麻生太郎財務相は13日の閣議後会見で、北陸新幹線の延伸ルートの方針が固まったことについて「良い話だと思う」と評価する一方、「あまり詳しくない人がやっているのかと…
情報源: 麻生太郎財務相、北陸新幹線のダイヤ改善に「新宿から引くとか」
いやぁ,よく観察してらっしゃる.そこ,線路用地はあるんですよねぇ,既に.
わざわざ「鉄道用地」って書いてありますし.
麻生太郎財務相は13日の閣議後会見で、北陸新幹線の延伸ルートの方針が固まったことについて「良い話だと思う」と評価する一方、「あまり詳しくない人がやっているのかと…
情報源: 麻生太郎財務相、北陸新幹線のダイヤ改善に「新宿から引くとか」
いやぁ,よく観察してらっしゃる.そこ,線路用地はあるんですよねぇ,既に.
わざわざ「鉄道用地」って書いてありますし.
先日は奈良がやっちまったかもしれない話を書いたが,今回はJR東海がやっちまったかもしれないお話.話が長くなりそうなので,今回は(その1)である.
JR東海については,自治体からは”こっちからだと話を聞いてすらもらえないくせに用のあるときには向こうから接触してくる”とか,広告出稿停止をおそれたマスコミについては,持ち上げこそすれども課題指摘してくれない状態なので,存外裸の王様状態なのかな,と思う今日この頃.実は大きな工事をしたことがないので,根回しが下手で,話が表沙汰になってから”聞いてねぇよ”状態だという話も.
さて既に誰もが知るように,北陸新幹線の米原ルート,すなわち敦賀から米原まで短区間の線路を建設し,米原駅で東海道新幹線に北陸新幹線電車を乗り入れ,新大阪まで到達するという案については,JR東海が色よい返事をしないので事実上リジェクト状態にある.今年行われた与党PTから国交省に対して行われた調査依頼についても,よく見ると米原ルートは直通運転ではなく米原駅で乗換という条件だ.
この「事実上リジェクト」の理由については,東海道新幹線の運行本数が多いので線路容量が足りないだとか,北陸新幹線の電車は遅いから邪魔だとか,保安装置が違うとか,電気系統が違うとか,運行管理システムが違うだとか,脱線防止のシステムが違うだとか,様々な「やりたくない理由(≠やれない理由)」である「方便」を持ち出して説明していたかと思う.リニア開業後については乗り入れを否定こそしていないものの,世間的には「リジェクト」と同等と見なされる口ぶりであり,極めて冷淡な状態だ.
その結果,ついに敦賀-大阪間は完全に別線で建設されそうな気配が濃厚になりつつある.ということで,JR東海は面倒なことはしなくても良くなりましたとさ,目出度し.メデタシ.お・わ・り……でもなさそう.米原からの乗入れを受け入れていれば回避できたいくつかの問題を新たに抱えることになったかも.
まずは,客の確保の問題.現時点ではJR東海の判断どおり,東海道新幹線の客数に比べれば北陸新幹線からの客数など取るに足らない数である.毎時片道15本の東海道新幹線に対し,北陸新幹線はせいぜい2-3本程度にしかならないので”雑魚”だ.
だが,リニア開業後はだいぶ様相が違うんじゃ無いかと思う.
中央新幹線の整備計画格上げ時の審議で使われた資料(交通政策審議会答申)によると,輸送需要量については次のような見積をしているようである.単位は(億人キロ/年)である.
交通政策審議会答申,2%成長時(上段は2005年,下段は2045年)
| 中央 | 東海道 | 合計 |
| ー | 442 | 442 |
| 505 | 314 | 819 |
つまり,リニアが開業すると全体での輸送量は何と全体で+85% ! すごい! しかもリニア新幹線だけで東海道新幹線の115%も運んじゃうんだ!
でもちょっと待てよ,と言う数字が混じっている.リニア新幹線は片道毎時最大9本(*)で東海道新幹線比60%,編成定員は1000人で東海道新幹線比76%,営業時間帯はおそらくちょっと延びるので東海道新幹線比110%くらいかな.そうすると,単純計算で東海道新幹線比50%程度の能力になるので,東海道新幹線比115%も運ぶ,という想定は結構マユツバものかも.おそらく,航空からの客がたくさん乗ってくるようになるという想定であるとともに,容量制約の基準が甘い計算の気がする.
(*)ほんとに毎時9本かどうか疑っているんだが,一応そう発表されている.
一方,似たような計算を別の局面でもやっているようであり,中央新幹線小委員会第3回資料では,両者の合計の輸送量が示されており,同じく単位は(億人キロ/年)である.
中央新幹線小委員会第3回資料
| 中央 | 東海道 | 合計 |
| ? | ? | 675 |
各新幹線の輸送量は資料に示されていないが,仮に最初の表の比率で按分するとこうなる.
中央新幹線小委員会第3回資料の結果を按分
| 中央 | 東海道 | 合計 |
| 417 | 258 | 675 |
これでも中央新幹線の輸送量が東海道新幹線の90%であり,先ほど書いた50%程度の能力しか無いにしては多い.東海道新幹線の席には2-3割の空席があるのでそれを考えるとリニアの席が完売していればギリギリ実現できそうな数字になった.
さて,東海道新幹線の客数は減った.どの程度減ったかというと2005年の442から258へと減ったので,▲41%である.
毎時15本から41%減らすと毎時9本弱になった.6本分の線路容量が空いて,米原乗入れを断ってなければこの分をリセールできた.まぁ,こういう客数なら16両編成で運転する必要も無いかもしれないので,12両編成にするかもしれない.そうすると本数は1.33倍にする必要があり,15×(100%-41%)×1.3333=11.8本.これでも3本分余る.やっぱりリセールできたね.
幹部のこれまでの発言・失言によると,リニア運転開始後は東海道新幹線には大車輪で稼いでもらわないと帳尻合わないようなので,(東海道新幹線と同程度の利益率にはならないかもしれないが)この遺失利益はもったいなかったかも.
東京近辺なら通勤用駅を新設して短距離新幹線を運転するという使い方ができるが,関西ではそういった距離帯に相当する滋賀県と揉めてしまったので,今さら新駅設置…するのかしら? やっちまったものは仕方が無いが,今後は神奈川県や静岡県と揉めないようにするのが得策だねぇ…あぁぁ,静岡とは既に揉めてたか.じゃぁ,神奈川県とは意思疎通をちゃんとしておいた方が良いかも.
というとで,将来の線路容量の余裕分をリセール(あるいは活用)するという事業は,関西方面では閉ざされた模様.まぁ,それだけで済めばよかったかもしれないんだが… (つづく)
北陸新幹線(長野経由)で未着工となっている福井県・敦賀以西のルートを巡り、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会は7日、福井県・小浜から南下して京都を経由する「小浜京都ルート」を選定する方向で大筋合意した。与党PTが20日にも最終決定する。工期は15年で着工時期は未定。また同ルートで全通した場合、長野―新大阪は最短2時間25分程度で結ばれることが、国土交通省の試算から判明した。現行より1時間20分ほど短縮され、県内と関西方面の距離感が一層縮まる見込みだ。
情報源: 北陸新幹線「小浜京都」合意 長野―新大阪、最短2時間25分 | 信濃毎日新聞[信毎web]
大阪発着の「しなの」が無くなってもうすぐ1年.大阪から長野は遠く,現状では以下の3ルートがある.いずれも時間的にはどっこいどっこいで決定打は無い.朝早く出発する場合だと…
大阪-新大阪-名古屋-長野:4時間15分,1万2000円,乗換2回
大阪-金沢-長野:4時間18分,1万4290円,乗換1回
大阪-新大阪-東京-長野:4時間14分,2万700円,乗換2回
費用的な面で名古屋から「しなの」が標準的だが,左右に揺れる列車を嫌う人は金沢まわり,在来線特急なんて乗ってられるか(実際,そういう客はいる)と言う人は東京まわりということだろう.
これが北陸新幹線全通で2時間25分なら,まさしく決定打だ.料金が上がる可能性はあるが,遠かった長野が再び心理的にかなり近くなる.
…ただし,いつできるかという問題は残っており,2031年着工だってか? 工期15年の2046年開業? 大阪人はこう言うだろう「死んどるわ!」
新幹線の車両サイズについていえば,米国車両≒満鉄車両≒新幹線≒中国車両というのは有名どころ.東北新幹線のコピー品がそのまま中国を走れるのはこういった背景があるから.わざわざそれをここで書いても新鮮さが無いので,別ネタ提供.
果たしてこの先使うことがあるのかどうだか不明だが,新幹線の車両サイズと在来線(JR)の車両のサイズをしげしげと見つめていて気付くことがある.それは,こういう関係…
新幹線用標準軌のレールからフル規格電車の車体側面までの距離と,在来線用狭軌のレールから車体側面までの距離がほぼ同じ.
つまり,これらを三線軌として建設した場合,共通レールからホームまでの距離は新幹線と在来線とでほぼ同じなので.細かいことに目をつぶれば,三線軌のホームは両者で共通化できるかもしれない,というお話.
例えば,フル規格新幹線と在来線を同じホームに発着させて乗り換えさせたい場合,両者各1線ずつじゃなくて三線軌にしておくとか,大都市部で新線工事がしにくい場合,原則としてフル規格用の路線を造っておいて,軌道は三線軌にすれば駅のホームは両用にできる可能性があるということ.
新幹線に関する,すばらしきムダ知識.
#こうやって,ネット上に10年ほど転がしておくと,何となく実用化されることもあるかもしれないと思う今日この頃.まぁ,もっとも電気系統は共通化しにくそうなので,そう簡単でないことは重々承知.札幌駅の1番線2番線はこういう方法はどうだい? もっともあそこは1番線2番線転用の場合も,建築限界の関係で取り壊して作り直しらしいが.
パリ、大気汚染対策の一環で公共交通機関の料金を無料化・自動車は乗り入れ規制
情報源: パリ、大気汚染対策の一環で公共交通機関の料金を無料化・自動車は乗り入れ規制 – BusinessNewsline
年に一度程度,ヨーロッパに出向くのだが最近気になっていたことがあった.それは,鼻炎の悪化である.
日本に比べて冷涼なので日本の夏の終わりに行くと丁度欧州は秋で,きっと花粉が飛んでいるんだろう,と,最初は思っていた.ところが年々訪れた際の鼻の調子が悪くなる.
ついには鼻をかむと血が混じるようになった.仕方がないので,今年からはアレルギー薬,風邪薬,鼻の洗浄器まで準備して欧州訪問.日本でもここまでひどくなることはないのにね.
今考えると,「クリーンディーゼル」などというものはなかったんだということだろうな.例の捏造発覚まで,欧州ではディーゼル車全盛だったわけだが,排出量が多かったのはCO2だけではなかったのだろう.
さてさて,ナンバープレートの末尾制限は記事のパリの他,留学生の話によると中国でもやっているそうである.あとは盆地で排気ガスのたまりやすいメキシコシティなど.
一時的には末尾制限と公共交通の無料化で乗り切れるかもしれないが,恒久的施策となると,市の入り口に有料ゲートを設けて,その収益を公共交通に突っ込むなんていう方法もあるかも.
日本でも自動車の制限の議論は時々浮上するが,未だかつて実現したことがない.渋滞対策や環境対策には一定の公共性があるのだから,ビビらずに実行すれば良いのだが,日本の政治家にもお役人様にも,その勇気はない模様.
西田委員長は「京田辺市はJR片町線や近鉄京都線とも接続できて利便性が良い。経済波及効果も見込める」としている。
情報源: 北陸新幹線「小浜-京都-京田辺」に 与党委、最終調整 : 京都新聞
あらら,ほんとに京田辺にするのかしらねぇ.奈良は惜しいことをしたね.京都市と国内社会的ポジション入替の歴史的チャンスの瞬間だったのだが,逃した模様.
さて,京田辺に駅ができるとすると,京田辺駅と新大阪駅を真っ直ぐに結んだ場合,ウチの家の目の前を通過するんだが.
8年ほど前,冗談半分で名古屋と新大阪を真っ直ぐ直線で結んだ場合は京田辺とウチの目の前を通過するので,リニアの工事状況の観察をできると言ったが,それが北陸新幹線で実現するとはねぇ(ほんまか).
いずれ,日々,北陸新幹線の工事の進捗状況をこのサイトで報告することになるのか???
#我が家から100-200m程度の距離の模様.ただし線路だけ.
北陸新幹線の敦賀以西のルートの方向性が決まりつつあるものの,工事がすぐに完了するわけではないので当面は敦賀乗り換えで大阪まで来ることになる.
一方,ウメキタ地区ではウメキタ地下駅整備が着手されており,大阪駅と連絡通路で繋がるのかな? この駅は南紀方面への特急や関空方面への特急も通る予定.
ならば,当面の敦賀乗り換え北陸新幹線連絡特急,要するにサンダーバードだが,これを現大阪駅発着でなくウメキタ発着にして,そのまま南進させて関空まで延伸運転させてしまえばいいんじゃないかなと思う.(もしかしたら既に考えているかもしれないが…)
北陸方面に行くと地元民用の特急列車時刻表には,サンダーバードと関空特急はるかとの接続時刻表が作成されていたりするので,国際空港アクセスの需要は少なくないはず.敦賀-関空間ならサンダバ用車両でなくともはるか用車両を京都から敦賀まで延伸運転するという方法でもいいかも.
海外じゃぁ幹線鉄道がそのまま国際空港に乗り入れるのは当たり前になりつつあるし,北陸新幹線には関空延伸という構想もあるので,こういった形で「試運転」して様子を見るというのもアリかも.
北陸新幹線の大阪延伸問題で、京都商工会議所の立石義雄会頭(オムロン名誉会長)は29日の定例会見で、与党が年内にも決定する延伸ルート案について、「政治的に決定した…
情報源: 「小浜舞鶴ルート案は採算性が最も悪い?」北陸新幹線延伸問題、京都商工所は苦渋…
この記事の最後の部分にこうある.
「北陸新幹線をめぐっては、京都と大阪をつなぐ南北新ルート2案も検討されているが、立石会頭は、府南部のけいはんな地区を経由する「南ルート」案に対し、「リニア中央新幹線(の新駅)との結節点でないと、あまり意味合いがなくなってくる」と述べた。」
えーと,ちょっと補足しておくと,リニアの”奈良市付近”の駅には毎時1本程度の停車,品川まで1時間半ほどかかるので,北陸新幹線の「南ルート」の駅がリニアの接続駅になっても,京都市の人が北陸新幹線の10分ほど乗ってわざわざその駅に行くことは少ないと思います.
京都駅からは東海道新幹線で名古屋まで約35分,リニアが開業しても毎時数本は東海道新幹線の列車は運転されるでしょう.名古屋で乗り換えてリニアで品川まで40分ほど,こちらも毎時数本というのが最速ルート.ということで,京都市の人はこの経路がメインルートになるはず.
じゃぁ,北陸新幹線の「南ルート」とリニアとがこの”奈良市付近”で接続されるとどこが恩恵を受けるのかというと,まぁ京都府南部の人はもちろん恩恵を受けて,奈良市および奈良県北部も恩恵を受けるのだが,北陸新幹線沿線で恩恵を受けるのは小浜〜敦賀あたり.福井市あたりになると乗り換え無しの北回りで東京まで行くのと”奈良市付近”経由が時間的には同程度になり始め,さらに東ではリニア開業後でも北回り有利.
それからまだ見込は立っていないが,山陰新幹線が京都市北方で分岐し,北陸新幹線の「南ルート」経由で大阪まで乗り入れるようになると山陰の各地から東京までの最速ルートは山陰新幹線+リニアを”奈良市付近”で乗り継ぐのが最速ルートになるはず.
例えば鳥取から東京までは,現状では姫路乗換で5時間弱かかっているが,山陰新幹線とリニアを”奈良市付近”で乗り継ぐと約3時間ほどになるはず.(新大阪乗り継ぎと時間変わらず,料金はこちらの方が安いはず)
「北陸新幹線が日本海側と太平洋側を連絡する重要路線であることも考慮し」の意味は実はこの辺にあったりするんだが,国土交通省やJR各社を含めて理解している人は少なそう.国土のグランドデザイン,とはいうものの,鉄道のグランドデザインできる人は日本(東京)にいるのかねぇ?
このお話.
バスと電車を混ぜ合わせたような道路を走る乗り物を想像してほしい。とはいえ、以前ご紹介した中国の道路をまたぐ奇妙な乗り物ではない。ボルボがブラジルのリオデジャネイロで開催された展示会「FetransRio」で、非常に大きな連結型バスを発表したのだ。この新型バス「Gran Artic 300」は、2ヶ所の連結部
情報源: ボルボ、全長30メートルもある世界最大のバスをブラジルで発表 – Autoblog 日本版
ついに全長30メートルものバスが出てきたわけで,これは「BRT」用らしい.ところが日本ではこのバスを導入することができない.
もちろん,道路交通法上の問題がまず最初に立ちはだかるわけだが,それが解決しても日本のバスの運賃収受システムでは,前乗りだろうが後乗りだろうが特定の1箇所の出入り口を通過させる方式なので,バスの全長が長くなれば長くなるほど,客数が多くなれば多くなるほど乗降時間が長くなる.
つまりこのバスは「信用乗車方式」前提のバスである.
300人もの乗客が終着の電車の乗換駅などで一斉に降りようとしたらどうなるだろう.学校前のバス停で一斉におりようとしたらどうなるだろう.
一人1秒ずつでも300秒,つまり5分かかる.3秒ずつなら900秒≒15分.誰かがチンジャラ両替なんぞ始めようものなら全員降車するのに20-30分かかるという笑えない状態になる.
そろそろ気付きましょう.国土交通省の言っている「BRT」と世界標準概念の「BRT」は別物です.連節バスを導入してバスを長くすればBRTになるわけではありませんよね.