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「なにわ筋線」JR・南海で共同運行

 JR西日本と南海電気鉄道が大阪都心を南北に貫く鉄道新線「なにわ筋線」を共同運行とし、南海電車のJR新大阪駅への乗り入れを検討していることが28日、分かった。関係者による協議が決着すれば、30年近く建設が検討されながら着工のめどが立たなかった、なにわ筋線の計画が前進する。関西国際空港の利便性も飛躍的に高まる。

情報源: 大阪縦走「なにわ筋線」、JR・南海で共同運行 : ニュース : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

なにわ筋線のJRと南海の共同路線という話は特段目新しい話ではないが,昔から南海はがんばっても梅田が限界という話はよくあった.

JRの特急はるかは関空開港時は毎時2本運行で多客期は9両編成もあったが,最近は毎時1本で6両のことが多く苦戦中.対京都ルートはLCCの台頭もあり,運賃に渋い客が多いと見えて南海電車の急行+堺筋線直通の阪急電車というのが定番になってきている.

一方,関空快速は環状線をぐるっと回って遠回りな阪和線経由なので時間がかかる上,大阪駅始発ではないので着席サービスに難アリ.

JR側から見れば,JR線の運賃を丸々客から取れないとしても,南海阪急ルートから多少なりとも客を移転できるのではという算段か?(まだ合意したわけではないようだけど)

#趣味的には「おぉ,もしかしたらラピートが京都駅で拝めるのか」などと考えてしまう.でも東武のスペーシアが新宿で見られるご時世なので,アリかも.

#JR特急が南海線路上を走ると使用料の精算が面倒なので,南海の特急をJRの線路上に走らせることで相殺するかも.りんくうタウン-なんば間と大阪-京都間は,だいたい同じ距離.電車のサイズもだいたい同じ.

 

無人バスで初の公道実験

秋田県仙北市で、来月にも公道で無人運転バスを走らせる国内初の実証実験を行うことが12日、明らかに…

情報源: 無人バスで初の公道実験=来月にも実施、DeNA参加へ-秋田:時事ドットコム

いずれ地方部の路線バスの多くが自動運転になるんじゃないかと思うが,自動運転の実験としては公道実験の前に専用道路を持つ「BRT」と称する交通機関でやってみるのが技術的ハードルは低いんじゃないかと思う.

以前より,自動運転するなら一般の自動車よりも走行区間が固定化さている路線バスの方がやりやすいはず,などと言われていた.さらに走行道路がはっきりしているのが専用道路や専用レーンだ.

専用道路→専用レーン→田舎の公道→都市部の公道

こんな順番が順当かな.

さらに,鉄道も通路が固定化されている交通機関なので,そう遠くない将来,ATOが導入されていないような路線でも,鉄道も自動運転化される可能性大.

 

北陸新幹線を使った非常時輸送体制の検討開始を!

またもや大きな地震が起こってしまった.お亡くなりになる人はいなかった.だが,いよいよ次がヤバイといわれ始めた.

今を去ること20年ちょっと前,阪神淡路大震災が起こったときに,西日本で内陸の大きな地震が発生し始めると20年ほどで南海地震が来る,などと言われていた.そうかなぁ2030年代半ばって言ってる専門家がいるんだけどなぁ,などと思っていた.

その後,(西の方から並べると)鹿児島県西方沖,福岡,熊本,芸予,鳥取西部,今回の鳥取中部,阪神淡路,能登,など多数の中規模以上の地震が発生.あと大きめのが来ていないのは四国東部(徳島ではあったっけ?)と紀ノ川沿いと京都と奈良と琵琶湖,若狭湾か.

1000年以上前の貞観地震前後に全国で発生した大きな地震についても,その時と同様の地震がここ何年かで発生してきている.あとは首都圏と南海トラフ系だけか? 青木ヶ原樹海も富士山の貞観大噴火の際にできたものらしいじゃないか.

鳥取で大きめの地震が起こったら,いよいよ南海トラフ系リーチという専門家の話もあるようだ.破局的な結果を招きかねない重大なことについては,”いよいよリーチ説” を信じて準備した方が良さそうだ.

さて,日本の動脈である東海道新幹線については,ようやく「バイパス」と称する中央新幹線の工事が始まったところだが,品川駅と名駅というターミナルが対災害的にちょっと微妙な位置である上に,開業がまだ10年ほど先である.

もしかしたら,(開業後でも東海道新幹線の名駅以西が動くのか微妙だが)リニア開業前に南海トラフ系地震が発生したらどうなるだろう.静岡と愛知の各県下で東海道新幹線の線路が大震度に見舞われるとともに,大津波が海に近い線路を襲ったら,数日どころか年単位で不通になる可能性すらある.日本経済沈没だな.

もう,具体的な検討をしておく必要がある状況になってしまったんじゃないかと思う.誰かの顔色を見ている時期ではないだろう.

明日「南海トラフ発生」とすると,航空は臨時輸送体制に即座に入るだろうが,空路の座席はさほど多くない.そうすると陸上ということになるが,高速道路も東名は使えないであろうし,新東名もどの程度使えるのか分からない.使えるとしてもせいぜい片側3車線しかない(しかも,そこは緊急輸送優先だ).

やはり大量輸送機関である鉄道ということになる.東京-金沢間は新幹線,金沢-京都・大阪間が在来線ということになるが,平常時の体制のままだと,席数が足らなくなってしまいそう.車両をかき集めてくるとしても,新幹線にしろ在来線にしろ最近はどこでも走れる電車というのが少なく,路線ごとに使える車種が限られている.言い訳してもできるようになるわけじゃなし.大丈夫か?

もうリニアも北陸新幹線全通も間に合わないかもしれない.
現状の北陸新幹線を使った非常時輸送体制の検討開始を!
そして実際の準備を!

 

単線での走りながらのすれ違い

単線で走りながらすれ違うには,一体どれだけの長さの複線区間が必要だろうか.

単線の途中に複線区間を作り,そこに両側から同時に電車が進入したとする.

  1. 「単線→複線」の分岐器を通過し,進入完了を検知しての分岐器を転換
  2. すれ違い
  3. 「複線→単線」の分岐器を通過し,進出完了を検知して分岐器を元に戻す

理想通りならこれだけなので,分岐器から進入完了を検知する地点までの距離の2倍ほどもあれば十分で,新幹線でも複線区間は2-3kmであろうか.分岐器の速度制限があると,その分,減速しないといけなくなるので,さらに数km伸びることになる.

だが,もしも片方が遅れていたりすると…

  1. 「単線→複線」の分岐器を通過し,進入完了を検知しての分岐器を転換
  2. すれ違……わない
  3. 対向列車が遅れているので「複線→単線」の分岐器が開通しておらず,この分岐器の手前までに減速して停車

ということになるので,今度は安全に停車できるまでの距離が関係してくる.

新幹線の運転速度を260km/h,分岐器の制限速度160km/h,旧式のアナログATCを前提に考えてみると,こんな感じだろうか.

single

さらにブラッシュアップすべき点はいくつかあり…

  1. アナログATC→デジタルATCとすることで,減速距離を短縮
  2. 進入完了を検知するまでには4閉塞も必要なく,1閉塞で十分
  3. 複線区間に入ってから減速しているが,減速してから複線区間に入れば複線区間を短縮できる

…あたりかな.それについては,またいずれ.たぶん,複線区間である信号場の長さは半分〜1/3くらいになるはず.

で,話を大本に戻すと,国会の質疑で登場した「暫定の単線新幹線」とは,この図の信号場を前提とした路線のことだろうと思う.

単線でのすれ違い

単線路線でのすれ違いの様子をビデオで見てみよう.

部分的な複線化工事中の時期の宇野線(岡山→茶屋町)である.等速だと長いので,8倍速にしてある.後ろ向きで撮影.

クリックして別ウインドウで再生

途中で二度列車とすれ違う,後の方の列車は駅でのすれ違いだが,最初の列車は部分的な複線区間での走りながらのすれ違いである.

つまり,適切な長さの複線区間を作っておけば,そこですれ違うダイヤを組むことができるというわけである.

じゃぁ,新幹線が走りながらすれ違うには,どの程度の長さの複線区間があれば「適切な長さ」かな… (つづく)

 

「今後の新幹線」の運行頻度

新幹線というと,基本的には東海道新幹線に見られるようにほぼ3分間隔で運転できる能力がある.本数で言うと,毎時20本.ただし,各駅停車型と速達型が混在していたり,終着駅近傍では回送列車が走っていたりするので営業用に使えるのは毎時15本程度までである.

近年開業した整備新幹線については,変電所が小さな容量であったり,駅の待避設備が簡略化されていたりする関係で東海道新幹線のような高頻度運転は即座にはできない.

しかし,複線で新幹線用のデジタルATCを完備しているという点では東海道新幹線と同様であり,適切な設備投資をすれば抜本的に作り替えなくても高頻度運転ができるわけだ.つまり,基本的には高級インフラが整備されているわけである.

じゃぁ,実際にその能力のどの程度を使っているのか見てみよう.

  • 東北新幹線の新青森-盛岡間…毎時1本が原則で,朝晩の瞬間最大風速的に時間あたり2本がある程度.
  • 北海道新幹線の新函館北斗-新青森…毎時1本程度.
  • 北陸新幹線の富山-長野間…早朝は毎時3本,その他は毎時2本.富山-金沢間はさらに毎時1-2本追加.
  • 九州新幹線の鹿児島中央-熊本…ここも早朝は毎時3本,その他は毎時2本.熊本以北は毎時1本程度追加.

…ということで,本数が多い区間もあるが,末端区間になると毎時1-2本程度処理できればOKというレベルだ.

じゃぁ,これから新幹線化されることが望まれている区間について見てみよう.例えば,であるが…

  • 奥羽新幹線関係の秋田-盛岡間(秋田新幹線)…判で押したように毎時1本.
  • 同,山形-福島間(山形新幹線)…毎時1-2本.
  • 山陰新幹線関係の鳥取-上郡間(智頭急行など)…毎時1本以下.
  • 同,鳥取島根県境付近(山陰本線)…毎時1-2本程度.

…ということで,やはり毎時1-2本程度処理できればOKというレベルだ.

つまり,高速運転できさえすれば毎時15-20本も処理できる能力は必要では無いということだ.

こう書くと,地方部に新幹線は不要などという短絡的な議論に陥りがちであるが,要は本数は必要ではないが高速性は必要と言うことなのである.そういうインフラ整備手法がまだ開発されていないということだ.

えっ? 飛行機で十分だって? 飛行機で隣県に行けるかい?
えっ? 高速道路でいいだろって? 高速道路が本当に「高速」だと思ってるの?

 

高速鉄道の単線運用

国会まで出てしまったので,基本的な解説はしておく必要があろうかと思うので,例の国会質疑背景の続きである.

質問に「単線で新幹線…」という話が含まれていたので,今回は高速鉄道の単線運用の話である.

高速鉄道で単線というとなんだかとんでもない話に思えるが,既に日本でも160km/h運転の単線運用は存在した.過去形なのは,並行して新幹線が整備されてしまったので,高速運転する特急が新幹線化されてしまったからである.

そう,ほくほく線である.ほくほく線では単線で新幹線の一歩手前である160km/h運転していただけでなく,トンネル内に無人の信号所を設けてすれ違いまでやっていた.ということなので,適切な設備があればとんでもない話というわけではない.

高速鉄道での適切な設備というと,キモは保安装置であるATCだ.ATCは単線運用できるのか,というと,日本国内のものは(確か初期の山陽新幹線用のものを除いて)単線運用できない.初期の山陽新幹線用のATCは確か夜行便の運転を考慮して限定された機能であったが単線運用が考慮されていたかと思う.

じゃぁ,国外のものはと言うと,台湾に売ったシステムのATCが単線運用できるものであり,日本国内の信号メーカーや運行管理システムメーカー等のwebサイトにその旨が記されている.

例えば,日本信号の資料京三製作所のサイト

つまり,基本的な要素技術は日本にも存在している.使っていないだけ.

海外では線路が2本あっても単線の線路×2というのが基本であり,ICEやTGVもそういう路線を高速運転している.高速新線を走るICEやTGVが徐行(たぶん160-200km/h)したかと思うと,隣の線路に転線し,しばらく走ると元の線路上で線路のメンテナンスをしていたり故障した列車が立ち往生していたり,はたまた走行中の別の列車を走りながら抜いたり,という光景は何度かお目にかかっている.はっきり言って,右側通行か左側通行なのか判然としないくらい自由自在に左右を行ったり来たりすることはさほど珍しくない.

#今までに見たことのある双単線運用の例としては…

  1. ドイツでICE乗車中,転線したかと思うと元の線路上でTGVが立ち往生しており,これを横目に通過.しばらくして元の線路に再び転線.
  2. スペインで高速新線をTalgo列車が高速走行中,横の線路には同じ方向に走るほとんど同じ編成のTalgo列車の最後尾が見えた.約5分ほどかけて,じりじりと追い抜いた.
  3. (高速鉄道ではないが)カナダで都市間特急列車(150-160km/h程度)に乗車中,同じ方向に走る約60両編成の貨物列車を5分ほどかけて追い抜き.
  4. このほか,線路のメンテナンスや検査箇所を避ける目的の転線は日常茶飯事(ほぼ乗車毎に遭遇するレベル)

暫定整備計画の欠点

昨日の記事で取り上げた国会の質問中,「暫定整備で単線の新幹線を…」と言う旨の発言があったかと思うが,こういうことである.

現在,新幹線を整備する際に,フル規格高速新線を即座に整備しにくい場合には,ミニ新幹線やスーパー特急方式と言った「暫定整備計画」という手法が採用できることになっている.

ところが,この暫定整備計画は残念ながら欠陥だらけであり,はっきり言って役に立たない.

もちろん,フル規格新線の途中にごく短区間だけミニ新幹線区間がはさまるとか,フル規格新幹線から短い枝線を分岐させるとか,そういったものならば許せるのだが,距離が長くなるとその欠点が顕在化する.

ざっと整理すると,各手法には赤字で示した箇所のような欠点がある.

例え暫定であっても,なるべくフル規格新幹線に近いようなサービスレベルが確保できることが望まれるのだが,そういった手法が現時点では未開発なのだ.

この表の「本当のニーズ」を単線システムで実現できないだろうか,というのが国会での質問の背景であろう.

整備手法の課題と本当のニーズ

フル規格
新幹線

ミニ新幹線
(山形/秋田)

スーパー
特急方式

本当の
ニーズ

概要

複線の
高規格新線

軌間を
標準軌に

軌間以外は
新幹線準拠で
建設して,
後に新幹線化

???

速度

260km/h
以上

120km/h
程度

140〜
160km/h

260km/h
以上

片道
本数

15本/時
以上

1〜2本/時

複線区間は
多数運転

2本/時
くらい

費用

50〜100
億円/km

数億円/km
(激安)

50〜100
億円/km

なるべく安く

信頼

ほとんど
遅れない

普通列車・踏切
大雨・大雪

普通列車
貨物列車

ほとんど
遅れない

車両

新幹線(大型)
320km/h対応

新幹線(小型)
320km/h対応

在来線特急

「高速」新幹線
(サイズは不問)

直通

新幹線
直通

新幹線
直通

在来線
(乗換)

新幹線
直通

新規

既存

新規/既存

どちらでも

その他

費用の問題

建設期間短い
(改軌のみ)

新車開発して
200km/hまで

 未開発
手法

※ ”背景であろう” って書いてみたが,暫定整備計画の欠点を指摘してるのはどうやら私以外いなさそう.

なぜか出発信号機

快速電車も停まらない阪和線の小さな駅である和泉橋本.ホームも線路も2本だけ.

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たいていの場合は,こういう駅は単に線路上にホームが置かれただけの停留所のことが多く,快速電車が停まるような駅でもそういうことがある.

ところが,この駅の信号機は常時「赤」で,列車がやってくるときだけ「青」になる.

んんんん?

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んんんん? 信号機の横に「出発」と書いてある.

img_9820tc

どうやらこの駅は,単に線路上にホームが置かれただけの停留所じゃなくて,列車を出発させるかどうかの判断のできるちゃんとした駅のようだ(実際には列車の管制所の遠隔操作だろうけれども).

どうしてこの小駅が他の駅に比べて高度な機能を持っているのかはよくわからない.歴史的な経緯があるのかな?

 

折4両

JR学研都市線の電車は全て7両編成である.ところが,長尾駅のホームにはこういう目印がある.

img_9938tc

4用編成の電車が折り返す場合の停止位置の目印のようだ.

一時期(10分サイクル運転から15分サイクル運転に変更になった直後),京橋-四条畷駅間の区間運転便が4両編成だったことがある.しかし,すぐに止めてしまった(単純にその区間便を廃止する形で).

以後,かなり時間が経っており,こんな目印は不要のはずなのだが,しかも,このホーム,割と最近改装したのだが,目印は取り外されること無く健在である.

もしかして,だけれども,昼間の電車などを中心に7両編成から4両編成に短縮して運転するための準備か?

昼間の毎時8本(快速4本+普通4本)をバッサリ毎時4本まで減らした実績があるので,あながち的外れな勘ぐりではないかも.

(もしそうなら)後ろ向きの対策ばっかりだなぁ.