧下津町(広川の10kmほど北)のハザードマップによると,駅前主要部分は,ほぼ壊滅の様相.

さて,この「稲むらの火の館」の海側には,安政の南海地震発生時(1854年)の津波を教訓につくられた堤防がある.

三陸海岸につくられている堤防に比べればずいぶん低いが,これでも比較的小さかった東南海,南海地震時には実際に役立った.備えあれば何とやら.

もっとも,5mほどの高さの堤防では9mの津波を完全に防ぐことはできないので,こういうのが実際の行動に求められるわけだな.

なお,海岸部に住む和歌山県民は子どもの頃から折に触れて「大きな地震が来たら,山に逃げろ」と教えられている.

今日で東北の震災から6年.「30年以内に○○%」のうちの5分の1,つまり2割の時間を費やしてしまった.首都直下地震とか南海トラフ巨大地震とかの来たるべき大災害に向けて,日本は何か賢い対応ができただろうか?

山陽新幹線における新ATCの使用開始について

このたび、導入に向けた工事が完了し、使用開始のめどが立ったことから2月19日(日曜日)の始発列車より、新ATCの運用を開始いたします。

情報源: 山陽新幹線における新ATCの使用開始について:JR西日本

ほぉ〜.ようやくデジタル化か.これも山陽新幹線ローン払い終了の効果か?

東京〜新大阪〜博多〜鹿児島中央の全区間でデジタルATCの使用を開始するということで,東京〜新大阪〜博多で併用していたアナログATCを止めても大丈夫だという状態になったわけかなぁ.

アナログATCが止まると,今まではアナログATCとデジタルATCとで整合がとれるように速度制御してたと思うんだけど,アナログを気にせずに一段制御できるので,さらに列車間隔を詰めたり,駅停車時のブレーキ開始位置を駅寄りにしたりできるのかなぁ.

そうだとすると,東京〜新大阪〜博多の「ブラッシュアップ」が近々あるのかなぁ.

 ・こだま747号 岡山~博多間 38分短縮

これはすごいな.でも,まだありそうだな.