車両と構造物の”限界設計”

構造物の限界状態設計法のお話し,ではありません.

英国ロンドンの地下鉄は,ご存じの人も多いように変な形をしている.ここまで切り詰めれば,無駄なしという感じの形状で,まずトンネルあり,それに合わせて電車ありという断面である.特に屋根の形状が特徴的で,出入り口の上方は丸く湾曲している.

おそらく初期の路線で建設費を抑えること,電車がここまで大量輸送に使われることを想定していなかったことなどから,小型車両が使われ,その後,電車の大型化に伴ってトンネルぎりぎりまで大きくなったのではないかと思うが,何かあった場合には逃げ道は前後方向以外存在しないなとも思う物理形状である.

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日本では近年,工事費を抑えた地下鉄としてミニ地下鉄が建設される場合があるが,トンネル断面積ではこのロンドン地下鉄の方が小さい.ということは,日本でもここまで割り切ることが出来れば,さらに地下鉄の建設コストを下げることが出来る可能性はあるが,「安全性がー」と言う話になって,実現しないだろうなぁ.ロンドンで実用になっているのだから,日本でも問題ないと思うのだが.

レールだらけ(近鉄編)

レールだらけと言えば,この駅.結構有名であるが,2つ写っている電車がなければ,どのレールとどのレールが組になっているのかわからないほどである.ヨーロッパの駅は構内配線が複雑であるが,日本の駅は路線系統ごとに線路が別々になっていて,拠点駅では客の足で乗り換えさせるケースが多い.あるいは,駅を出てから立体交差.そういう点では,この駅は例外的かもしれない.

IMG_2718この駅は近鉄の大和西大寺駅で,奈良駅方面,大阪・神戸方面,京都方面,橿原神宮方面の4方向に路線が伸び,複雑な運行が行われるとともに,同駅が終点の列車もあり,さらに電車の車庫も併設という超絶ヤヤコシイ駅である.

  • 奈良方面↔大阪・神戸方面
    奈良方面↔京都方面
    京都方面↔橿原神宮方面
    京都方面↔当駅終点
    橿原神宮方面↔当駅終点

運行管理や線路保守等々,気が狂いそうなくらいヤヤコシイ駅だと思うが,おそらく便利さでは奈良県下で一番である.高架化の構想もあったと思うが,線路そのものが超絶ヤヤコシイ上,この駅の東隣には平城宮跡があり,工事も超絶ヤヤコシイことになりそうで,話は全く具現化していないようである.

リニアの奈良駅も奈良県下で揉めているが,工事が可能ならこの駅併設が奈良県民には最もhappyである可能性が高いが,地平線路はおろか,地下線であっても「地下水位が変化すると,木簡の保存状態が・・・」などという地区なので,かなり難しそうである.

レールだらけ(トラム編)

写真はドイツのカッセル市郊外のLRT停留所である。見ての通り、やたらとレールが多い。ロンドンの地下鉄とは異なり、走行用の電力は屋根上の電線から集電するので、そういう理由ではない。

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6本あるレールを左からA,B,C,D,E,Fとすると、A-D、B-E、C-Fがそれぞれ組になっており、いずれも車両の走行用である。A-Dの組は写真左側のプラットホームに発着する電車用、C-Fの組は写真右側のホーム発着用で、進行方向別にホームが別になっている。じゃぁB-Eはというと、通過する貨物列車用である。

もともとここは貨物線であり、LRTは貨物線を間借りしての運行であったそうだ。ところが、貨物線にホームを直接設けてしまうと、LRT車輌の方が貨車よりも小さいために、ホームで待っている人が貨車に接触してしまう可能性が出てきた。そこで停留所部分だけホームを中心から遠ざけ、LRTを遠ざけたホームに近づけるためにこんな複雑な線路になったということのようである。ホームへの進入部分の分岐器がまた独特である。日本では、なかなかこうやってまで実現させようという熱意がないが、インフラ活用術は見習うべきところが多い。

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レールだらけ(地下鉄編)

鉄道線路は左右のレールが1組になっている。わざわざ言わなくても、子供でも知っているお話。ちょっと詳しい子供なら、地下鉄には3本目のレールがあることを知っていることもある。

第三軌条(サードレール)と言って、地下鉄電車に電力を供給するためのレールで、その代わりに屋根上の架線が無い。架線が無いとその分だけトンネルを小さくできるので、建設費を安く抑えることができる。

じゃぁ、この地下鉄は? レールが4本ある。ロンドンの地下鉄。最も左のレールは電力供給用、左から2番目と最右端のレールは車輪が走行するためのレール。じゃぁ、中央のレールは?

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中央のレールも電力供給用。最も左のレールと中央のレールには碍子がついており、絶縁に気が使われていることがわかる。この2組でプラス極とマイナス極(厳密にはちょっと違うようだが)になっている。通常は走行用のレールをマイナス極と共用にするのだが、ここでは別にレールがわざわざ準備されている。

別にすることのメリットとしては、変電所に帰る電流が地中などを伝って思いもよらない箇所に電蝕…つまり一種の電気分解ですね…の影響を与えることを防いだり,電車のボディーとホームとの間に電位差が生じて乗客が感電したりすることを防げる(だったっけな)。

連節バスは広い道しか走れない…というわけではない

この交差点をバスが曲がります.

 

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IMG_6331隅切りはしてあるものの,「2車線+両側歩道」どうしの交差点である.
こんな感じの街路.車線部分が特に広いわけでは無い.

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ちなみに,ドイツでは連節バスのことを「BRT」と言ったりはしない.単なるバスです.

これは日本的基準ではBRT?

日本的基準では連節バスはBRTのようだが,じゃぁ,後ろに延ばすのではなく上に積み上げても日本的基準ならBRTになりそうなものである.

さらに,その中量輸送相当のバスがウジャウジャ専用レーンを走っていたら,これは「大量型軌道」か?Europe08-0202こうやって極端な例を考えてみると,何がおかしいかがわかりやすい.LRTやBRTは確かに「中量輸送」ではあるが,輸送量の多寡だけが都市交通の仕分けの基準ではない.都市内においてどんな役割を担うのかを考えて基準を設けないと,変な話になってゆく.

似たような話は,「街路の規格」にもある.日本の基準では街路は自動車交通をどれだけの量,どれだけの速度で通すかしか基準がない.そろそろ,いろいろ見直した方が良さそうだ.

きかんしゃトーマス

大井川鉄道できかんしゃトーマスが走るそうだが,英国にある多数の保存鉄道の一部でも,トーマスが走っている.

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Europe08-0286顔つきがちょっと違うぞ,という話は置いておいて,トーマス号はたくさんあるわけではなく,異なる保存鉄道間で貸し借りしているようである.

日本から行くなら,事前予約することが出来たと思う.写真は,ロンドンから電車で1時間ほどのAltonから延びるミッドハンツ鉄道である.

終点は,こんな感じ.

TRANSPORT IN CANADA(フニクラ編)

都市交通関係者で時々話題になるのだが,海外に行くと遊園地の遊具のような都市内交通機関があちこちにあるのに,日本では少ない.

例えば,写真はカナダのケベック州のケベックシティにある交通機関だが,斜行エレベータというか,ケーブルカーというか,何とも簡易な斜面移動交通である.もちろん,有料.

Quebec07-155Quebec07-046日本の場合は,金を取って二地点間を輸送する軌道系の交通機関だと,鉄道もしくは軌道扱いになってしまい,様々な規制を受ける(・・・とともに,最近までは審議会を経ないと事実上整備できなかった).

じゃぁ,建物の一部をなす装置という扱いなら斜行エレベータになるのだろうが,そうすると料金を取りにくい.

海外で実用化されている種の交通機関なら基本的には問題ないはずだが,頭が硬くて都市内移動の利便向上の機会を逃してしまっていると思われる.

山ん中の列車に米国ご家族一行様が乗っているワケ

世間の小中学生等をもっているご家庭では,夏休み突入である.

名古屋から電車に乗って終点亀山まで行くと,こういう列車が待っている.折り返し京都府下の加茂行きになる1両のディーゼルカー.ほぼレールの上を走るバスである.

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ゴトゴトと山の中の渓谷沿いや小さな盆地を走ってゆくが,何故かローカル線に似つかわしくないご家族ご一行様が乗っている.持ち物の雰囲気から米国人で,小学生くらいの子どもが二人.子どもの手に持たれている本の表紙をよく見ると「Ninja …」.

なーるほど,忍者に会いに来たワケね.案の定,伊賀上野でご降車.Have a nice holiday!

国土強靱化-副首都機能候補地を勝手にリストアップ

来たるべき大災害に備えて首都機能を何とかしないといけないという議論があるのだが,東京オリンピックが決まって以降,議論が低調でドキドキする.日本人はとにかく忘れっぽい.

何を首都機能の範疇とするのかは議論の余地があり,それをどこに移したりバックアップを取ったりするのかも議論のあるところだが,もしも日本の頭脳である霞ヶ関(を中心とする官庁街等)と同程度のまとまった面積を関西に確保しようとすると,公有地ではこんな場所がある.いずれも,面積的には同程度の規模である.

これら以外だと海岸の埋め立て地になるが「国土強靱化」の観点では役立たずであろう.

こういった国土整備の重要な案件は,全幹法の規程により幹線鉄道整備に大きな影響を及ぼす.(・・・はずである.法令を正確に遵守すれば.)

まずは,霞ヶ関(および周辺官庁街等)


伊丹空港(大阪国際空港)

航空ネットワークの関空への完全集約が必要だが,・・・実際には結構難しいかも.通勤鉄道線が近隣に複数あるほか,山陽新幹線も近い.高速道路も至近.ただし,ここを転用してしまうと空港は関空になり,遠くなる.ここをつぶしてしまうと,京阪神圏の空港は全て海岸地帯になり,ちょっと問題かも.


万博公園

結構便利な位置だが,公園をつぶすことにはいろいろ意見が出そう.高速道路至近.モノレールあり.通勤鉄道もあり.万博期間中には地下鉄が臨時で延伸されていたこともあるので,その気になれば地下鉄もOK.高速鉄道はやや遠いので,東海道新幹線をひん曲げるか,これからつくるリニアの経路をひん曲げるかする必要があるかも.空港は大阪空港まで割と近い.


陸上自衛隊祝園分屯地

自衛隊の移転先が必要.近隣の丘陵地帯も手つかずに近く,大面積の確保はしやすい.通勤鉄道は周辺に複数あるが,支線等の延伸必要.いずれの線も高速運転向きではないので,大阪市内までは時間がかかる.高速鉄道の駅は遠いので,これからつくるリニアなどの駅が必要.空港は遠いので,アクセスが課題.


陸上自衛隊長池演習場

他よりやや狭い.演習場の移転先が必要.上の祝園とよく似た状況だが,通勤鉄道がJR奈良線くらいしかない.