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今なお聴けるトラディショナル鉄道サウンド

昨今は騒音振動防止の観点からロングレールの普及が進み,電車の走行音というと「ゴーーーーーー」とか「ガーーーーーーー」とか「ウィーーーーーーン」とか少々味気なくなっている.

ところが,だ.附近に住宅さえなければ今なお聴けるトラディショナル鉄道サウンドは存在する.淀川の鉄橋だ.

「カタン,タタン,カタン,タタン」いやぁ,たまらん.ただでさえ盛大なジョイント音がする上,鉄橋なので増幅してくれる.列車長もまぁまぁあるので,サウンドの継続時間は長め.しかも,ここは三複線なので,各線とも往復それぞれ数分おきに走る.三列車同時に梅田から来るというのもあるぞ.

なお,阪急電車に乗ってしまうと単に鉄橋渡るだけになってしまうので,西隣の十三大橋から鑑賞するのがお勧めである.

地下鉄で高い濃度のPM 2.5

(すぐにリンク先が消えそうだが…)

健康への影響が指摘される極めて小さい粒子状の大気汚染物質、PM2.5について、慶應大学のグループが地下鉄で調査をしたところ、最大で地上のおよそ5倍の濃度にのぼったことがわかりました。

情報源: 地下鉄で高い濃度のPM 2.5|NHK 首都圏のニュース

原因はレールと車輪の間の鉄粉みたいだが,鉄粉が出るのは両者の間の摩擦力が原因なので,防止するには地上側と車両側との間のブレーキ力をレールに伝えなければ解決できるということかな.

ということで,解決方法はこれかも.

つまり,リニアモータ.

リアクションプレートに力を伝えて加速,減速をするので,車輪は原則として車重を支えるだけ.

難点は,たぶんモータを発電機として走行エネルギーを電気エネルギーとして回収しにくいことかな.(一応回生ブレーキはある模様)

#レールと車輪の間の鉄粉よりも,タイヤとアスファルトの間で生じる粉塵の方がヤバいと思う.

#今日は新橋-横浜間開業から146年目.今年は明治150年らしいので,明治政府は4年で鉄道開業させたわけやね.

セビリアのガントレット

単線区間と複線区間の境目には分岐器が設置されているのが普通だが,複線から単線になってすぐに再度複線になるような箇所ではこういう分岐器モドキがある.

単線区間はこんな感じ.分岐はしてなくて,往復の線路が少しずれた状態で重なっているのがガントレットだ.

写真はセビリアだが,確かアムステルダムなどにもあったかと思う.

日本にも(現存しないが)名古屋市内のお堀の中にあったはず.瀬戸線が栄町に乗り入れた時に廃止になったんだったっけ.

スペインの鉄道博物館の収蔵物(タルゴ編)

スペインの鉄道博物館,他の展示物はこれといって面白いモノは無い(…と言ってしまうと失礼だが,正直な感想である).

そんな中,スペインらしい展示物がこれだ.

登場して75周年らしい.期間限定特別展示.といってもパネルだけ.

スペインのタルゴというと,人によって受け止めるイメージは異なり…

  1. 曲線を高速で曲がれる振り子式列車
  2. 異なるゲージ間を直通できるフリーゲージ列車
  3. 結構高速で走れる高速列車

…と様々であり,どれが真の姿かというと,どれも正しい.つまり,振り子式列車バージョンも,フリーゲージ列車バージョンも,300km/h超運転できる高速仕様もある.

スペイン国外にも輸出されており,各国仕様があるようだ.ゲージが異なる路線を直通という点では欧州にはロシアという広軌鉄道網を持つ国もあり…

…あった.ロシア版タルゴ列車.説明はこうある.

ロシア鉄道では240km/h運転できる上,7編成のうち3編成は1520mmの広軌区間で使用され,残りの4編成は2016年からモスクワーベルリン間に投入されて軌間変換装置を使っているようだ.

秋田新幹線-新ルート整備600億円

JR東日本が検討している秋田新幹線の岩手、秋田県境の新ルート整備で、同社が600億円規模の概算事業費を秋田県や沿線自治体に対し提示していたことが7日、分かった。トンネル新設を含む工事区間は県境をまたぐ十数キロになるとみられる。

情報源: <秋田新幹線>新ルート整備600億円試算 トンネルは10キロ超、工期10年見込み | 河北新報オンラインニュース

関連記事もある.

情報源: <ニュース深掘り>秋田新幹線新ルート整備 防災強化へ議論不可欠 | 河北新報オンラインニュース

山形新幹線の福島-米沢間と似たような事情だが,山形新幹線が「新幹線計画路線に並行する在来幹線鉄道」であるのに対し,こちらは事実上都市間の幹線として機能しているものの地方交通線であり,こちらは公式の新幹線計画は無い.

両記事をよく見ると,どちらにもフル規格新幹線電車を通過させるには追加費用が○○○億円という件も無い.

秋田市への新幹線計画は日本海側の羽越新幹線計画,福島から山形を経由して内陸を縦走する奥羽新幹線計画がある.ところが秋田への現状の主たる幹線鉄道輸送はどちらでも無く,盛岡からの田沢湖線ルートだ.

整備費用は山形新幹線に比べると小さいモノの,状況的にいろいろと悩ましい.簡便な整備は現状のルートを強化することだが,公式の新幹線計画が無いのでフル規格新幹線電車を通過させるトンネルを建設するのが難しそうである.このプロジェクトは在来幹線鉄道の改良工事になってしまい,新幹線整備ではないので国の補助制度メニューもしょぼく,補助率も新幹線建設に比べて小さい.

これに加えて,現状のルートをフル規格新幹線化させた場合,奥羽新幹線や羽越新幹線沿線地域はどうするんだという問題もある.

もっとも,奥羽新幹線がもし完成したとしても,現状の田沢湖線ルートは隣県の県都である盛岡とを結ぶルートであることに変わりは無いわけで,少なくとも防災目的の投資は無駄にはならない.

新トンネルは時間短縮にもつながるそうだが,10キロほどのトンネルだと,急加速しても250キロに達するのは難しそう.時間短縮の恩恵も小さく,170キロ運転程度を念頭に設計しておくというのが無難な落としどころか.170キロなら久留米と新鳥栖のわずか数キロでも到達できる速度だ.いずれフルサイズの電車は山形方向からやってくると期待すれば,トンネル径は在来線サイズでもいいかなぁ.

 

山形新幹線トンネル新設は1500億円

山形新幹線の山形、福島両県境区間で豪雪などによる運休や遅延が相次いでいることを受け、JR東日本は、防災対策事業の概要をまとめた。

情報源: 運休相次ぐ山形新幹線…トンネル新設の工事費は1500億円 JR東、事業化の是非を検討 – 産経ニュース

例の「山形新幹線最弱伝説」への対応である.いっぺん言及した件でもある.

この記事をよく見ると,120億円追加すればフル規格の電車が通過できるトンネルサイズにできる,とある.ということは,原案は在来線サイズのトンネルということか.

この区間(福島ー米沢間)は新幹線の基本計画である奥羽新幹線の一部でもあるので,「常識的には」フル規格対応で作っておいて,必要に応じて転用するのが妥当だろう.いったん完成して使い始めると出戻り工事は不可能だからだ.まぁ,要するに青函トンネル方式である.

正式な高速道路が欲しいんだが,なかなか整備されない区間において,まずは一般国道のバイパス的な自動車専用道路を建設(線形そのものは高速道路で対面通行など)しておいて,時期が来たら高速道路網に組み込むということが行われることがある.「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」というやつである.

例えば,和歌山の海南湯浅道路(国道42号)→阪和自動車道,とか,高松東道路(国道11号)→高松自動車道とか.そのほか,高速道路への正式編入はされていないものの実質的に高速道路網の一部になっている自動車専用道路は全国にたくさんある.

高速道路以外にも,一般国道2号のバイパスを有料の県道として整備した欽明路道路(30年くらい前に無料開放)というのもある.

そういったアイデアが新幹線ネットワークにあってもいいと思うんだが,「常識」の通じない頭の固いセクションがあると実現しにくいかも.

山形新幹線については最近もさらに別のトンネルの建設を要望する記事があったが,米沢盆地と山形盆地の間の山地部分あたりかな?

敦賀―新大阪の着工迅速に

与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は27日に東京都内で開いた会合で、着工時期が未定の北陸新幹線敦賀-新大阪について「切れ目なく工事に入らないといけない」として、2023年春の金沢-敦賀開業後速やかな着工を目指す方針を決めた。PTの岸田文雄座長(自民党政調会長)が会合後、報道陣に明らかにした。

情報源: 敦賀―新大阪の着工迅速に 北陸新幹線与党推進PT決定 : 京都新聞

現在は敦賀以北が工事中.もしもこの工事が終わって新幹線の当面工事が無いとすると,工事担当者は別のところの工事に行ってしまい,再び集めて再組織化するのは(出来ないことはないが)ちと面倒.

今工事している組織がそのまま次の工事に入るのがスムーズやね.

大都市の地下鉄工事も,かつてはそんな感じだった.

次の具体的着工区間は「敦賀ー京都ー新大阪」? それとも,とりあえず「敦賀ー京都」?

#敦賀と京都の間の長大山岳トンネルは「難工事区間」だと思うが,京都市街の通過区間も難工事だと思うし,新大阪駅の工事も結構な難工事だと思う.

 

名鉄常滑駅の場内信号機

名鉄常滑駅のホームから中部国際空港方面を見ると,信号機が近接して2つ見える.

大きな駅でホームの真ん中に信号機があり,停車列車が半分ほど進んだ段階で次の列車の進入を許している,という例は多い.

…が,ここは車両1-2両分しか間隔が空いて無いので,そういう目的では無さそうである.

んんん?

ホームの先端の信号(出発)が赤,その手前が橙,とするとその手前の場内信号機は緑(あるいは緑+橙)ということか.つまりこのホームへの進入速度を上げようとしている,ということかな?

(写真の色がいい加減なので,もしかしたら赤信号が2つ連続しているのか?)

「並行在来線のさらに枝線」でも線路改良

トラムの線路ができあがったものの,まだ使用開始できていないスペイン南部のハエン.鉄道ネットワーク的には,マドリードとセビリアを結ぶ幹線から枝分かれするような位置にある.そして,マドリードとセビリアを結ぶ幹線には,現在はAVE,つまり高速新線が整備されている.

つまり,ハエンは「並行在来線の枝線」の先っぽにあるわけだ.

さて,このハエンからマドリードに向かうには,「並行在来線」を走る急行列車に乗るか,コルドバまで行ってAVEに乗るかなんだが,乗換を含めての所要時間はどちらもほぼ同じ.4時間弱かかる.

ハエン駅発マドリード行き.マドリードのターミナル駅はアトーチャ駅のことが多いが,この列車は広軌の在来幹線を走るので,近郊列車駅のアトーチャ・セルカニアス駅に達し,そのまま近郊線の地下線を通ってチャマルティン駅まで行く.

朝8時半にゴトゴトごとと出発.

オリーブ畑になっている丘陵地帯を,ほぼ等高線に沿って単線の線路が敷かれており,線形ははっきり言って悪い.

…が,何やら工事をしている.

架線柱が建っているので,線路だな.どうやら線形改良工事をしている模様.

…そして現在線と合流.

スペインでは高速新線の工事が日本の新幹線の約3倍のペースで進んでいるが,それだけにとどまらず,「並行在来線のさらに枝線」でも線路改良をしている.

…で,日本の在来線はと言うと,朽ちて廃れるのを待っているのかな?

 

朽ちゆく新設LRT…の使い方

ハエンの朽ちゆく新設LRT用線路.市民はたくましい.

大通りから横道に曲がるために対向車待ち?

いえいえ.よく見ると運転席には誰も乗ってない.こんなもったいない空間を放置する手はない.そうだ,「有効活用」しよう!

どうせ電車も来ないし,丁度いい空間かも.

渋滞しているわけではありません.