鉄道輸送」タグアーカイブ

ようやく電気式に

以前「線路が燃えている」という話をしたが,分岐器の凍結防止のためのカンテラの様子の話であった.

このカンテラ,人力で設置しなければならないので面倒であり,「この程度の雪は大丈夫だろう…」と思い込んで盛大に輸送上の事故を引き起こしたこともある(一昨年冬).

さて,上記リンク先のカンテラ設置箇所であるが,昨年末時点でとある変化があった.

電気式になった模様.

これで人力の面倒さを厭うことなく,スイッチひとつで凍結防止が可能になった模様.

あとは電気代をケチらないかどうかと,適切な知識を持った輸送指令員がいるかどうかだね.

「2024年問題」トラック輸送の減少を懸念 船や鉄道の輸送量倍増へ

トラックドライバーの不足で今後、輸送量の大幅な減少が懸念されていることから、国土交通省は、長距離トラックの代替となる船舶や鉄道による輸送量を今後10年程度で倍増させる目標を掲げた上で、輸送手段の振り替えに必要な具体策を新たな経済対策に盛り込む方向で調整しています。

情報源: 「2024年問題」トラック輸送の減少を懸念 船や鉄道の輸送量倍増へ | NHK | 国土交通省

いいぞ,そうだそうだ.倍増だ.自動運転の高速道路隊列走行よりもエコでなおかつ現実的な対応だ.…とはいえ,トラック輸送に荷を長年取られ続けた鉄道が「倍増」しろと急に言われても荷が重い.

機関車倍増,貨車倍増,取扱箇所倍増,電源設備倍増,職員倍増…

「トラックと船舶、鉄道が共同で使えるサイズのコンテナの普及」とあるが,いわゆる海コンを使いやすくするということか?

船舶はともかく,国内では海コン扱えるトラックは元々少ないし,海コン扱える鉄道貨車もあるにはあるが,運転できる線路が限定的(盛岡-東京-福岡)で,汎用の貨車は開発途上のようだ.

情報源: 海上コンテナを鉄道輸送、低床貨車で実証へ…「物流2024年問題」対応 : 読売新聞

トラック輸送はドアtoドアで鉄道よりも早くなることも少なくなく,コンテナサイズの問題もさることながら輸送速度も課題だ.

時間を気にする輸送品対応として,航空コンテナを新幹線の車内に積載可能にしてしまう,というソルーションがあっても良いと思うがどうかな?

小泉進次郎氏「ライドシェアを選べる社会を」実現に意欲(!?)

タクシーもライドシェアも選べる社会を作っていくことが、われわれがこれからやらなければいけないことだ

情報源: 小泉進次郎氏「ライドシェアを選べる社会を」実現に意欲

をぃをぃ,これが元環境大臣の発言かよ.

ライドシェア推進の前に,
「環境負荷の少ない公共交通の利用促進を」
「それが無理ならライドシェアを」
だろ?

 

車の走行でタイヤ摩耗による粉じん

自動車の走行中、タイヤと道路の摩擦で排出される、タイヤの摩耗による粉じんについて、ヨーロッパでは環境への影響が懸念されるとして新たに規制する動きが出ています。

情報源: 車の走行でタイヤ摩耗による粉じん 欧州で新たに規制する動き | NHK | 環境

このお話.

記事ではタイヤ側の話に終始しているが,タイヤと接する道路も摩耗している.日本では道路舗装はアスファルトによるものが多く,アスファルトは石油そのものである(粘度の高い石油).

つまり,ゴムだけじゃなくて,石油が粉塵になって撒き散らされているわけだ.

一方,鉄軌道は鉄のレールと鉄の車輪なので,粉塵になっても鉄粉である.鉄粉は野生の鹿がわざわざ線路を舐めに来たり,海洋でのCO2吸収を促進するのではと期待される面があるなど,環境面での悪い話は特にない.

EVの課題だなどと問題を矮小化させてる場合じゃないと思うがなぁ.

”時間あたり最大500人” が引っかかるわけだが…

この1000人という基準は国鉄再建法廃止基準の4分の1だが、隣接駅間の一方向で1時間あたりの最大旅客輸送人員が500人/日以上になる場合や基幹的な路線と判断される場合は対象から除外するとしている。

情報源: 輸送密度1000人/日の線区、協議開始から3年以内に決着を…国交省のローカル線検討会が提言 | レスポンス(Response.jp)

すでに各所で話題になっているこの件.輸送密度1000人で廃止…って,まぁ,JRじゃ無理だわな.

    • 従業員の給与体系が全国基準
    • 保守基準が輸送力の割に高い(割と立派な線路)
    • 通学定期の高い割引率を「公共」の名のもとに負担させられている
    • 管理部門が大都市にあってコスト高だが,その管理経費も負担させられている
    • 沿線自治体は「JRに任せれておけば大丈夫」& JRは「大都市本社なので当事者意識が希薄」→「現場ネコ」状態で,廃線の話が出るまで真剣な乗客増対策なし?
    • ニーズに合わない輸送サービスを漫然と何十年も継続

こんな感じかな.なお,輸送密度1000人で営業を続けている民間鉄道は珍しくない.

ところで,気になったのはこの部分.「隣接駅間の一方向で1時間あたりの最大旅客輸送人員が500人/日以上になる場合」は廃線対象外という条件 (*「人/日」は誤記だと思う).

逆に言えば,片方向ピーク時450人/時とかなら廃線の対象になりうるということ.仮に450人/時をバス輸送しようとすると,60人/台としてピーク時に片道7〜8本/時のバス便が必要ということ.

鉄道線を廃線にしようかというような地域で片道7〜8本/時のバス便を運行できるバス会社あるのか? もしあったとして,朝のピーク輸送終わった後のバス(と運転手)はどうする?

現在,バスは「運転手のなり手がいない」という理由で減便されているような交通機関だぞぉ? 見通し甘くないか?(*)

(*)かつて有田鉄道では,大半の便をバス転換した上で,ピーク時だけ列車を動かしていた模様.結局廃線になっちゃったけどね.

それから,鉄道の廃線が議論されるような地域だと,バスに詰め込みされて輸送されること自体を良しとしない生活習慣の可能性もある.通学時に子供が「バスはギチギチで疲れる.受験に影響する」と言い出せば,容易に自家用車の送迎に切り替わると思っていいだろう.京福電鉄の「負の社会実験」ではそういう話があったと思う.

リンク先の記事には書かれていないが,確か恒常的に50人程度しか乗っていないならバス輸送が適当などという見解も出ているようだが,バスに50人乗せれば半分弱くらいが立ち客になるわけで,昭和の大都市部じゃあるまいし,昨今の地方部じゃぁ着席できない公共交通機関はあっという間に見放されると思うぞ.

「詰め込まれて座れない」と悪評が立って,こちらもすぐに自家用車での送迎に転換しそう.何でもかんでも大都市基準を持ち込むと大失敗.

勝手踏切が多いのなら立体交差の検討を

このお話…

住民が勝手に線路を渡る正式ではない踏切、いわゆる“勝手踏切”が問題になっている。

情報源: 議員も侵入「勝手踏切」問題に 全国1万7000カ所 事故発生も…今も生活に使用

当サイトでも数年前に取り上げた件で,そういえば当時,テレビ局(フジテレビ)から問い合わせがあったっけ.

国会議員を狙い撃ちにして書類送検してしまった件は少々恣意的な感が拭えなく,そんな事やっても根本的な問題は何も解決しないわけだが.

勝手踏切が多数ある地区が存在するとするならば,そこは線路が地域を分断しているということでもあるので,立体交差事業を検討する価値があるのかもしれない.

かつては立体交差事業をするには自動車交通への影響についての数値的影響を基準にしていたが,現在は地域分断を事業の理由にすることができたと思う.

「勝手踏切」というと住民が「勝手に」違法なことをしているという印象を持ってしまうが,鉄道用地という細長い進入不可の土地が市街地に横たわっていることのほうが問題のこともあるので,法律解釈以前に何が問題なのかを認識したほうがいいと思う.

自動車はエンジンがついているので簡単に迂回したり上下移動できるが,歩行者はちょっと距離が伸びるだけで移動時間がたやすく伸びてしまう上,上下移動も厭うので.

なお,鉄道写真を撮る時は敷地外でね.危ないですから.

JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その12 – 答え合わせと課題)

かなり久々の更新である.

11月以降何をしていたかというと,ひたすら授業内容のオンラインコンテンツ化である.表面的には「ハイブリッド授業でオンラインと対面の授業どちらも対応します」であるが,実態はオンライン対応しないと授業にならないので,授業準備は全く楽にならない.

オンライン授業の準備は対面授業の準備の数倍から十倍は時間がかかる.単に内容をパワポにすればそれでOKというわけでもない.対面授業用のパワポそのままではどうも理解度がかなり違うようである.

そんで実際に授業をすると,オンライン中継しているのでなかなか学生は出てこない.結局実質的にオンライン授業継続である.

世間的には,「大学の先生なんて,そのまま授業をオンラインで中継すればいいんでしょ」的な見方をしていると思うが,実態はカツカツである.ここ半年以上研究の「ケ」の字もない日々が続いてきた.

さて,今回の話題はこれである.情報の出所が1箇所しかないので,本当かどうかはよくわからないが,これが正しいとして検討してみよう.

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大阪・関西万博の来場者を円滑に運ぶため、大阪メトロが中央線で、会期中の運行本数を最大5割増やす方向で調整

情報源: 大阪メトロ中央線、運行本数5割増で調整 万博の期間中:朝日新聞デジタル

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毎時24本運転という方針であるが,増結の話は書いていないので,設備投資は最小限で済ませる方針のようである.6両の場合の編成定員は820人だったので,こうなる.

820人/本×24本/時=19,680人/時(定員)

一日最大28.5万人の観客想定になったようなので,ピーク時は6万人/時程度の輸送能力が求められるということか.記事には全体の4割を地下鉄が分担するということが書かれているが,これは一日を通じての値ということだろうと思う.

ピーク時首都圏通勤電車並みの定員の180%詰め込みとして,19,680×1.8=35,424人/時(180%乗車).これは6万人/時の…35,424÷6万=59.0%になる.つまり,残りの4割は「バス」だ.

記事には「来場者の2割をシャトルバスで、4割を自家用車や団体バスで輸送する方針で、船の発着場も整備」とあるが,船は数をさばけるわけではないので,ピーク時には戦力外状態である.自家用車やシャトルバスについても一部を除き直接会場に乗り入れられるわけではないので,最終的にはバス客として会場にやってくる.

つまり,6万人/時-35,424人/時=24,576人/時が会場にやってくるバスのキャパだ.

仮に70人乗りとして,24,576人/時÷70人/台=351本/時がやってくるわけで,約10秒に1台の割合だ.降車に2-3分かかるとして,バス降車場は単純計算で少なくとも15台分要ることになる(ちなみにバスタ新宿は乗車用12台,降車用4台).

…ということで,勝敗はバス輸送が握る計画が続く模様.

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JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その1)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その2)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その3)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その4)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その5)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その6)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その7)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その8)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その9)
JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その10)

バス協会国に支援策求める…いっぽう民鉄協は?

バス協会 “貸し切りバスの収入9割減続く” 国に支援策求める

情報源: バス協会 “貸し切りバスの収入9割減続く” 国に支援策求める | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース

リンク切れ起こしやすいサイトなので,その節はご容赦を.

貸切バスの減収がひどいので,支援してくれと国に要望したお話.路線バスもかなり減少していて,看過できない状況なんだけどね.

じゃあ鉄道はというと,やっぱり客数は減っているはずなのに,バスほどの動きはない模様.

どこの会社かは言えないけれど…かなり乗客が減っていて経営苦しいらしいが,支援を求めてしまうと悪評が立って株価に影響し,今後の資金調達コストが上がってしまうのではないかと危惧しているらしい.なので,「苦しい〜」とは表だって言い出せないらしい.

客数減っているのは誰でも知っていると思うので,個々の事業者が言い出せないのなら団体(この場合は民鉄協か?)が代表で「苦しい〜」と言った方が良いのではないかと思う.

このままでは突然死する事業者が出てくるかも.

 

大学の近所の町内会の掲示板

大学の近所の町内会(自治会)の掲示板.

ん?

どこかで見たようなポスターが.

これですね(jcomm).

「電車やバスは,そんなに心配要りません」という趣旨のPRするなら,バスや電車の中(あるいは駅構内)に掲示しても,見ている人は既に「電車やバスは,そんなに心配要らない」とそれなりに納得している人ばかりなので効果薄いかも.

PRするなら,町内会の掲示板のような電車やバスを使わない人にも目に入るような方法がいいかも.

#市役所が各自治会に状況説明するとともに,配ったらしいです.

通勤電車の感染確率1/10000は高いのか低いのか?

都市交通機関はコロナ感染拡大の観点では安全だという意見と,やはり危ないという意見とがありどっちなんだという状況.客観的判断基準が少なすぎるのが原因ではある.

そんな中,公共交通機関に1回乗車する際の感染確率は約1万分の1程度という話がある.この数字自体が大きめの推計値だということだが,1万分の1という確率が高いのか低いのか気になるところ.

年末ジャンボ宝くじの4等10万円当選が各組共通で下4桁合致なので,1万分の1の確率.試しに「宝くじシミュレーター」で10万円の当選まで回してみると,約200万円分投入して6500枚以上購入して初めて4等の当たりが出た(人による).

ということで,まぁ,それなりに確率は低く,”宝くじ1枚買う” を “通勤電車に1回乗る” に置き換えれば,年間250日出勤として約13年かかる.

1万分の1の確率で年間500回通勤電車に乗車(毎日2回×年250日)として,1年間での感染確率を計算してみると,約4.87%になる.(うーん微妙な数字.職場の部署で年に1人くらいは発生しても不思議ではないレベルか?)

この年間約4.87%という数字,もしも30年分だとすると約77.7%になる.つまり,30年間に感染する確率は,首都直下地震(今後30年で70%?)や南海トラフ系の大地震(今後30年で80%?)と同程度ということだな.(うーん微妙な数字)

毎日「今日は大地震があるかも」と怯えて家に閉じこもる人は希だが,無防備でOKかというと,そうではないというような確率.

一方,首都圏だけで考えてみると,通勤通学需要が1日あたり約800万人のようなので,感染確率が1万分の1だとすると,毎日800人の感染者を生み出している計算になる.(現時点ではそういう新規感染者発生頻度では無さそうなので,実際の確率は1万分の1よりも小さそうだ.)

個人レベルでの視点では1万分の1という確率はそれなりに低いと評価できる.だが,行政レベルでは日々の発生者数が数十人以下を目指しているようなので,行政が要求する感染者の発生量を基準とすると1万分の1という確率はそれなりに高いのかも.

#日本での感染者数が少ないのは,日本人が従順にマスクをして,行動を自制しているからだという意見がある.だが,最近町中を歩いたり電車やバスに乗ると,高校生や大学生くらいの若い人たちがマスクをせずに大きな声で楽しげに戯れている姿を頻繁に見かける.ほんとに大丈夫…なのか?
→1ヶ月後…全く大丈夫ではない模様.学校では教師が口うるさく「マスクしろ」と言っているはずなので「良い子のフリ」してると思うが,目が届かなくなると全く守られていない.暑さが増して日に日にマスクを外す中高生が増加している模様.そして間もなく,「お盆」で高齢者と若い人の接触機会が増えるタイミングだ.GOTOキャンペーンの行き先は病院か?