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相互乗入れ欧州の場合

ヨーロッパでは都市間鉄道の場合でも線路の保有と列車の運行が上下分離されているので,例えば英仏間(+ベルギー)ならユーロスターを運行する専用の会社があったり,仏独(+ベルギー+オランダ)にもタリスという専用の会社があったりする.

専用会社ではない場合にはTGVやICEのように中心となる国の列車がそのまま片乗り入れするケースも少なくないが,中にはこういうケースもある.

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「NS」マーク付きのICE.オランダ鉄道(旧国鉄)の所有するICE車両だ.ケルンからアムステルダムまでを結ぶ路線で見られる.(写真はケルン駅)

車両を両者で保有して,相互乗り入れの形態になっているわけで,日本の相互直通運転と似たような感じになっている模様.

頭端式ホーム

日本で,近郊路線ではない長距離列車の頭端式のホーム(Eの字形のホーム)というと……上野駅の地平ホームくらいなものか? 上野駅も今や常磐線特急くらいか…あっ,いやそう言えば上野東京ラインとかいう直通線が完成したので,上野駅の地平ホームも風前の灯火か.

一方,ご存じのようにヨーロッパの駅では頭端式ホームが標準である.重い荷物を持ってゴロゴロとやるには悪くない.

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だが,これが乗車位置が頭端式ホームの頭の方ではなくて,はるか向こうの端っこのこともあったりする,そうすると,TGVやICEの2編成併結便なんかだったりすると,目的の車両までホーム上を300-400mということも,さほど珍しくない.

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しかも,日本のように編成とホームが安定せず,乗車の10分くらい前になってからでないと乗車位置が決まらないので,電光掲示板にホームが示された後に移動することになり,上下移動は少ないが,水平移動が果てしない,ということも少なくない.

どっちもどっち.という話.

大阪は副首都になれるか(平常時編)

副首都なる機能を大阪に置くことが適切かどうか,いろんな面から考えてみよう.副首都は国家機能なので,単なる大阪の地域振興事業ではない.すなわち,大阪の人さえ良ければ良いというものではない.多面的検討は必要である.

まずは何も特別なことは起きていない平常時の場合についてである.

普段の平和な時期における大阪の位置は悪くない.東京からは適度に離れており,西日本に対しての地理的な距離自体は比較的近い.加えて,東京よりもアジア各国に対して若干近く,アジアのゲートウェイ都市になりうるポジションを占めることもできる.

だが,東京が国内の東日本に対して陸路のアクセスがほぼ完璧になってきているのに対し,大阪の広域アクセスは弱く,九州や四国の人々が一堂に会するには東京が便利,などという笑えない状況は続いている.

大阪を中心とする広域道路ネットワークについては,一部まだ工事中/未着工区間もあるものの概ね先が見えている状態である.だが,トラックや観光客はともかく,ビジネスマンが道路を使って広域移動することは希であるので,大阪を中心とするビジネス広域交通は今ひとつであると言える.

つまり,平常時における副首都大阪としての大きな課題は,国内広域アクセスであり,具体的には中央,北陸の各新幹線の完成はもちろん,四国新幹線や山陰新幹線などのネットワークをも完成させることが必要である.同時により遠方の国内や国際交通を担う航空ネットワークの要である空港アクセス時間の短縮も必要である.(逆に,こういった広域公共交通ネットワークを充実させることができないと,副首都には厳しいということ)

なお,関空アクセスについては,これまでにリニア新幹線や通常型新幹線の乗り入れ,あるいはなにわ筋線といった提案がなされているが,リニア新幹線は単線だと役に立たず,かといって複線だと兆単位近くの投資が必要で厳しい.なにわ筋線については新大阪からノンストップで40分などという試算もあるようだが,現状でも1駅停車で48分で到達するので,2000-4000億円の投資の割には効果がマイルドすぎる.なにわ筋線での関空アクセス構想を自画自賛してらっしゃる方もいるが…あんまりインフラプロジェクト構想のセンスないよね.バックのブレインを変えた方がいいと思う.

ちなみに,関空への通常型新幹線乗り入れ構想を”口撃”している人もいるが,フランスのTGVはシャルルドゴール空港に乗り入れているし,ドイツのICEはフランクフルト空港に乗り入れている.スイスのインターシティーはチューリヒ空港やジュネーブ空港に乗り入れているし,オランダのスキポール空港へはTGVの国際版のタリスが発着する.ロンドンのヒースロー空港へは新幹線のような列車こそ走っていないが,ヒースロー急行という準高速鉄道が乗り入れている.フランスやドイツには航空便名の付いたTGVやICE列車が走ってさえいる.

センスのないインフラ構想って恥ずかしいよね.


フランス高速鉄道TGV脱線

TGVが脱線したみたいなんだが…

 ドイツとの国境に近いフランス東部ストラスブールの近郊で14日、試験走行中の高速鉄道TGVの車両が脱線し、少なくとも10人が死亡、37人が負傷した。AFP通信などが報じた。 技術者ら49人が乗車し、時…

情報源: フランス高速鉄道TGV脱線、10人死亡 試験走行中:朝日新聞デジタル

他の写真などでは複線の上下線間が開いているようなので,LGVと在来線の合流点付近のようだ.水路をまたいでいるので,ここかな.

情報源: 48°4124.8″N 7°4219.2″E – Google マップ

Metz方面からきたLGVの終点で,比較的急曲線で在来線と合流するあたりのようであり,地図上で見る限り半径800-1000mくらいの曲線のようである.標準軌なので,制限速度としては120〜150キロくらいだろうか.

高速新線を試運転して,そのまま減速せずに突っ込んだ感じだろうな.高速道路を快走していて,いきなり巨大な「終点」の看板が出てきたような感じか.

まだ営業していない新線のようなので,保安装置がまだ機能していなかったのかもしれない.TGVは新線が開通するのにあわせて高速走行実験をすることがあるので,そういった試験の最中の事故だったのかもしれない.

高速線と在来線の境目での事故という点では2013年のスペインのAVEの事故と似ている.また,直線を高速で走行した直後に急カーブが配置されていて脱線した,という点では福知山線の事故とも共通性がある.

高速鉄道では目視で危険を察知しても危険回避が間に合わないらしいので,保安装置は大事だということだね.

パリ北駅前のホテルのロビー

パリ北駅前のホテルのロビーにはこんなモニターがある.

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フロントデスクのすぐ右隣のモニターの内容は,北駅構内の発車案内そのもの.まるで空港の構内店舗等にあるフライト案内のサービスと同じである.

拡大するとこんな感じ.

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アムステルダム行き列車の発着ホームが決まったようだ.駅まで道路を挟んで向かい側である.日本にも駅直結のホテルがあるが,こういうサービスがあっても良いよね.

 

高速鉄道の「機内食」

例の国際特急に乗った.日本では食堂車はどんどん廃止されているが欧州の特急列車では,食堂車が連結されているものが多く,無くても軽食の提供設備はほぼ必ずある.

ケルン→パリ間で乗ったThalysの場合は軽食の提供設備もあるが,一等車の場合は飛行機の機内食のようなものが出てくる.

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出発してしばらくすると,各席に出される.味は機内食以上でも以下でも無く,それそのものである.

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日本では事前に弁当を持ち込むか,車販で弁当を頼むしか手が無いが,都市間輸送における供食というのは,実は重要な要素なんじゃ無いかと思う.最近は,車販を省略する特急列車も多くなってきており,かといって駅の食堂等もショボく,メシをどこで食うかというのは長距離移動の大きな課題でもある.

 

列車版LCC

欧州では,線路とその上の鉄道運行が基本的に上下分離されている.旅行者としてはICEやTGVをよく使うのでほとんどそのことを意識することはないのだが,最近,特にドイツなどでは比較的近距離の都市間連絡列車で,見かけない会社の列車を見かけることが多くなってきている.

例えば,この列車.

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機関車は比較的最近の機関車で,確か発車時には「ドレミファソラシド…」という音を発したはず.けど,よく見るとかつては書かれていた「DB」の赤い文字が無い.

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ハンブルグとケルンを結ぶ列車のようである.

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車両は結構年季の入ったもので,元オーストリア国鉄? 土手っ腹には大きく「HKX」と書かれている.

ハンブルグとケルン間ならICE等を使って移動するのが通常の方法だが,同じ線路上を別のHKXという会社(私鉄)が列車を運行しており,ドイツ鉄道の列車に乗るよりも安価に移動できるようになっているようだ.

ただし,車両はお古の使い回しであり,とにかく安く,しかも早く移動したいというニーズを満たしているようである.

ユーレイルパスでも乗れるようだが,良い時間帯の発着時間は確保できていないようで,あまり便利では無い.しかもICEにも乗れるチケットでわざわざ選択するような列車では無い.

だが,地元の人にとってはこういった別の選択肢も準備されているのである.

日本では,都市内交通が自由化されている一方,新幹線を含む幹線鉄道および同じ線路上を走るローカル列車の運営は国鉄時代からの地域独占が継続しており,ユーザーの選択肢は限定的である.

フランスの鉄道博物館の収蔵物(ネタ編)

フランスの鉄道博物館,数々の記念すべき車両が収蔵されているが,中には方向を誤ったのではないかと思われる試作品的なものも存在する.

まずは,これ.方向を誤った,というよりは,当時の時代のニーズをそのまま反映した貨車である.何を運んでいたかは一目瞭然.ヒントは「フランス」である.

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次は,このモダンな車両である.その名も「Autorail」.

IMG_4054要するに単行運転用の気動車なのだが,前面の運転席に見える部分は実は客席であり,運転席は車両中央の天井の出っ張りの部分,艦橋のような部分である.前後ともこの位置から運転するようだ.客室の天井が異様に低い.

そして話のタネの一番はこの客車.

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まるで日本の町屋に車輪を付けたような車両である.TGV Duplexの祖先か?

1階が二等車,2階が三等車であり,三等に出入りするにはデッキの階段を二階まで上って車端のドアから入る.

 

バーゼルを8分遅れで出発したICE,次の駅で定刻に

スイスのバーゼル駅を8分遅れで出発したベルリン行きICE.フランクフルト方面への路線を走るのだが,残念ながらスイス付近は線形が悪く,ローカル列車のような走り方しかできない.川沿いに右へ左へと流れに沿って敷かれた線路をたどる.

…と,過去の記憶をたどればそうだったのだが,今回は途中で「本気」を出した.そして次の停車駅のフライブルクではなぜか定刻着.

本気を出した秘密は,以前は無かったこのトンネルのようである.トンネルなのでGPSが機能せず,正確な速度はわからないが,200km/hくらいか.8分遅れは確信犯だな.

元々の線路はトンネルの左側の川沿いの線路.独仏は訪れるたびに幹線鉄道の設備が更新されて行く.日本はどうなんだ?

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北陸新幹線に荷物置き場…訪日観光客らに対応

ちょっと前に,こういう新聞記事があった.

 JR東日本とJR西日本は、北陸新幹線にスキーや大型のスーツケースなどを置くことができる荷物置き場を設置すると発表した。

情報源: 北陸新幹線に荷物置き場…訪日観光客らに対応 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

こんなことで新聞で話題になるとは,実は情けないお話.

もちろん,車端部にはこういったバゲージスペースがあることが多いのだが…

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独仏あたりだと,こういうローカル列車でも…

IMG_3529こういう海外旅行で使うようなスーツケースが…

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そのまま,普通に頭上の荷棚に収まる.

IMG_3526というわけで,空港でもないのに,欧州の駅の客はスーツケースゴロゴロ転がしている人が多い.

いっぽう,日本の新幹線の荷棚は車体がデカい割に荷棚が小さく,小型のスーツケースしか荷棚には収まらない.車体の基本設計の問題やね.