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和歌山市内のマンション

11/19の昼前,大阪府下の自宅にいると,ゆらゆらゆら.長い.段々揺れが大きくなってくる.ヤバイ.ついに来たか!

即座にネットで確認すると和歌山南部が震源でM5.4で震度は4程度.「それ」ではなかった.

ところで,以下の写真は和歌山市内のとあるマンションであるが,ピロティ形式の1階の柱にゴム製の免震装置が入るとともに,巨大なダンパーがくっついていることが分かる.

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そう言えば,新幹線だとかの橋脚には鉄板が巻かれるようになり,耐震性は向上してきているのかもしれない.…が,まだ免震橋脚とか制震橋脚とかそういうのは無いんだなぁ,とふと思った.

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#道路用はある模様.

「小浜-京都トンネル」について

北陸新幹線のルート別の試算結果が示されたが,ちょっと気になる点がある.

どこをどう通るのか,詳細はまだこれから決めるのであろうが,例えば小浜-京都ルートでは小浜を出ると京都までの約60km弱にわたって,ほぼ完全にトンネルであろう.

整備新幹線は260km/h運転とか何とかどこかに書いてあったかと思うが,その主な背景は騒音問題であったかと思う.だとすると,この約60kmほどの区間を律儀に260km/h運転することに何の意味があるんだろうか?

(そういう電車を準備しなければならないが)もっと高速運転すれば所要時間が短くなってB/Cの値が変わってくるんじゃないの? などと考えてしまう.場合によっては2割くらい変わるかも.

2兆円も投入するなら,もっとスピードアップしようぜ!

続・B/C=1.1について

北陸新幹線のルート別の試算結果が国交省から公表され,いろいろと議論になっているが,交通ネットワークのB/C評価というのは実は少々厄介である.

先日述べたように,既に並行して高機能な路線があったりすると,B/Cで議論すると必要なところに必要な路線整備ができなくなってしまったりするが,このほかにも,本当はプロジェクト全体で評価しなければならないものを,部分部分評価してしまったりしてしまったがために必要とされる全体が完成しなかったりといったことが起こりかねない.

北陸新幹線について言えば,北陸新幹線は北陸地方と近畿,北陸地方と首都圏をそれぞれ結ぶことが主目的であるので,評価すべきは着工する部分部分ではなくて,今回の議論ではほんとは次のような評価が必要なはずである.

まず,今回の「敦賀以西」は北陸と近畿を結ぶ区間なので,評価すべき対象プロジェクトは北陸と近畿を結ぶ路線全体である.したがって,評価対象は以下の各プロジェクトのはずであった.

  1. ほんとの米原ルート:北陸3県〜敦賀〜米原(〜大阪)
  2. ほんとの湖西ルート:北陸3県〜敦賀〜京都(〜大阪)
  3. ほんとの小浜京都ルート:北陸3県〜敦賀〜小浜〜京都〜大阪
  4. ほんとの小浜ルート:北陸3県〜敦賀〜小浜〜大阪
  5. ほんとの舞鶴ルート:北陸3県〜敦賀〜小浜〜舞鶴〜京都〜大阪

これらは,ルート全体の投資額と効果を比較すべきであって,着工区間だけのBやCの議論はあまり適切ではなかったように思われる.

これらの比較の中において,本来の目的である北陸地方と近畿を短時間で結べるか,投資額に見合った(かつ,目的に沿った)効果が見込めるか,運営上の問題が生じないかを検討すべきであったが,なんだか議論が矮小化されてしまっているのが悲しいところ.

#はるか向こうの山頂を目指すには,どうするのがいいだろうか? その場その場での坂道の上を目指せば山頂にたどり着けるだろうか? 答えは「否」である.近場の丘の頂にたどり着くだけかもしれない.わかるかなぁ?

 

FGT前提計画は未開発技術採用

かつて東海道新幹線が建設されたとき,一応,未開発の技術ではなく当時使用実績のあった技術を集めて開業に至った.

その後の整備新幹線は言わずもがな.

スーパー特急方式は,狭軌200キロ運転は実績がないが,160キロ運転程度なら試験列車の実績があった.

ミニ新幹線は,車両だけ狭軌広軌両用で,(細々とした部分はともかく)特に新規の技術はなかった.

リニア新幹線も技術開発が一定水準に達したことを確認してから建設することになった.

ところがFGTはというと,技術開発が現在進行形である.にもかかわらず,まだ完成していない技術を九州新幹線長崎ルートで使うことが予定されている.まるで実験線だね.一時期,北陸新幹線の敦賀以西でも使用が想定されていた.

なんか違和感あるなぁ.まだ実用になるのかどうか分からないので,FGT採用を前提とした路線計画は,技術開発が要求水準に達したことを確認してからあらためて立案した方がいいかも.

つまり現時点で路線計画をたてるのなら,これまでの例に倣うと,FGTの使用を前提とせずに計画した方が適切かも.などと思う今日この頃.

新幹線なのに牛歩戦術?

北陸新幹線のルート案の試算結果をよく見ると,小さな字でこう書かれていることに気がつく.

「平成43年度着工を想定」

ん? 平成43年は今から15年後なので,2031年だよね.敦賀開業後速やかに着工するんじゃなくて,10年もそのまま何もしないの? 工期15年だと開業は2046年だよね.

たぶん,積極的な資金確保をしない前提で書いてあると思うが,リニアの時と同じく,「開業する頃には,もう死んどるわ!」という反応が返ってきそう.

それとも,開発再開した例の車両の完成を密かに待って,「もうこれでええやん」と言ってしまおうという「牛歩戦術」か?

B/C=1.1について

北陸新幹線のルート別の試算結果が国交省から公表されたが,特急列車が毎時2本,最大12両編成で運転されているにもかかわらず,意外とB/Cが小さいなと思った方も多いと思う.

この原因は湖西線にある.関西と北陸を結ぶルートとして1970年代に建設された北陸線は,新幹線ではないものの距離の短縮と在来線での高速運転を目指した路線であり,かなり高規格だ.

大都市圏の市街地の工事が入る分,B/CのCが大きいことも原因だが,Bの方にもいろいろ課題がある.

B/CのB,つまり便益を計算する際,プロジェクトが実施された場合の基準になるのはあくまで現況であって,出来上がった後の水準ではない.というわけで,現況の水準が高ければ高いほどB/CのBは小さく出るという,なんとも皮肉な指標である.がんばってこまめに整備すればするほど,いいプロジェクトを実施してもらいにくくなるという指標だ.

B/Cは1を上回ることは必要と言えばそうだが,B/Cが最大にものを選びさえすれば望ましい結果が実現できるかどうかは分からない.

プロジェクト評価の方法として,いきなりB/Cを出す方法はそろそろ止めて,まずは旅客の流動に見合った望ましい水準を示し,それを実現するプロジェクトのB/Cが1を上回るかどうかを示すという方法がいいのかもしれない.

#その後も相変わらずネット上にはB/Cの正しい解釈をできる人が少なそうで,これが世間の縮図なのかなと感じてしまう.B/Cが小さいことが需要が小さいことを表しているわけでは無く,またB/Cが小さいからといって採算が悪いわけでも無いということに注意.(11/20追記)

FGT年内にも試験再開へ

 国土交通省は、九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)に投入する新型車両フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の耐久走行試験を、年内にも再開する方向で調整に入った。車輪の間の幅を変え、レールの幅が広…

情報源: フリーゲージトレイン、年内にも試験再開へ 長崎新幹線:朝日新聞デジタル

…という話があるようだ.

  • 台車が重いので軌道強化した在来線でないと走れない
    • 新幹線化してほしいと思っている基本計画線のような区間では,つらいケースが多い
  • 特に曲線が苦手
    • 新幹線化してほしいと思っている基本計画線のような区間では,曲線が多いので速度がかえって低下する
  • 新幹線線路上では整備新幹線区間なら走れるが,300キロ運転はできない
    • 新幹線化してほしいと思っている基本計画線のような路線では,ぜひとも東海道山陽新幹線や東北新幹線などに乗り入れたいと思っていることが多いが,走ると他の列車の邪魔になる

といった課題があり,主要在来幹線を新幹線化(つまり昔からの整備新幹線の建設)する際に暫定的に一部区間について在来線を走らせるような用途か,あるいは,ごく短区間の支線に乗り入れさせるような用途でないと使いづらそう.

本当に問題なく走らせられるのなら佐賀県下の長崎本線に使うというのは一つの方法だが,もう開発始めてから20年以上経過してるよねぇ.

九州新幹線(長崎)ただいま建設中(長崎駅編)

九州新幹線の長崎ルート,ただいま建設中のはずである.続いて長崎駅付近を見てみた.

まず目に付くのは,この工事.

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浦上駅手前から長崎駅あたりにかけて,長崎本線に沿って細長い更地が続く.だが,これは新幹線工事ではなくて新幹線の工事に合わせて在来線の立体交差事業をしようとしている工事であって,直接的には新幹線とは関係がない.

 

新幹線そのものは長崎の中心市街を横切る距離は短く,この写真を左から右に横切ってそのまま新しい長崎駅に到達して終点のはず.

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左方はすぐに山になっておりトンネル,右はというと…

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何やら工事をしている.さらに近づくと「新幹線」の文字がある.新幹線工事だ.

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まだ橋脚を作り始めたばかりの模様.

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さて,この工事をしているのは何の敷地かというと,…バスの営業所のようだ.

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そして,その向こうは現在の長崎駅の北側にある広大な未利用地であり,ここに新しい駅ができて新幹線と高架化された長崎本線が乗り入れる.

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ここが長崎駅予定地.開業は2022年の予定である.

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九州新幹線(長崎)ただいま建設中(諫早駅編)

長崎の諫早駅.九州新幹線ただいま工事中である.元の駅舎はもはやなく,仮駅で営業中.

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ただし,まだ新幹線本体の工事ではなくて,その準備工事の模様.島原鉄道を含め,在来線を順に配線を整理しながら東に移設している模様.

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移設して西側を空けて,高架駅を造るのかと思いきや,この駅は新幹線には珍しく,地平駅の模様.おまけにこの駅の長崎方には半径700mの急曲線が入る模様.

全列車停車前提の割り切った仕様か?

この右側に写っているホームのさらに向こうあたりが新幹線ホーム?

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駅北側の跨線橋から.左から順に島鉄,在来線4線,新幹線2線の順に並ぶはず.

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白いカモメと黒いカモメ

博多から長崎に行くときに乗るのが特急「かもめ」.白い電車なので「白いカモメ」と言う人もいるのかな.

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博多-長崎間,約1時間55分.長崎が近づくと曲線が多くなるので,曲線での速度が出せるよう,特殊な装置つきである.

さて,ホームの反対側には「黒いカモメ」が出発を待っている.

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んんん〜,君は「黒いカモメ」? 「黒いツバメ」じゃないの?

博多-長崎間,約2時間8分.長崎が近づくと曲線が多くなるが,直線が多い鹿児島本線用に当初投入された電車なので,曲線ではゆっくり走る.遅いわけだ.

普段なら「白いカモメ」と「黒いカモメ」なら前者に軍配が上がるところであるが,九州新幹線の長崎ルートの工事が本格化しつつあり,数年すると曲線の多い区間は新幹線がトンネルでズドンと抜けてしまうようになる.

つまり,こういう風景を見ながら長崎に向かうのも,あと数年.ゆっくりと「黒いカモメ」で今のうちに車窓を楽しんでおくというのも一興である.

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