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これが出たときは画期的だった

40年近く前,これが登場した時は画期的だった.

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京阪や阪急の特急に引けをとらない車内.新大阪駅すら停まらないという特別待遇の列車.

…が,悲しいかな国鉄末期に近い時期であり,度重なるストや横柄な職員に嫌気がさしている人が多かった時期だったため,実際に乗ってみると話題になっていた割には客が少なかった記憶がある.

時は流れて平成20年代後半.今やローカル線に追いやられ,緑色に塗りたくられ,哀れですらある.さすがに,そろそろお別れが近いかもしれない.

(子どもの頃から経験的に,紀勢線では「さよなら運転」が多い気がする)

独走態勢

ちょっと前に乗った新庄発の山形新幹線.つばさ○○○号の○○○部分の数字が他の列車とちょっと違うなぁと思っていたが,特に違和感も無く乗車.

指定席がとれなかったので,自由席に乗っていたんだが,福島を過ぎると立ち客まで出る状況.お客が多いんだなぁ,などと感じていたが,やはり特に違和感も無く終点の東京駅で降車.

そしてちょっと西方に歩いて行くと…

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…通常は福島で併結されているはずの相棒が居ない.全区間独走態勢だったわけね.そう言えば,福島駅での連結作業がやけにあっさりしていたなぁ,自由席が混んでいたのは相棒分の自由席客もこっちに来ていたからか,などとと思い返してみたりして.

ドア位置が変わらないように,東北新幹線上の各駅ではホームの端っこの方に停車していたわけやね.

特に珍しいと言うほどでもないが,初めて遭遇したので書いてみただけ.

青函に200km/h貨物新幹線検討

最近の記事.「青函トンネル貨物列車問題」に対して,コンテナ貨物電車を青函間に運転し,トンネルの前後でコンテナを積み替えるというお話.

情報源: 青函に時速200キロ「貨物新幹線」検討 新幹線は東京へ最速3時間台 | どうしんウェブ/電子版(経済)

たぶん,みんな考えてると思うけど…

そのまま東北新幹線走って 首都圏とか,北陸新幹線使って 大阪とかまで走っちゃえよ.

碓氷峠がきついって? 後押し機関車付ければいいじゃん.

碓氷峠は,重たい200系新幹線でもゆっくりなら登れた実績があるので,後押し機関車ナシでも行けるかも.

まじめにコメントすると,整備新幹線のインフラはP荷重にしか対応してない高架橋もあるから5トンコンテナを積んだ本格的な重量級貨物列車は無理かな.P荷重に適合するような構造,つまり現行の新幹線のボディーに航空コンテナを積み込んで荷重が旅客列車と同等程度に収まるなら,新幹線貨物列車もあり得そう.郵便TGVみたいな奴ね.

#八戸駅北方の高架橋はN荷重にも対応している模様.P荷重だけってどこだったけなぁ.

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#金沢駅は旅客列車想定っぽいなぁ.

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どの程度まで耐えられるかは,構造力学の演習レベルでラフ検討できそうだが,いかんせん20年以上計算したことないので,何とも.

特急いなほ号の事故からもうすぐ10年

羽越本線の特急に乗って新潟から2時間ほどすると,庄内平野に入る.遮る物が何もない.

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余目駅を出てしばらく走ると最上川を渡る.その手前には慰霊施設がある.
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特急いなほ号が酒田方面から南下してきて,鉄橋を渡りきったところで突風にあおられて脱線し,お亡くなりになる方が出た.今から10年ほど前のことである.

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現在は最上川の鉄橋には暴風柵が取り付けられており,幾ばくかの対策が成されているようである.

さらに遡ること,今から約40年前には酒田で大きな火事もあった.この地域特有の冬季の強い風が関係しているようだ.

 

フランス高速鉄道TGV脱線

TGVが脱線したみたいなんだが…

 ドイツとの国境に近いフランス東部ストラスブールの近郊で14日、試験走行中の高速鉄道TGVの車両が脱線し、少なくとも10人が死亡、37人が負傷した。AFP通信などが報じた。 技術者ら49人が乗車し、時…

情報源: フランス高速鉄道TGV脱線、10人死亡 試験走行中:朝日新聞デジタル

他の写真などでは複線の上下線間が開いているようなので,LGVと在来線の合流点付近のようだ.水路をまたいでいるので,ここかな.

情報源: 48°4124.8″N 7°4219.2″E – Google マップ

Metz方面からきたLGVの終点で,比較的急曲線で在来線と合流するあたりのようであり,地図上で見る限り半径800-1000mくらいの曲線のようである.標準軌なので,制限速度としては120〜150キロくらいだろうか.

高速新線を試運転して,そのまま減速せずに突っ込んだ感じだろうな.高速道路を快走していて,いきなり巨大な「終点」の看板が出てきたような感じか.

まだ営業していない新線のようなので,保安装置がまだ機能していなかったのかもしれない.TGVは新線が開通するのにあわせて高速走行実験をすることがあるので,そういった試験の最中の事故だったのかもしれない.

高速線と在来線の境目での事故という点では2013年のスペインのAVEの事故と似ている.また,直線を高速で走行した直後に急カーブが配置されていて脱線した,という点では福知山線の事故とも共通性がある.

高速鉄道では目視で危険を察知しても危険回避が間に合わないらしいので,保安装置は大事だということだね.

在来線特急の半室グリーン車

客数の少ない在来線特急には,先頭車両を半分グリーン車にして残りを普通車にしたものがある.

グリーン車は通路を通り抜ける客が少ないようにと,わざわざ先頭車両に設けていることが多いと思われるのだが,半室グリーン車はその先頭車のそのまた先頭側に設けられている.

そうすると,確かに通り抜ける客は皆無になるのだが,客席がちょうど台車の真上になり,揺れは大きく,ガタンゴトンという床下からの音も大きく,どうも落ち着かない.進行方向の先頭側だと,気密の悪い場合にはトンネルに入るたびにドンドコうるさくて耳に違和感を覚える場合もある.

それに比べて,後部の普通室はずいぶん静かである.それもそのはず,後ろ側の台車の真上は出入り口やトイレになっており,揺れの少なくて静かな部分が普通車の客席になっている.揺れの大きくてうるさい部分がグリーン車になってしまっている.

車両のデザイナーは,もう少しこの辺考えた方がいいかも(たぶん,二度と高い金払ってグリーン車には乗らないと心に誓っている人は多いはず).

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やっぱりさようならゲロしお君

あれは37年前,1978年の秋であった.それまでのディーゼル特急と比べるとピカピカの車体.何と言ってもサイドラインが美しかった.屋根にはパンタグラフ以外ほとんど何も無く,ボディそのものも屋根がやや低くて細身.新幹線を除くともっとも編成美がすばらしい列車ではなかったろうか.特に登場時の塗装がベストだった.…が,寄る年波には勝てず,いよいよ本当に終わりらしい.

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天王寺駅にて

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御坊駅にて

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和歌山駅にて

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和歌山駅にて

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パノラマグリーン車

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同上

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阪和線長居駅付近

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新宮駅にて

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海南駅にて

予想通り,代役は北陸線からやってくるようである.

Web鉄道記事の精度(東洋経済編-3)

精度の悪い記事のチェックはつづく.

情報源: 注目浴びる「路面電車」、実は非効率だった! | 鉄道最前線 | 東洋経済オンライン

4ページ目.次いで,営業に関する話が続く.

儲かっている限り、路面電車は安泰

もうかっているから今の路面電車が残っているのかというと,そうではない.比較的大きな都市で残っていることろは,地下鉄を作るだけの財力がなかったから残ったわけであり,そうじゃないところは路面電車の都市の装置としての価値が認められているから残っているのである.大もうけ出来るから路面電車が残っているわけではない.ついでに書くと,地下鉄やモノレールも,もうかるから建設されているわけではない.

新交通システムやモノレールでは営業利益を得られないとか、建設費を償却できないと見込まれたところが路面電車として存続を許されたのだと言える。

違うんだけど…もうちょっと勉強してね.上記参照.

5ページ目.営業に関する話は続く.

トロリーバスは3336人、…路面電車の旅客輸送密度が3000人を割り込むようであれば、バスに置き換えてもよいという厳しい局面を迎える。

なぜか,トロリーバス.アルペンルートしか日本にはないんだが.動力源が代わると何か変わるとでも思ってるんだろうか??? ジャーナリストなら,もうちょっと都市交通の基礎勉強した方がいいと思う.

続いて,電力消費の話が続く.

 

…にもかかわらず、路面電車はさらによくないのだから深刻な状況とも言える。全線が新設軌道の東京急行電鉄世田谷線では41・2キロワット時と好調であるため、繰り返しとなって恐縮ながら、このような状況を打破するには道路上を走らないようにするほかないのであろう。

「路面電車」が電力消費的に不利なのは,優先信号が実質的に機能していない,駅間が極端に短い,車両が古い,あたりが原因である.礼賛している世田谷線は駅間が路面電車の倍ほどあり,車両は何年か前に全部新型に取り替えている.

欧米のLRTは道路空間の一部を走りながら,この辺の問題はクリアしてますけど…

それから,エネルギーの議論をする際には,自動車との比較が不可欠であり,地下鉄や郊外電車,あるいはバスでは自家用車から客を奪えなかったので「LRT」が注目されてるんですけどね.その「LRT」を基軸に都市交通システムを作り替えて,エネルギー消費の多いライフスタイルそのものを転換しようとしているんですが,電力消費しか見てないのね.(電力需給が気になる東京にいる人の思考過程?)

ちなみに,「路面電車」とバスとでは,エネルギー効率は2−3倍違う.

路面電車は新交通システムとバスとの間に収まる輸送規模に適した交通機関であるというと聞こえはよいものの、バスの輸送力が向上したり、少量の輸送人員でも採算ラインに乗る新交通システムが開発されたりすると、路面電車の存続は難しい。新たなLRTがなかなか現れない事情もどうやらこのあたりにあるようだ。

「鉄道ジャーナリスト」なら,軌道を含む鉄道がどのような機能を都市や地域の中で発揮しているかまで考えて記事を書くべきであり,こういった記事しか書けないのは浅薄な表面の数字しか見ずに記事を書く「経済ジャーナリスト」と何も変わらない.

最後に,「路面電車」の性能が低いことを騒ぎ立てて,別物の交通機関に近い「LRT」にどうして暗雲が立ちこめるんだい? このジャーナリストは「都市交通」「地域経済」「都市環境」「地域経営」とか,そういった勉強もした方がいいと思う.専業なんだよね?

Web鉄道記事の精度(東洋経済編-2)

精度の悪い記事のチェックはつづく.

情報源: 注目浴びる「路面電車」、実は非効率だった! | 鉄道最前線 | 東洋経済オンライン

2ページ目.「路面電車」が遅い原因についての説明が続く.

最高時速はわずか40キロ

まぁ,正しいんだけど,最高速度が遅いからAGT等より遅いわけではないのでね. AGTやモノレールはせいぜい50km/hなんだけどね.「路面電車」が遅いのは平均駅間距離が300m程度と短く,AGTやモノレール(あるいは地下鉄)が約1km間隔なのに比べて「最高速度」で走る距離が短いんだよね.その反省もあって,「LRT」は平均駅間を「路面電車」の倍程度に設定してるんだが,この「鉄道ジャーナリスト」は知らないんだろうな.

特に広島電鉄の時速8.8キロメートルなど、自転車が瞬間的に出す速度よりも遅く、渋滞に巻き込まれればさらに表定速度は下がるであろう。

広島は渋滞に巻き込まれないように,軌道敷内への乗り入れを厳しくしている都市で有名なんだけど…

3ページ目.さらに「路面電車」が遅い原因についての説明が続く.

スピードアップのためには列車が近づくと信号が青に変わるような方策が考えられるものの、他の交通との兼ね合いから完全には実施できない。

海外の「LRT」ではやってますが.自動車社会の権化である米国ですら,日本のPTPSより強力な優先信号が導入されているのを見たことがありますけど.

結局のところ、道路上を走らないようにすれば解決するのだ。

「LRT」がバリアフリーの観点で注目され,成功してるということを知らないんだろうな.地下や高架にしたり,繁華街から離れたところを走らせると,歩行者の利便が大きく損なわれるんだけど.東急世田谷線を褒めているが,あれと同じものを新規に整備しようとすると警察から「踏切の新設はまかり成らん」とか「高架か地下にしろ」になっちゃうんだけど.

事故1件当たりの列車キロは路面電車が33万2847キロメートルに対し、新交通システム、モノレールでは事故そのものが起きていない。さらには、JR旅客会社や大手民鉄、地下鉄と比べても事故が起きる頻度は高いと言える。

比べるなら,バスや自家用車と比べるべきじゃないかな?

路面電車の事故で最も多いのは、道路上の車両や歩行者と衝突または接触する道路障害事故だ。事故全体の77.7パーセントを占める56件が発生しており、解決策としてはやはり道路上を走らないようにするほかない。

地下鉄か高架にしろってか? それができないから「LRT」という話になってるんだが.道路障害事故の多くは自動車による進路妨害に起因するもの(路面電車は第2当事者)ではないでしょうかね.欧州では中心市街にそもそも自動車を近づけないような工夫がされていることが多いんだけどね.

鉄道ジャーナリストは,中心市街の路面は自動車に譲るべきだと考えているんだろうか.恐ろしいネガキャンだな.

(つづく)