鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ

フランスの鉄道博物館の収蔵物(ネタ編)

フランスの鉄道博物館,数々の記念すべき車両が収蔵されているが,中には方向を誤ったのではないかと思われる試作品的なものも存在する.

まずは,これ.方向を誤った,というよりは,当時の時代のニーズをそのまま反映した貨車である.何を運んでいたかは一目瞭然.ヒントは「フランス」である.

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次は,このモダンな車両である.その名も「Autorail」.

IMG_4054要するに単行運転用の気動車なのだが,前面の運転席に見える部分は実は客席であり,運転席は車両中央の天井の出っ張りの部分,艦橋のような部分である.前後ともこの位置から運転するようだ.客室の天井が異様に低い.

そして話のタネの一番はこの客車.

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まるで日本の町屋に車輪を付けたような車両である.TGV Duplexの祖先か?

1階が二等車,2階が三等車であり,三等に出入りするにはデッキの階段を二階まで上って車端のドアから入る.

 

フランスの鉄道博物館の収蔵物(スピードトライアル編)

ミュールーズの鉄道博物館には,こんな機関車も収蔵されている.

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なんだ,緑色の古い機関車じゃないか,と思うことなかれ.この記念プレートが目に入らぬか.

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そう,長らく通常型の鉄道のスピード記録を持っていた機関車である.新幹線よりも速かった.ただし,走った後の線路や架線の設備はズタズタで使い物にならなかったらしいが,とにもかくにも世界記録ホルダーであった.

フランスの鉄道博物館の収蔵物(パリ発ロンドン行編)

古い欧州の時刻表を見ていると,パリ発ロンドン行きとかそういった列車が存在していることに気がつく.1990年代後半の話ではなく,1950年代とかそういった時代の話である.

パリ→鉄道→連絡船→鉄道→ロンドン

こういった乗り継ぎルートを「パリ発ロンドン行き」として一括表示しているのだと思っていたが,どうやらそうではなかった.本当に「パリ発ロンドン行き」という列車があったようである.

ミュールーズにある鉄道博物館の展示物にこういうものがあった.まずは,古い機関車.これは「パリ発ロンドン行き」に使われていたもののようである.

IMG_4034そして,その傍らにあるヘッドマーク,これが答え.

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さらにこんな模型展示もあった.

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なるほど,「パリ発ロンドン行き」である.日本にも鉄道連絡船は存在したが,基本は乗換であったかと思う.欧州では現在もデンマークがらみの列車の一部に,旅客列車をそのまま航送している列車が存在する.

 

 

 

バーゼルを8分遅れで出発したICE,次の駅で定刻に

スイスのバーゼル駅を8分遅れで出発したベルリン行きICE.フランクフルト方面への路線を走るのだが,残念ながらスイス付近は線形が悪く,ローカル列車のような走り方しかできない.川沿いに右へ左へと流れに沿って敷かれた線路をたどる.

…と,過去の記憶をたどればそうだったのだが,今回は途中で「本気」を出した.そして次の停車駅のフライブルクではなぜか定刻着.

本気を出した秘密は,以前は無かったこのトンネルのようである.トンネルなのでGPSが機能せず,正確な速度はわからないが,200km/hくらいか.8分遅れは確信犯だな.

元々の線路はトンネルの左側の川沿いの線路.独仏は訪れるたびに幹線鉄道の設備が更新されて行く.日本はどうなんだ?

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フランスの快速列車200km/h運転だったゎ

以前,フランスのローカル列車は速いという話をしたが,訂正.もっと速かった.

今回乗車の列車は,アルザス地方のMulhouseからStrasbourgまでのTERという地域急行列車である.急行列車というと優等列車のように聞こえるが,その下の格が無いので普通列車である.本当の急行や特急はEuroCityとか,Intercitésとか,有名どころはTGVと名乗っているので,TERは日本の感覚では快速列車である.

このTER,ピンからキリまであり,キリは40km/h運転レベルのものから,今回のようなものまで千差万別.

じゃぁ,ピンのTERはというと,こんな感じ.

IMG_3750この機関車を見て「ははーん」と思ったあなたはSNCFに詳しいはず.快速列車のはずが,走り始めるとまずは160km/h運転.しばらくして本気を出すと,こんな感じ.

IMG_3555日本の快速電車って,何km/h運転だったっけ? もうちっと底上げしてもいいんじゃないの,と思う今日この頃.

 

 

北陸新幹線に荷物置き場…訪日観光客らに対応

ちょっと前に,こういう新聞記事があった.

 JR東日本とJR西日本は、北陸新幹線にスキーや大型のスーツケースなどを置くことができる荷物置き場を設置すると発表した。

情報源: 北陸新幹線に荷物置き場…訪日観光客らに対応 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

こんなことで新聞で話題になるとは,実は情けないお話.

もちろん,車端部にはこういったバゲージスペースがあることが多いのだが…

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独仏あたりだと,こういうローカル列車でも…

IMG_3529こういう海外旅行で使うようなスーツケースが…

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そのまま,普通に頭上の荷棚に収まる.

IMG_3526というわけで,空港でもないのに,欧州の駅の客はスーツケースゴロゴロ転がしている人が多い.

いっぽう,日本の新幹線の荷棚は車体がデカい割に荷棚が小さく,小型のスーツケースしか荷棚には収まらない.車体の基本設計の問題やね.

 

 

フライブルクにもあった変な電車

バーゼルのExtra Wagenとか,チューリヒのSHUSHI TRAMとか,変わったトラムは時々見かけるが,ドイツのフライブルクでも見かけた.

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その名もParty Wagen.気がついてからカメラを構えたので,後ろ姿になってしまったが,低床式電車が多い中,旧式中の旧式なので一目瞭然.

IMG_3522ま,ビール電車とか,お座敷列車の乗りやね.

 

もしも「はりまや橋」交差点の真ん中に電停があったら

土佐電鉄の高知市内のはりまや橋交差点の線路配置は,複線軌道が十文字に交差し,左右方向に短絡線があるという配置になっている.ただし,北側と西側との間の短絡線が複線になっているほかは単線の短絡線である.

さて,この交差点のど真ん中,つまり線路が交差しているあたりに電停を設置したらどうなるだろうか.こうなる.地図で見ると…

と,まぁ,イマイチどうなのかわかりにくいが,地上ではこんなカオスな状態.まずは,電停というか交差点の中心地.

IMG_3350この複線を相互に結ぶ斜めの短絡線があるわけで…

IMG_3349斜めの短絡線やクロスしているところも含めてほぼ全てが電停として使用されており,線路の隙間の三角形のところなども含めて全てホームであり,停まる場所によってはホームがあったりなかったり.他線をふさぐ形での停車もお構いなし.カオスである.

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便利といえば便利だが,これでええのか?

なお,この交差点,トランジットモールではなく,一般の自動車も(通行方向は制限されているようだが)処理している.

 

ダブルスリップ×10以上

またまたバーゼル駅である.この写真にヨーロッパの駅の独特の構内配線が写っている.便利でもあり,遅れの原因でもあり.

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この線である.端っこから端っこまで斜めにゴリゴリと全線路を横切る渡り線.そして横切る際にはご丁寧に全箇所ダブルスリップスイッチ,つまりどちらから進入してもどちらにでも出て行けるという便利な分岐器が設置されている.この駅は左手前から右奥方向だけだが,駅によっては右手前から左奥方向にも設置されていることがある.

IMG_3315便利な分,高価であり,複雑である.そしてなによりも,これを使って端から端までゴリゴリと列車が駅に出入りしている最中は,他の路線の列車の発着が一切できなくなるので遅れの原因にもなる(高価でメンテが大変で遅れの原因になるので,日本ではまずやらない使い方らしい).

でも,これ見るとヨーロッパに来たなという実感があるよね.