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「2200億円」は無かったんや・・・で?

先日は「毎年2200億円あったら何ができるだろうか」という捕らぬ狸の皮算用をしてみたが,大阪市長の話を追って行くとこの2200億円は府に移管した事務経費や市債の返済分等々に使われるそうな.

つまり,市域外の府下で使える2200億円というのは,無かったと言うことなんやな.毎年2200億円,もしもあったなら,府下でかなりの投資が行われるという机上の空論をしてみたが,それはできそうには無いということか.5年で関空リニア完成レベルという,あの強力な破壊力(いや投資力)は期待してはいけないの?

そうすると,新たな疑問がわいてくる.それは………

府市統合しても府下(除く大阪市)には,さほどの期待すべき投資が成されるわけでは無いということか? 府市統合すると,一体何が良いのか?というほとんど振り出しのような原点に戻ってきてしまう.

えっーと,かつての国政でも埋蔵金の議論があったが,地下鉄売り払うとか,泉北高速売り払うとか,電力株売り払うとか,そういう一時的なのは「二重行政の解消」による構造改革的な効果ではないよね.全部売り払っても大阪市1年分の予算規模にも到達しなさそうだし.

公共施設類の二重投資を解消,という話なんだろうが,ハコモノにしろ,上下水道にしろ,事業組合作って府市で統合するだけで二重化は解消できるので,府や市の本体を統合する必然性のある部分て,どのへんなんだろう.市を小分割するので逆にコストアップでは無いかという意見もあるようだが,いかに?

Q&A読んでも,現状でどこに構造的な無駄が存在するのか,わからんのだが,具体的にどこそこにウン億円の無駄があって,府市統合でそれをどういう形態に変化させることが出来て,その結果,いくらの統合効果が出て,それを積み上げるといくらになって,というわかりやすいリストでも作ってくれんかのう.いくつかの例は別資料に書かれているようだが,積み上げると毎年3千億円以上にもなるの? 今のところ”効果はありまーす”と書いているだけに見えてるんだが.そもそも,この説明サイトは府や市の公式見解なのかな?

やっぱり700ページの資料読まんとわからんのやろうか.府民(≠市民)には,どんなメリットがあるんかな.それから府民(≠市民)の住民投票はどうなったのかしら?

こういう後ろ向きの発言してい…ry) おや,夜中なのに誰かやってきたよぅd・・・

#このサイトが比較的わかりやすそうだが,このサイトの解説見ると,少なくとも1100億円あまりは「区」ではなく「府」に渡るように見える.じゃぁ,やっぱり皮算用してもええんか?

幹線鉄道計画のPDCAはまわっているか?

授業期間が終わると学生が部屋に訪ねてくる機会もめっきり減るので,この時期になると「BGM」をかけながら仕事をすることが多い.

音楽を聴くと…唄が頭の中をぐるぐる回って仕事にならない.ラジオもおしゃべりは同じようなもので,話に気をとられて仕事にならない.歌詞のない音楽は,まぁ許容範囲か.ピアノ曲あたりが無難.

そして最近発見した仕事に最適な「BGM」はこれだ.

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

名付けて,「Back Ground Meeting=BGM」

内容は下手なニュース番組よりもよっぽど中味がある(当たり前か).時々新幹線ネタや国土整備ネタも出てくるぞ.変な「マスコミフィルター」がかかってないので,お勧め.難点は長いこと.会期中は毎日7時間とか.並行して委員会が開かれていることも多いので,延べ時間はものすごいぞ.衆参でダブルだ.

さて,最近この国会中継でよく聞くようになったキーワードがある.それは「PDCA」.JABEEだけでなく,ついに国会でもPDCAを聞くことになったとは,時代も進んだものである.

Plan→Do→Check→Action→Plan→…

計画立ててみて,やってみて,うまくいったかどうだか検討して,内容修正して,またやってみて,の繰り返し.

ところで,標題の幹線鉄道計画だが,1970年代に法律つくって,73年に具体的な計画立てて,…いまだに73年に閣議決定されたから云々ということが論拠になって話が続くことが多いが,冷静になって考えてみよう.

おかしいだろ.

1872年に鉄道が初めて走って,最初の鉄道政策である鉄道敷設法までが20年.
1892年に鉄道敷設法ができて,建主改従,改主建従の議論があって改正されるまでが30年.
1922年に改正鉄道敷設法できて,太平洋戦争開戦から「もはや戦後ではない」までの15年を除いて,初の新幹線政策ができるまでが33年.
1970年の全国新幹線鉄道整備法ができて,今年で45年目

おかしいだろ.

日本の幹線鉄道計画のPDCAはまわっているか?その答えは…?

#サボってる?>担当部署殿

航空コンテナがあるなら新幹線コンテナがあってもいいじゃないか

・・・と,いつも思う.

東海道新幹線が計画された際に(方便だとは良くいわれるが)貨物電車を走らせて,いわゆる国鉄コンテナを東京−大阪間で輸送しようという計画があった.そのための風圧試験も行われて,150キロ運転くらいまでなら何とか使えそうだが,それ以上は転倒しそうだということで,解決が先送りになっている.

東海道新幹線貨物列車は,夜間に150キロ運転で東京−大阪間を結ぶという話が一応あったが,皆がよくご存じのように夜間は保守作業に充てられ,実現はしていない.

その後,放置されていた課題は青函トンネルの貨物列車と新幹線の風圧問題へと,50年の歳月を経て繋がるわけだが,そもそも裸のコンテナを積載して走らせるから問題なわけで,車体内に収納するコンテナならばさほど問題ないはずである.

ボディ内に収納するコンテナといえば,これ.

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そう,航空コンテナである.いくつかのサイズの規格があるが,標準的なサイズのものはそのまま新幹線の車体内にも収まりそうなサイズである.

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TGV郵便列車のような専用車両で,車内に航空コンテナを収容させて走らせれば高速走行でも何の問題も無いと思うのだが,ダメかな.既にある技術の組合せで実現できるので,割と簡単に実現できると思うのだが.

新聞記事の精度(読売新聞四国編)

ほとんど事実関係だけ書いているので,さほど引っかかる点は無いのだが・・・

四国新幹線実現へ、4県トップら愛媛でシンポ : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE).

・・・(いつまでリンクが生きているかわからないが)この記事の記述.

  • 波床はとこ正敏・大阪産業大工学部教授が基調講演を行い、「全国で高速道路や空港などが整備されたが、都市の発展にはほとんど貢献していない。新幹線が通ると政令指定都市クラスに成長し、絶大な効果をもつ」と持論を展開した。」

→都市の発展にはほとんど貢献していないんじゃなくて,国土の均衡ある発展を実現するまでには至っていない,というあたりが最も正確.それから,「持論(=あることに関して前から主張し続けている,その人独自の意見。)」という表現.間違っちゃぁいないんだが,論拠無くむやみに言っているように聞こえかねないので補足.

この手の講演では時間が限られているのでわかりやすい部分を使って話をするのだが,その背景はもしも話せば結構長かったりする.実は交通整備と地域の発展に関する研究は,いくつかの研究テーマのうち最も基本の部分であり,博士論文がそのテーマだったりなんかする.つまりいわゆる「1丁目1番地」.説明すると長すぎるので,最もわかりやすいお話しを取り上げているということである.なお,講演で使うスライドは,元々は学部1年生の授業用であり,講演内容のリクエストと時間の長さによっては「汽笛一声新橋を」から話し始める.

詳しくはこのサイトの下の方にある「明治期以降の交通網整備が我が国の地域構造に及ぼした影響に関する研究」のpdfファイルを参照.全部説明すると,2時間はかかる.

LinkIcon表紙 [PDF 20KB]LinkIcon序 [PDF 12KB]LinkIcon目次 [PDF 16KB]LinkIcon第1章 [PDF 60KB]LinkIcon第2章 [PDF 160KB]LinkIcon第3章 [PDF 276KB]LinkIcon第4章 [PDF 312KB]LinkIcon第5章 [PDF 236KB]LinkIcon第6章 [PDF 104KB]LinkIcon第7章 [PDF 288KB]LinkIcon第8章 [PDF 28KB]LinkIcon謝辞 [PDF 8KB]

GCT01-201(フリーゲージトレイン)

伊予西条駅に隣接して設置されている「四国鉄道文化館」.赤い電気式ディーゼル機関車や0系新幹線が有名であるが,こういう珍品も展示保存されている.

新幹線?新型特急?いえいえ,もっと珍品.

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妻面の名盤にはこう記されている.つまり「フリーゲージトレイン」.新幹線用の標準軌と在来線用の狭軌の両方を走れる車両である.GCT01系.車重が45トンもあり,最近の電車が30トン弱から40トン弱程度であることを考えると,重量級である.この重さがなかなか在来線で高速走行できなかった原因の一つかも.

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そしてこの電車の最大の特徴は台車である.車軸の真ん中にジャバラのようなものが付いており,ここが伸縮か?

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車軸端部分.

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ダンパが2つも付いており,重装備.速度があまり出ない割にダンパを2つも付けているのは,車輪間の軌間の精度が悪くて蛇行動しやすいからだろうか?

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IMG_8390スペインにも軌間可変式の「電車」が存在するのだが,モーターが台車ではなく車体床下に付いているようであり(ディーゼルカーのエンジンをモーターに変えたような構造?),構造がだいぶ違うようである.

しおかぜ23号…今日は大丈夫

約半年ぶりの四国である.お盆に新居浜まで行ったときには台風直撃であわや四国に渡れずというスレスレだったが,今日は特に問題なし.

夏なら午後7時はまだ残照のある瀬戸内海を渡るのだが,冬場は真っ暗であり,ガガガガ,ゴォー,ゴゴンゴゴン,ゴォー.何も見えない.

岡山駅から伊予西条までは約2時間,約140km.新幹線ならば岡山から2時間あれば,西は博多を超えて鳥栖か久留米あたり,東なら豊橋あたり.同じ140kmならば西は東広島のあたりで1時間ほどで着くし,東なら新神戸のあたりで何と30分ほどだ.

新幹線の威力は絶大なり.愛媛県なかなか着かない.ただいま車中.まだ丸亀.

やっと着いた.

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あと50日

大阪の人がうかうかしているうちに,北陸新幹線が東京から長野を経て金沢まで来ようとしている.車庫には新しい電車が.

IMG_0742金沢から東でサンダーバードやしらさぎ,はくたかを見かけるのもあと少し.

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IMG_0787あと50日らしい.沿線にカメラ小僧が多い.

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地震動予測地図とリニアの近畿圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察はまだ続く.このファイルのp.72やp.108を参照.今回は近畿編である.

以前にも書いたように,全国新幹線鉄道整備法が想定する新幹線網の最大の弱点は大阪だ.具体的には新大阪駅になろう.かといって,リニアが近畿まで達した場合に終点を大阪(新大阪駅)にしないわけにはいかない.つまり,ネットワークのリタンダンシーを考慮する場合は,それ以外の面で工夫することになる.つまりサブターミナルだ.

東西間交通のリスクを避けるためには,東海道新幹線とリニアは完全に別経路にすべきだという意見があるが,両者とも地上線ならそういう話になる.だが,リニアは都市部では大深度地下線が基本だ.つまり,地下鉄.阪神淡路大震災では,ごく浅いオープンカット工法で作られた地下鉄駅がつぶれた例はあるが,それは例外で,一般的には今でも地下構造物は地震に強いと言える(ただし,水没に強いかどうかは別問題なので,リニア名古屋駅とリニア品川駅については,慎重な対策が必要).すなわち,地下駅なら東海道新幹線と交差してもさほど地震リスク上は大きな問題はない.逆にリニアと新幹線が別経路でも,地上駅だと影響が出る可能性がある.

さて,リニアの近畿圏サブターミナルの要件としては,東海道新幹線途絶時にも京阪神圏に出やすく, なおかつ広域的なアクセスにも使えることである.

前者については,サブターミナルが京都の場合はJR線,阪急,京阪などいくつかの方法で大阪平野に達することができる(ただし,淀川水系付近の低地は地震のリスク高め).京都でも奈良でもない中途半端な位置でも,JR片町線や近鉄線を使って大阪平野に達するのは可能(ただし,大阪平野東部は地震のリスク高め).奈良であってもJR関西線や近鉄線で到達できる(ただし,大阪平野東部と奈良盆地やや南側は地震のリスク高め).ということで,大阪平野へのアクセスではさほど決定的な差はない.

次に広域利便性という観点では,京都については山陰新幹線や北陸新幹線が京都経由で整備されていれば広域的なサブターミナルになり得る. 京都でも奈良でもない中途半端な位置の場合は,山陰新幹線や北陸新幹線が京都経由で整備されるとともに,京都-奈良間にも高速なアクセス鉄道でも整備されていないと少々辛いかもしれない.奈良の場合はさらに広域アクセス性は低下するので,サブターミナルの性能は低下する.

そして,もしも副首都機能が近畿にやってきて,大阪の東隣のリニア駅がその地区に隣接するのなら,それもまた良し.

こういう議論が審議会であっても良かったと思うのだが,自由な議論ができるような雰囲気ではなかったのかしら.

なぜ「遷都」や「首都機能移転」ではなく「バックアップ」なのかをゲスる

今から20-30年前には「遷都」についていろいろと議論があった.「首都機能移転」と言葉を変えても,基本的には首都を移すという意味では同じである.リニア新幹線整備とともに,首都を移転させたり,あるいは沿線に首都機能を分散させたりといった案が様々に議論されてきた.

ところが,実際に巨大地震が東北で発生し,全国地震動予測が改訂されて首都圏が大地震に襲われる可能性が高いことが明確になってきたにもかかわらず,「バックアップ」の議論しかできていない.そのバックアップも,なぜか立川らしい.それって,意味あるのか?

もし「遷都」あるいは「首都機能移転」が実施されると,東京のビル賃料や地価が下がり,不動産価値は低下するだろう.企業は土地や不動産を保有しているので,資産価値が減少すると含み損が増大し,何かと経済活動がしにくくなるかもしれない.

だが,まさかとは思うが,そんなことを考慮して,東京の会社に気配りするあまり,「遷都」あるいは「首都機能移転」をためらって東京の機能を残す「バックアップ」にとどまり,その「バックアップ」も骨抜き状態にしようとしているのなら具合が悪い.

そういえば,原子炉の資産価値低下を心配して,海水注入を躊躇して事故をこじらせた前政権と電力会社というのもあったっけ.

早急に東京の経済活動を「疎開」させ,少なくとも本格的な「バックアップ」,できれば「遷都」あるいは「首都機能移転」が実施されなければマズいぞ.

今の日本は「東京転けたら,みな転けた」になりかねないので,このままでは30年以内の日本の滅亡確率が70%なのかもしれない.

【祝】濃度上昇,新幹線が787PPMに!

北海道新幹線と北陸新幹線の開業時期を前倒しするにあたって,来年度以降の新幹線整備費用の国費負担分は35億円づつ増額されるらしい.【祝】国費UP!整備新幹線,である.

本年度は確か719.5億円だったので,35億円上積みすると754.5億円に増額である.

ところで,来年度の国の予算は一般会計概算要求ベースで958,823億円.そうすると,国家予算に占める新幹線の費用の比率は,754.5÷958823=0.00078690227498

わかりにくいので%表記にすると,0.078690227498 %

まだわかりにくいのでppm表記にすると,786.9 ppm
だいぶ濃くなったぜ!!!

※%は百分率,‰は千分率,ppmは百万分率.