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初夢鉄道(リニア編)

夢で見たことなので,ツッコミ無用である.

こんな夢を見た.その夢の中では,リニアの東京-大阪間はもちろん完成している.使いにくいと言われた品川駅はサブターミナル化し,リニアは東京駅に乗り入れている.あまりの所要時間の差があったため,東海道新幹線を使う人が少なくなり,東京駅には14-19番線の6線も必要なくなった.そこで14-15番線だけ残して残りはリニア用ホームに改造されている.14-15番線も東北新幹線と直通できるように配線変更されて首都圏内はスルー運転されており,もはや東京行きあるいは上野行きなどと言った新幹線は珍しくなっている.

致命的な被害はなかったものの,首都圏でM6クラスの直下地震が発生したことを機に首都機能の本格的な受け皿を関西に求めることになり,ある程度まとまった土地が探された.その影響もあり,リニアの名古屋以西ルートは京都と奈良で揉めていたが,京都でも奈良でもない場所にリニア駅ができることになり,同時に副首都駅になった.副首都機能の稼働開始間もなくして大地震と大津波が太平洋岸を襲い,静岡県下の東海道新幹線の海岸に近い区間では復旧に数年以上の期間を要する被害が出ている.新幹線の線路を内陸に付け替えるべきかどうかで議論が出ているようだが,結論は出ていない.

終点は大方の予想どおり新大阪駅になった.関西空港への延伸の要望はあったものの,空港アクセス客を運ぶほど線路容量に余裕がなるわけではないことが分かってきたため,関空アクセスの改善は別の方法が採用されることになった.航空ネットワークと鉄道ネットワークの結合政策の影響もある.

リニアは500km/h運転で営業開始されたが,開業後も数々のデータやノウハウが蓄積し,もう少しスピードアップできることが分かってきた.東京-大阪間67分であったものをほんとうに1時間で結ぶべく,600km/hでの営業運転が検討され始めており,試験運転では700km/hも記録されている.

リニアの完成により三大都市圏のリニア駅の拠点性が高まったので,全国的な幹線鉄道網の再編の気運が盛り上がってきており,同時に便利な鉄道網と航空ネットワークの結合も実現しそうである.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.あけましておめでとうございます.

地震動予測地図とリニアの中京圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察を継続中.このファイルのp.72やp.108を引き続き見ている.今回は中京編.
リニア名古屋駅は地震のリスクが高いが,一応地下駅なのでその点はクリアできる.しかし,名古屋人ならよく知っていると思うが名駅周辺は大雨で浸水しやすく,先日も市営地下鉄東山線が水没しかけた.名古屋駅へのアクセスは新幹線,JR在来線,名鉄,近鉄,地下鉄であり,地下鉄2系統あるので品川よりはマシである.名鉄と近鉄は駅は地下だがすぐに地上に出るので,地下鉄ではない.大地震で地上走行の鉄道が使えなくなると,リニアと地下鉄2系統だけが生き残るという可能性はありそう.

 地下鉄が動けば名古屋市の窓口として機能しうるが,市外を含めてのサブターミナルとしては隣の中津川になる.地震リスクは名古屋より幾分マシ.ここからは何とか中央線,太多線,高山線経由で岐阜や日本海側にアクセスできないこともないが広域アクセスは弱そう.
名古屋以西のルートについては明らかになっていないが,下馬評ではリニア名古屋駅の西隣駅は亀山あたりではないかということになっている.地震リスクは名古屋とあんまり変わらないか幾分マシ程度.濃尾平野は遠く,もはや中京都市圏の代理窓口にはなり得なさそう.広域的な幹線も無い.
もしも名古屋駅から新大阪駅までほぼ真っ直ぐにリニアが敷かれた場合は,勝手に員弁あたりと想像してみるが,道路網はそれなりに使えるものの,他の鉄道との連携はほとんど期待できない.広域アクセス拠点にもなりにくい.
ということで,中京圏については岐阜県駅(中津川)はある程度中京圏の臨時ターミナルにはなり得るが,三重県駅にはあまり代替機能は期待できず,名古屋市営地下鉄をどうやって動かすか考えた方が良さそう.こういう事態になれば東海道新幹線には期待できないので,広域アクセスはリニア以外なくなり,広域鉄道網の結節点機能は無くなる.(ということは,名古屋暫定開業状態では,東西間バイパス機能は発揮できないということ.)

地震動予測地図とリニアの首都圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察を継続中.このファイルのp.72やp.108を引き続き見ている.
リニアは首都圏,中京圏,近畿圏を結ぶことが大きな目的であるが,同時に東海道新幹線の代役でもあるので東海道新幹線途絶時においても三大都市圏を何とか結ぶとともに広域鉄道網の要の役割を継続しなくてはならない.これが三大都市圏結節鉄道のBCPの要求水準である.
さて,首都圏のターミナルはご存じ品川駅であるが,(地下なので地震に対しては大丈夫ということになっているが)海岸に近くて浸水の心配がされる地区でもある.一応,高潮津波は多少防潮堤を整備すれば大丈夫ということにはなっている.リニア品川駅が無事でも,そこへのアクセスはインフラが古いJR在来線が主体であり,リニア品川駅が無事でも地上の品川駅付近の線路が地震動で使えないということが起こりうる.

 ということは,実はリニアのバイパス機能を有効に働かせるためには,各都市圏においてサブターミナルが重要ということになる.サブターミナルは各都市圏に対してのアクセスが十分に可能であるとともに,広域アクセスの要になっている東海道新幹線の代役という点では,一時的にであっても広域アクセスが可能であることが求められるということになろう.

さて,首都圏ではリニア品川駅の西隣はリニア神奈川県駅で,相模原市の橋本駅付近ということになっている.地震リスクは品川より幾分マシ.

 JR横浜線と相模線で南北方向に,京王線で東方向に移動できるので,品川付近だけが使えない場合は首都圏の代理窓口として機能しうる.広域アクセスについては,新幹線を含むJRの幹線が遠く,難ありである.八王子まで出れば中央線があるが,リニアできた人がここから中央線で甲府方面に行くことは考えにくいので,あまり意味はない.

ということで,広域アクセスに難アリなので,全国的鉄道網としては首都圏そのものを迂回するルートを確保した方が良さそう,という結論になる.

地震動予測地図とリニア名古屋以西

全国地震動予測地図2014年版が公開されたので,観察してみる.以下,このファイルのp.72やp.108を見ながらのお話し.
まず東京-名古屋間のリニアのルートについて見ると,起点の東京が真っ赤(紫)で,途中経路以前にターミナル自体が比較的地震のリスクが高いことが確認できる.一応地下駅なので影響は小さいということになっているとは思うが,ディーゼルカーが走るわけではないので,電力供給や信号システム等を含めて全て完動して初めて運転できるはずなので,大丈夫かなぁ,である.
品川を出ると内陸方向ほぼ真西に進路を取るが,甲府盆地では富士川〜笛吹川付近がリスク高めであり,そこに山梨県駅が地上駅としてできる.2027年に暫定ターミナルになる名古屋駅は濃尾平野にあるが,ここも比較的リスクが高めになっている.
まぁ,それでも沿線ほとんど真っ赤っかの東海道新幹線よりははるかにマシなので,改善ではある.なお,日本海側はもっとリスクは小さい模様なので,東西間交通の途絶を完全回避したいなら,北陸新幹線は真剣に検討したいところ.
さて,奈良と京都でもめている名古屋以西については,予定どおりに三重県下を南西に進むとリスク高めの地域をかなり長距離進むことになる.その後進路を西にとって奈良を通過するが,奈良盆地がややリスク高めで南に振れれば振れるほどリスクが高くなる.さらに南南東側から新大阪に達すると思われるが,大阪平野でもリスク高めの地区を突っ切って行くことになる.ちなみに,この「大阪平野でリスク高めの地区」はレンコンの産地ではないかと思われる.
(そもそも濃尾平野を突っ切っている時点で心配事は多いのだがそれはさておき,)名古屋以西のルートについてなるべく地震のリスクが低そうなところを縫って行くとこうではないだろうか.
名古屋駅を南西側に出たら,そのまま南西に進むのではなく西に進路を変え,伊勢湾から速やかに遠ざかるとリスクは下がる.三重県駅は員弁あたりか?
(いろいろ緊張関係はあるが,それはさておき)進路を西に取ると滋賀県を通過するが,びわこに近づくと再度リスクが高くなるので,甲賀か信楽付近を通過するのがリスクが低そう.この辺からやや南に向きを変えて京都府下に入り,京田辺から木津川,京都奈良府県境にかけてのあたりを経て再び進路を西に変え,交野,寝屋川から新大阪に達するというのが比較的リスクが小さそう.(あぁ,つまり名古屋駅と新大阪駅をほぼ真っ直ぐに結ぶ,ということか.)
ちなみに,大阪産業大学のキャンパスのロケーションは・・・
リスク高そう・・・il||li _| ̄|〇 il||li

続・リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」らしい

この話の続き.
リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」読売新聞 – goo ニュース.
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20141212-OYT1T50128.html?from=ytop_ylist

最後の方に…”ただ、国が国費を投入して前倒しを求めた場合は、「国が考えることを押しとどめることはできない」と述べた。”…とあり,以前に比べてずいぶん態度が軟化したようである.
軟化したけれども…”「借金を減らしてから(名古屋以西の)次の工事に入ることが健全経営の維持に必要だ」と、消極的な考えを示した。”…ということなので,国の示した案ではまだまだなので,もう一息,と言う意味だろうな.
#なお,全幹法に則って整備しようとしている時点で,国策から逃れることは法的に不可能である.

リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」らしい

あちこちに記事が出ているこの話.
リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」読売新聞 – goo ニュース.
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20141212-OYT1T50128.html?from=ytop_ylist
東海道新幹線にのぞみ号が登場した際,ひかり号とのぞみ号の所要時間差は概ね30分,料金差は950円だった.「時給」1900円なり.その後,310円差に引き下げられている.「時給」は620円なり.
リニア新幹線ができると,リニア号と新幹線のぞみ号の所要時間差は概ね90分.料金差が700円とすると,「時給」は470円.かなり割安である.
のぞみ号が登場した際,毎時2本運転になった段階で必ずのぞみ号の方がひかり号よりも早く着くようになって,ひかり号にはあまり客が乗らなくなり,のぞみ号全盛となった.
リニア号は登場すると同時に毎時4-5本運転,全線開業時は8-9本,最大12-13本になるので,必ずリニア号がのぞみ号よりも早く着くようになる.つまり,最初からのぞみ号には誰も乗らなくなり,リニア号全盛になるだろう.東海道新幹線沿線のはずの京都や横浜の人ですらのぞみ号には乗らないだろうし,大阪-名古屋間の人ですら乗らないだろう
700円差という価格設定はかなり衝撃的であり,同時にのぞみ号サービス終焉を決定づけるだろう.利用者には朗報だが,最初からそんな大安売りを約束して大丈夫かしら?(リニアの採算はとれると思うが,東海道新幹線が・・・
#ちなみに,「時給」1900円だと2850円高,「時給」620円だと930円高という計算になる.
#よく考えたら,名古屋暫定開業の話か.なら,「時給」620円×短縮1時間=620円とあんまり変わらないから,そんなもんか.でも,「時給620円」はひかり号とのぞみ号のサービスレベルの差が縮まったから値下げした結果じゃ無かったっけ? 当面は2000円差くらいで開始して,様子見て下げた方がいいんじゃぁ無いかと・・・

リニア新幹線整備の理由(名古屋以西編)

前にも書いたがと思うが,リニア新幹線建設の大きな理由は「南海トラフ大地震こわい」である.
災害復旧能力の高い日本といえども,大津波で新幹線の線路が流されたり,100キロ,200キロ単位で震度6−7地帯を通過すれば復旧に年単位を要する可能性がある.日本の国家運営に重大な影響を及ぼす可能性が非常に大きいほか,当の鉄道会社の経営も傾きかねない.
そこで,東京-名古屋間に別線で新幹線を建設する,それが中央新幹線である.バイパスである.
さて,「中央新幹線は東海道新幹線の災害対応のバイパス」のイメージが先行している関係で,全線にわたって新線を要していると思い込んでいる人が,専門家を含めて多いのだが,よく考えてみて欲しい.
南海トラフで年単位の不通区間を生じかねないのは「東京-名古屋間」である.名古屋から西は震度5−6弱の区間が続くので,被害皆無とは言わないが,バイパス新線をつくらないといけないほどの壊滅的被害を受ける可能性は低い.
名古屋以西のルートに関して,こっちを通ると断層が1本で,こっちだと2本,などと言う専門家もいるらしいが(そもそも,地震のリスクを断層の本数で云々と言っている時点で,真剣に考えているとは言い難いが),直下の地震で数ヶ月の不通があったとしても,数兆円掛けて新線を建設しなければならないほどの理由にはならない.今まで新幹線が地震で不通になった事例は数度あるが,いずれも復旧までの期間は3ヶ月程度以下である.
そういう観点からすると,リニア新幹線名古屋以西については名古屋以東とは異なる観点で建設の是非や方法について議論する必要がある.リスクヘッジだけの観点から言うと,鉄道会社にとっては名古屋以西の建設の意義はあまりなさそうである.その実,国や沿線,与党などから早期全線完成の働きかけがあっても反応が鈍い状況にある.資金計画などを見ても,本気で取りかかればもっと早期に完成しそうにも思えるが,「様子を見てから,名古屋から西側に取りかかろうかなぁ〜」という感じである.
※資金計画の分析については,また時間があるときにでも.
※災害対応を重視するのなら,主要ターミナルが海岸の近い低地の「品川駅」の地下,水害で水没しかねない「名古屋駅」の地下,河口に近い淀川付近で津波の指摘もある「新大阪駅」って,どうよ.災害の専門家なら,誰か突っ込んでも良さそうなもんだが,誰も突っ込まないのね.名古屋市営東山線て,こないだ名駅が水没しかかってたよね.

弾丸列車計画の駅選定とリニア計画

東海道新幹線計画の祖先こと弾丸列車計画.正式には「新幹線計画」と言ったらしいが,最近刊行された書籍を読んでいると,どの都市とどの都市を結ぶべきか,つまり駅選定の際に考慮した事項が載っている.
大きく,3つの事項が考慮されていることがわかる.

  1. 輸送的観点…発着旅客数や貨物量
  2. 社会事情的観点…下記参照
  3. 現在線急行列車の停車駅…まぁ,つまり当時の実績ですね

2つ目の社会事情的観点については以下の項目が列んでいる.

  1. 人口
  2. 経済事情…生産力,海運移出入
  3. 政治事情…選挙区,議員数,官庁の分布状況
  4. 文化事情…大学や専門学校の設置状況
  5. 観光…観光地の状況
  6. 軍事…師団や旅団の司令部等の配置
  7. 交通事情…接続路線や後背勢力圏など

軍事はともかく,他は幹線鉄道計画としては至極当然の項目が列んでおり,これらをもとに東京〜下関間で20駅が選定されている.当時の列車の想定速度は150km/hであった.戦後,この計画は200km/h運転の東海道新幹線プロジェクトに引き継がれ,原案が鈴鹿山脈越えであったものを米原経由に変更した上で建設されている.元の検討の前提条件は150km/h運転,実際には200km/h運転なので,概ね+30%である.
さて,リニア中央新幹線計画については,1973年に決められた250km/h運転を想定した中央新幹線計画のルートを踏襲している.引き継ぐにあたって速度が250→500km/hと+100%になっており,ほとんど別物の交通機関になっているのだが,基本的なルート選定については「1973年の基本計画に書いてあるから」で済ませてしまっている.ホントにそれでいいのか?
ちなみに,東海道新幹線開業直前のビジネス特急こだま号は110km/hなので,200km/h運転になることでほぼ倍.つまりリニア新幹線プロジェクトは東海道新幹線登場時と同程度の速度引き上げ比率なのだが,500km/hという超超高速運転の乗り物は日本国のどことどこをどこ経由で結ぶべきなのか,まともな議論はされていない.
250km/h運転想定の計画を,+30%程度の320km/h程度のプロジェクトとして引き継ぐのであれば,さほど問題はなかったんだけどね.倍半分だとさすがに誰でも気づくほど差があるよね.

エアロトラン

エアロトレインとも言うが,リニアの宮崎実験線跡で研究しているあれではない.
フランスのオルレアンからパリに向かう路線で,進行方向右側つまり東側に,オルレアンを出発してからしばらくの間,こういう施設(の残骸)が見え続ける.
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橋脚の上に載っかっている桁の断面が逆T字になっており,この上をプロペラ付きのモノレールのような車両を走らせて高速鉄道にしようとしたわけである.
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試験は430km/hまで実施されたようだが,TGVが実用化されて開発中止,今に至るという感じ.もし実用化されていたら,フランス国内は轟音を立てたエアロトランが走り回っていたのだろうか.
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国土強靱化-幹線鉄道網でありそうな事態

リニア新幹線が整備される理由は,東海道新幹線だけに頼っていると南海トラフの地震で東西間交通が途絶すると困るから,ということになっている.資金の制約から,とりあえず2027年までに東京-名古屋間を開業,というのは今やよく知られているお話し.
一方,その先の大阪までについては,これまた資金の問題から2045年開業予定ということになっている.
ところで,「2020年,東京オリンピックばんざーい」によってすっかり影の薄くなった南海トラフ地震であるが,その発生確率は30年内に70%だとか80%だとか言われている.オリンピック開催が決まったからと言って,発生を数年待ってくれる,なんてことはあり得ない.そういえば,2011年の東北の地震が発生するまでは,次の南海・東南海地震は2035年頃,とか良くいわれてなかったっけ?
実際の発生時期は神のみぞ知る世界であるが,もっとも危惧される事態は,ほんとに2035年頃に南海トラフ大地震が起こってしまうことである.つまり,リニアが名古屋暫定開業状態で,北陸新幹線も大阪まで達していない状態である.
リニア自体はこれから建設される構造物なので,対災害については細心の注意を以て設計され建設されるが,問題なのは東海道新幹線である.補修工事が既に現時点で開始されているとは言え,静岡県下の震度7地帯,愛知県下の震度6地帯を長距離にわたって通過するので,東からリニアで名古屋まで到達できても,その先の西に行くすべがない,という事態が生じうる.
北陸新幹線も中途半端な位置で建設が止まっていたとすると,東西間移動に北陸新幹線と在来線を乗り継がなければならなくなったりで,不便この上ない.
さらに関西とってもっと悲劇なのは,この事態でリニアの西進が大幅に遅れる可能性がある.大地震が発生して東海道新幹線が途絶した場合,誰が復旧させるかというと・・・もしかしたら鉄道会社は「国の災害復旧費用で」と考えているかもしれないが,最大200兆円の被害である.国は各種の復旧工事と支援でカネが無くなるであろう.そうすると「余力があるなら新幹線の復旧は鉄道会社の自力で・・・」という話になりかねない.その東海道新幹線の復旧費用の財源はというと,元々はリニアの関西延伸に使うはずだった資金を転用ということになるだろう.
かくして,2045年リニア全線開通は大幅延期,というシナリオが発生しないでも無い.北陸新幹線を早期全通させるか,リニアを早期全通させるかしない限り,ありそうな事態だと思うのは私だけだろうか.最悪の事態は最悪のタイミングでやってくる・・・かも.