モノレールというと日本では空港に行く乗り物というイメージが強いが,今から50年以上前には未来の交通の主役として期待されていたフシがある.海外ではいずれ200km/hを超える高速運転されるものとして期待されていたのでは無かろうか.エアロトランも一種のモノレールである.
カリフォルニアやフロリダの「夢の国」に行くと,園内あるいは園間を結ぶ交通としてモノレールが整備されている.東京の「夢の国」のまわりをぐるぐる回る交通機関がなぜモノレールなのかというと,このあたりに起因しているのではないだろうか.
その後に米国で開業したモノレール(シアトル)も遊園地行きの交通機関である.
子ども向けに夢を与える未来風の交通機関ではあるが,実際にはコンクリート上をゴムタイヤで走行する交通機関なので,走行性能には限界があったようだ.
「英国」タグアーカイブ
EUROSTAR(今はなきWATERLOO INTERNATIONAL駅)
かつては英国と欧州大陸を結ぶ特急列車はWaterloo International駅から出発していた.
この駅から海峡トンネルの入り口までは,第三軌条式の在来線をゴトゴトと走るので,超絶遅く,車内にまわってきたアンケートに「遅すぎ〜」と書いた記憶がある.
Waterloo International駅で「出国手続」をして列車に乗って,ベルギーなりフランスなりに行くと,降車駅で再び「入国手続」があって,汽車のマーク入りの日付スタンプを押してくれた.
今は,「遅すぎ〜」の在来線ではなくて300km/h運転対応の高速新線が英国内でも開通し,St.Pancras駅発着になっている,出入国も英国で出発する段階で「出入国手続」を1度するだけである.
このタイプの電車も間もなく置き換えが始まり,いずれはドイツのICEタイプの電車になるようである.
5扉車?6扉車??いえいえ・・・
車両と構造物の”限界設計”
構造物の限界状態設計法のお話し,ではありません.
英国ロンドンの地下鉄は,ご存じの人も多いように変な形をしている.ここまで切り詰めれば,無駄なしという感じの形状で,まずトンネルあり,それに合わせて電車ありという断面である.特に屋根の形状が特徴的で,出入り口の上方は丸く湾曲している.
おそらく初期の路線で建設費を抑えること,電車がここまで大量輸送に使われることを想定していなかったことなどから,小型車両が使われ,その後,電車の大型化に伴ってトンネルぎりぎりまで大きくなったのではないかと思うが,何かあった場合には逃げ道は前後方向以外存在しないなとも思う物理形状である.
日本では近年,工事費を抑えた地下鉄としてミニ地下鉄が建設される場合があるが,トンネル断面積ではこのロンドン地下鉄の方が小さい.ということは,日本でもここまで割り切ることが出来れば,さらに地下鉄の建設コストを下げることが出来る可能性はあるが,「安全性がー」と言う話になって,実現しないだろうなぁ.ロンドンで実用になっているのだから,日本でも問題ないと思うのだが.
レールだらけ(地下鉄編)
鉄道線路は左右のレールが1組になっている。わざわざ言わなくても、子供でも知っているお話。ちょっと詳しい子供なら、地下鉄には3本目のレールがあることを知っていることもある。
第三軌条(サードレール)と言って、地下鉄電車に電力を供給するためのレールで、その代わりに屋根上の架線が無い。架線が無いとその分だけトンネルを小さくできるので、建設費を安く抑えることができる。
じゃぁ、この地下鉄は? レールが4本ある。ロンドンの地下鉄。最も左のレールは電力供給用、左から2番目と最右端のレールは車輪が走行するためのレール。じゃぁ、中央のレールは?
中央のレールも電力供給用。最も左のレールと中央のレールには碍子がついており、絶縁に気が使われていることがわかる。この2組でプラス極とマイナス極(厳密にはちょっと違うようだが)になっている。通常は走行用のレールをマイナス極と共用にするのだが、ここでは別にレールがわざわざ準備されている。
別にすることのメリットとしては、変電所に帰る電流が地中などを伝って思いもよらない箇所に電蝕…つまり一種の電気分解ですね…の影響を与えることを防いだり,電車のボディーとホームとの間に電位差が生じて乗客が感電したりすることを防げる(だったっけな)。
これは日本的基準ではBRT?
日本的基準では連節バスはBRTのようだが,じゃぁ,後ろに延ばすのではなく上に積み上げても日本的基準ならBRTになりそうなものである.
さらに,その中量輸送相当のバスがウジャウジャ専用レーンを走っていたら,これは「大量型軌道」か?こうやって極端な例を考えてみると,何がおかしいかがわかりやすい.LRTやBRTは確かに「中量輸送」ではあるが,輸送量の多寡だけが都市交通の仕分けの基準ではない.都市内においてどんな役割を担うのかを考えて基準を設けないと,変な話になってゆく.
似たような話は,「街路の規格」にもある.日本の基準では街路は自動車交通をどれだけの量,どれだけの速度で通すかしか基準がない.そろそろ,いろいろ見直した方が良さそうだ.
きかんしゃトーマス
LRTを使ってみよう(PARK & RIDE編)
LRTを使ってみよう(PARK & RIDE編)
鉄道後進国ニッポン(英国快速も225キロ運転)
ずいぶん前に,ドイツの快速列車がめっちゃ速いという話を書いたが,英国の近郊電車もめっちゃ速い.
テレビのCMでみたことのある人も多いと思うが,日立製の電車であり,ロンドン郊外のアシュフォードというところから,ロンドン市内まで走っている.最高速度は公称225km/h. 乗車してみると,内部は特急列車風ではあるが,デッキとの間仕切りはなく,イスもビニール張りの簡素なものである.
英仏海峡を通過するユーロスターの走る高速新線を間借りして走行し,車内の内装さえ気にしなければ走りっぷりは日本の新幹線と寸分変わらない(日立製なので). ロンドンオリンピック期間中は選手村と競技場との間の輸送に使われ,その後は高速通勤鉄道線になっている.
日本にはこういう発想ないんだよなぁ.(昔は首都圏でそういう構想があったが,有耶無耶になった.つくばエクスプレスはその名残.160キロ運転はどうなった>TEX)