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初夢鉄道答え合せ(北海道新幹線編)

続いて北海道新幹線編の答え合わせである.

2014年度終わり頃になって北海道新幹線の開業前倒しが決まり,その当時は2030年頃に開業することになった.その当時は,と書いたのは実はさらに伏兵があったわけである.つまり,オリンピックである.2026年の冬季五輪に札幌が手を上げたわけであるが…

今のところ,札幌オリンピックの話もさらなる北海道新幹線開業前倒しの話も出てきていない.

札幌-東京間は1000km以上もあり,新幹線といえども航空からか客を奪うことが難しく,経済合理性の観点では函館延伸も札幌全線開業両方とも,航空と同程度のサービスレベルを提供するのがやっとで交通サービス水準を向上させたとは言えず,厳しい状況であった.

この辺の厳しい状況は白日の下にさらされつつある.青函トンネルの扱いが他の整備新幹線とは異なって特殊な扱いになっていることが大きな原因になっているんじゃ無いかと思う.

そこで…実際に実行された.

一つ目は速度の向上であった.新幹線電車そのものは350km/h運転できるようにブレーキ系統を中心に改良が行われ,同時に盛岡以北の整備新幹線区間の260km/h運転の縛りを緩めることが検討された.結局,盛岡以南と同レベルの騒音ならば260km/h運転にこだわらないということになり,首都圏を脱したあたりから札幌までの350km/h運転が実現することになった.

この辺の動きも新しい話は無いが,整備新幹線区間における速度向上の話は時折聞くので放棄されていないように思われる.しばらく様子見かな.

もう一箇所,問題があった.青函トンネルである.在来線の貨物列車が走っていたため,新幹線が高速走行しているとすれ違い時に貨物列車が風圧で転倒する危険があったため,新幹線は140km/h運転になっていた…

青函トンネル内の速度向上についても,特に新しい動きは無い.

そこで,もう一本トンネルを掘る案が出てきたが長大海底トンネルは工費が高い.そこで,新型の新幹線電車が走ることを前提に勾配をきつくして,トンネル延長を短くすることになった.30‰勾配が採用されたため,トンネル延長は元の54kmから35km程度へと大幅に短縮された.

新トンネルの話はあるようである.”初夢”とは若干異なり,新トンネルを単線の貨物用として掘削し,旧トンネルを原則として新幹線用にするという構想は聞いたことがある.

元のトンネルについても在来線貨物列車だけ走らせるだけではもったいないという話になり,新幹線用の広軌線路を使用してカートレインも運行されることになった.これに伴い旧トンネルは国道指定されることになり,旧トンネルを道路財源で買い取った形となってそれが新トンネルの建設財源になっている.今や青函旧トンネルは国道5号の一部であり,国道5号の起点は函館から青森に移された.新幹線が通れるトンネルが2本になったことで夜間運転が実現し,新幹線を経由する北海道行き夜行便が復活した.

鉄道行政と道路行政の融合は残念ながら進行していない.航空行政もそうだ.相変わらず縦割りで国土交通省が発足して15年以上になろうかというのに,全く相乗効果は無い.

北海道新幹線は計画としては旭川終点であるが,さすがにフル規格は厳しいという話になり,道内幹線鉄道計画は大幅に見直された.主要路線は新幹線と直通する三線軌でミニ新幹線が函館以北の北海道新幹線と直通し.三線軌でない区間は寒冷地仕様のFGTが直通している.こうして道内幹線鉄道網は一新された.

北海道新幹線の終点駅である札幌駅の構造が地下になりそうであったり,あるいは現役の西側になりそうであったりと,どうやら延伸を考えていない構造のようだ.残念.FGTも雲行きが怪しい.

つづく

国内幹線鉄道網に忍び寄る乗継ぎ割引解消の甘い誘惑

新幹線と在来線特急を乗り継ぐと在来線特急料金が半額とか,直通運転している新幹線の特急料金は通しの料金体系とか,そういった印象があるが最近は段々と違う方向に向かっている.

山陽新幹線と九州新幹線は直通運転しているが会社をまたいで乗車すると急激に料金が上昇するし,東北新幹線と北海道新幹線については料金が高いことが新聞沙汰になってしまった.目立たないが北陸新幹線も会社境界をまたぐと高くなる.

在来線と新幹線の乗り継ぎも,いつの間にか九州島内の特急と新幹線の乗り継ぎ割引制度は無くなっているし,山形と秋田の両「新幹線」は在来線区間の特急料金は半額では無くて約3割引にしかなっていないので,通しで乗ると結構割高である.そのほかにも「あれ? ここって乗り継ぎ割引無いの?」と思う箇所はいくつかある.

もちろん鉄道事業者の言い分としては「もともと1本の列車だったものを部分的に新幹線にしたから乗り継ぎ割引にしていただけであって,もともと別列車だったところは割引にはなりませんよ」だろう.

だがしかし,客はそんなことは知ったことでは無い.比較対象は並行する航空路線であったり,高速路線バスであったり,マイカーであったりするわけだ.実際の支払額が高ければ鉄道の競争力は失われ,回り回って地球環境をも悪化させる.

「乗り継ぎ割引解消で増収」なんてこと考えてませんか? 消費税率上げて,かえって税収低下を招いた某国政府のアホな政策は他山の石ですよ.

 

大阪は副首都になれるか(平常時編)

副首都なる機能を大阪に置くことが適切かどうか,いろんな面から考えてみよう.副首都は国家機能なので,単なる大阪の地域振興事業ではない.すなわち,大阪の人さえ良ければ良いというものではない.多面的検討は必要である.

まずは何も特別なことは起きていない平常時の場合についてである.

普段の平和な時期における大阪の位置は悪くない.東京からは適度に離れており,西日本に対しての地理的な距離自体は比較的近い.加えて,東京よりもアジア各国に対して若干近く,アジアのゲートウェイ都市になりうるポジションを占めることもできる.

だが,東京が国内の東日本に対して陸路のアクセスがほぼ完璧になってきているのに対し,大阪の広域アクセスは弱く,九州や四国の人々が一堂に会するには東京が便利,などという笑えない状況は続いている.

大阪を中心とする広域道路ネットワークについては,一部まだ工事中/未着工区間もあるものの概ね先が見えている状態である.だが,トラックや観光客はともかく,ビジネスマンが道路を使って広域移動することは希であるので,大阪を中心とするビジネス広域交通は今ひとつであると言える.

つまり,平常時における副首都大阪としての大きな課題は,国内広域アクセスであり,具体的には中央,北陸の各新幹線の完成はもちろん,四国新幹線や山陰新幹線などのネットワークをも完成させることが必要である.同時により遠方の国内や国際交通を担う航空ネットワークの要である空港アクセス時間の短縮も必要である.(逆に,こういった広域公共交通ネットワークを充実させることができないと,副首都には厳しいということ)

なお,関空アクセスについては,これまでにリニア新幹線や通常型新幹線の乗り入れ,あるいはなにわ筋線といった提案がなされているが,リニア新幹線は単線だと役に立たず,かといって複線だと兆単位近くの投資が必要で厳しい.なにわ筋線については新大阪からノンストップで40分などという試算もあるようだが,現状でも1駅停車で48分で到達するので,2000-4000億円の投資の割には効果がマイルドすぎる.なにわ筋線での関空アクセス構想を自画自賛してらっしゃる方もいるが…あんまりインフラプロジェクト構想のセンスないよね.バックのブレインを変えた方がいいと思う.

ちなみに,関空への通常型新幹線乗り入れ構想を”口撃”している人もいるが,フランスのTGVはシャルルドゴール空港に乗り入れているし,ドイツのICEはフランクフルト空港に乗り入れている.スイスのインターシティーはチューリヒ空港やジュネーブ空港に乗り入れているし,オランダのスキポール空港へはTGVの国際版のタリスが発着する.ロンドンのヒースロー空港へは新幹線のような列車こそ走っていないが,ヒースロー急行という準高速鉄道が乗り入れている.フランスやドイツには航空便名の付いたTGVやICE列車が走ってさえいる.

センスのないインフラ構想って恥ずかしいよね.


真っ直ぐなローカル線

高規格ローカル線というと,北越急行とか智頭急行とかを思い出すが,特急の走らなくなった奥羽本線の大曲−新庄間もなかなかの高規格線であった.

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大曲から南下すると,秋田新幹線の線路は併走しなくなり,狭軌単線になる.駅には交換設備のあるような状態だが,駅間はというと,時折曲線はあるものの,ほとんど真っ直ぐである.

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将来の複線化を見越してか,跨線橋はほぼ全て複線化対応で建設されており,道路側の手直しがほとんど無いような配慮がされている.

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もちろん,たまには曲線はある.

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秋田-山形県境部分は山地を通過するために曲線が多いが,複線化されている.

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そして県境を越えると再び単線になり,曲線+勾配といった線形が続く.

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くねくね.

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西側から陸羽西線が寄り添って…

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終点,新庄駅.

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山岳部分の県境越え部分は新線にした方がいいが,それ以外は直線が多く,高速化しやすそう.「准新幹線」化できないかな?

三線軌+単線並列

「ミニ新幹線」の線路を観察してみよう.区間は奥羽本線の秋田−大曲間である.

写真中央の線路は狭軌(軌間1067mm),右は標準軌(軌間1435mm),右の線路の奥には「新幹線」の車両が走っている.この区間は基本的には狭軌と標準軌がそれぞれ単線で敷設されているという珍しい形態である.

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右の標準軌から分岐した線路が狭軌をクロスして,左側の車庫へとつながる.

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車庫には標準軌用のローカル線電車が置いてあるので,このあたりでは普通電車は狭軌と標準軌の2種類あるようだ.運用がめんどくさそう(JR東日本て,割とめんどくさい車両運用を平気でやってるよね.).

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単線並列なので,信号機もそれぞれの線路に設置されている.そんなわけで,線路の幅の違いさえ無視すれば,まるでヨーロッパの線路(*)のような感じである.

(*)ヨーロッパでは単線並列が普通なので,複線区間では2線ともに信号機が建っている.

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「新幹線」ではあるが,車両サイズはミニ,つまり在来線規格相当なので,トンネルがあっても掘削しなおすこと無く,元々のトンネルがそのまま使える.経費節減.

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途中の小駅は,ローカル列車が発着するホームだけ.「新幹線」は通過なのでホームが無い.経費節減.

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「新幹線」用の線路には,当然ながら時々「新幹線」が走る.

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単線区間ばかりでは上下列車の交換に不便があるので,一部の区間は非常に珍しい三線軌になっている.写真奥に写っている片渡り分岐器は「新幹線」だけが通る.ここから先は,当分三線軌が続くので「新幹線」は走りながらすれ違える.

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橋梁も在来線のものを流用できるので,経費節減.ただし,単線用の橋梁は重心がずれたりするので,使えないこともあるらしい.

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他ではなかなか見られない珍しい分岐器.

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なかなか快調に走る.

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そして,三線軌区間は終了.

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変電所も在来線と同じものを使えるので,経費節減.

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今さら言ってもしょうが無いが,西日本方面でもつべこべ言わずにさっさとミニ新幹線を導入しておけば良かったんだけどねぇ.

一方,そうこうしているうちに東北方面では次の段階へ進もうとしているのであった…

 

新潟駅の在来線高架工事

ただいま新潟駅の在来線高架工事中.

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完成すれば,「いなほ」と「とき」が同一ホーム条で乗り換えられるようになる模様.完成予想イメージ(↓)?

完成後も笹団子は,買えるんだろうか?

みどりの券売機プラスとの闘い(2勝目)

2勝目の報告である.今のところ,右側にある電話機のお世話になっていないので,「プラス」特有の話では無いかもしれない.

今回の購入希望ルートは以下のようなものである.

  1. JR近郊線で新幹線駅へ
  2. 新幹線に乗車(指定席)し終点で降車
  3. 降車した駅で別の新幹線に乗り換えて終点で降車
  4. さらに,降車した駅で在来線特急に乗り継いで約2時間で降車(乗り継ぎ割引あり)
  5. その駅で3時間ほどの用件を済ませた後,再び在来線特急に乗って終点で降車

例のごとく,「奴」のお勧めルートではこのルートは出ないので,簡単ではない.そこで再び切符と特急券を別々に買う作戦を実行した.

  1. まず,乗車券だけ買う.発駅と着駅を指定し,「新幹線を使う」(だったかな)のボタンを押し,最初の新幹線駅を指定する.あとは順に問われるままに,乗換先の路線と乗換駅を指定してゆく.そして乗車券だけを発券させる.
  2. 次に,「2.」の新幹線の指定席特急券だけを発券させる.
  3. さらに「3.」と「4.」の新幹線と在来線特急の乗り継ぎについて,発着駅と発時刻指定の方法で発券.
  4. 最後に「5.」の特急券を発券.

斯くして,今回も四度に分けることで目的のチケットをゲット.だいぶ慣れてきたが,時間がかかりすぎ.いきなり電話機に向かって話すだけで発券できるのが理想.でも,20年以内くらいにはできるかも.

終着駅

どんなところだろうと,単純な好奇心から終着駅まで行ってみた.

ほとんど何もなかった.床屋が一軒営業中.

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観光地はここからバスに乗り換えてゆく模様.沿線は海が見えるかと思いきや,ほとんど海は見えず.意外と住宅地が続いていた.なるほど,ローカル線ではあるがワンマン運転列車ではないのは沿線人口がそれなりにあるからか.