単線路線でのすれ違いの様子をビデオで見てみよう.
部分的な複線化工事中の時期の宇野線(岡山→茶屋町)である.等速だと長いので,8倍速にしてある.後ろ向きで撮影.
途中で二度列車とすれ違う,後の方の列車は駅でのすれ違いだが,最初の列車は部分的な複線区間での走りながらのすれ違いである.
つまり,適切な長さの複線区間を作っておけば,そこですれ違うダイヤを組むことができるというわけである.
じゃぁ,新幹線が走りながらすれ違うには,どの程度の長さの複線区間があれば「適切な長さ」かな… (つづく)
単線路線でのすれ違いの様子をビデオで見てみよう.
部分的な複線化工事中の時期の宇野線(岡山→茶屋町)である.等速だと長いので,8倍速にしてある.後ろ向きで撮影.
途中で二度列車とすれ違う,後の方の列車は駅でのすれ違いだが,最初の列車は部分的な複線区間での走りながらのすれ違いである.
つまり,適切な長さの複線区間を作っておけば,そこですれ違うダイヤを組むことができるというわけである.
じゃぁ,新幹線が走りながらすれ違うには,どの程度の長さの複線区間があれば「適切な長さ」かな… (つづく)
また揉めてます.
北陸新幹線の福井県・敦賀-大阪の延伸ルートをめぐり、滋賀県が公表した独自の試算結果が波紋を広げている。試算では候補としてあがっている3ルートのうち、滋賀県が推す…
情報源: 【関西の議論】「一方的な主張だ!」滋賀県の独自試算に京都府抗議メール…北陸新幹線延伸ルート大もめ、過熱する自治体間の綱引き
どこかが何かの試算をすると,誰かが噛みついたりするということが繰り返されているが,どの試算を見ても「変だな」と思う結果自体はほとんど無くて,概ね妥当な結果に見える.数字はね.
じゃぁ,その試算結果のうち,数字のもっとも良いものが最適実行可能解かというとそうじゃないのが悩ましいところ.
プレイヤーが多数いる場合,全員がベストの結果を享受できるような解はまず無い.誰かが「親(胴元)」になって,ベストではない結果を甘受しなければならないプレイヤーに対して「補填」や「補償」をすることを前提に調整すれば,とりあえず一定の結論に帰着はできる.
だが,だれも親や胴元になる気も無く,我こそはベストの果実を頬張るべきだと言っている限りは,自然ととある結論にたどり着く,というのは難しそう.
まぁ,本来なら調整役は国なんだけど,機能してないよね.日本の鉄道政策.
鉄道ルート問題は北陸新幹線だけに限らず,高速鉄道一般ですね.プレイヤーは府県だけではなくて,国や鉄道会社も含みます.鉄道会社も自らがガリバーだということの自覚が無いケースが多そう.
#噛みつかずに傍観するだけ,という選択肢もある模様.
新幹線というと,基本的には東海道新幹線に見られるようにほぼ3分間隔で運転できる能力がある.本数で言うと,毎時20本.ただし,各駅停車型と速達型が混在していたり,終着駅近傍では回送列車が走っていたりするので営業用に使えるのは毎時15本程度までである.
近年開業した整備新幹線については,変電所が小さな容量であったり,駅の待避設備が簡略化されていたりする関係で東海道新幹線のような高頻度運転は即座にはできない.
しかし,複線で新幹線用のデジタルATCを完備しているという点では東海道新幹線と同様であり,適切な設備投資をすれば抜本的に作り替えなくても高頻度運転ができるわけだ.つまり,基本的には高級インフラが整備されているわけである.
じゃぁ,実際にその能力のどの程度を使っているのか見てみよう.
…ということで,本数が多い区間もあるが,末端区間になると毎時1-2本程度処理できればOKというレベルだ.
じゃぁ,これから新幹線化されることが望まれている区間について見てみよう.例えば,であるが…
…ということで,やはり毎時1-2本程度処理できればOKというレベルだ.
つまり,高速運転できさえすれば毎時15-20本も処理できる能力は必要では無いということだ.
こう書くと,地方部に新幹線は不要などという短絡的な議論に陥りがちであるが,要は本数は必要ではないが高速性は必要と言うことなのである.そういうインフラ整備手法がまだ開発されていないということだ.
えっ? 飛行機で十分だって? 飛行機で隣県に行けるかい?
えっ? 高速道路でいいだろって? 高速道路が本当に「高速」だと思ってるの?
国会まで出てしまったので,基本的な解説はしておく必要があろうかと思うので,例の国会質疑の背景の続きである.
質問に「単線で新幹線…」という話が含まれていたので,今回は高速鉄道の単線運用の話である.
高速鉄道で単線というとなんだかとんでもない話に思えるが,既に日本でも160km/h運転の単線運用は存在した.過去形なのは,並行して新幹線が整備されてしまったので,高速運転する特急が新幹線化されてしまったからである.
そう,ほくほく線である.ほくほく線では単線で新幹線の一歩手前である160km/h運転していただけでなく,トンネル内に無人の信号所を設けてすれ違いまでやっていた.ということなので,適切な設備があればとんでもない話というわけではない.
高速鉄道での適切な設備というと,キモは保安装置であるATCだ.ATCは単線運用できるのか,というと,日本国内のものは(確か初期の山陽新幹線用のものを除いて)単線運用できない.初期の山陽新幹線用のATCは確か夜行便の運転を考慮して限定された機能であったが単線運用が考慮されていたかと思う.
じゃぁ,国外のものはと言うと,台湾に売ったシステムのATCが単線運用できるものであり,日本国内の信号メーカーや運行管理システムメーカー等のwebサイトにその旨が記されている.
つまり,基本的な要素技術は日本にも存在している.使っていないだけ.
海外では線路が2本あっても単線の線路×2というのが基本であり,ICEやTGVもそういう路線を高速運転している.高速新線を走るICEやTGVが徐行(たぶん160-200km/h)したかと思うと,隣の線路に転線し,しばらく走ると元の線路上で線路のメンテナンスをしていたり故障した列車が立ち往生していたり,はたまた走行中の別の列車を走りながら抜いたり,という光景は何度かお目にかかっている.はっきり言って,右側通行か左側通行なのか判然としないくらい自由自在に左右を行ったり来たりすることはさほど珍しくない.
#今までに見たことのある双単線運用の例としては…
昨日の記事で取り上げた国会の質問中,「暫定整備で単線の新幹線を…」と言う旨の発言があったかと思うが,こういうことである.
現在,新幹線を整備する際に,フル規格高速新線を即座に整備しにくい場合には,ミニ新幹線やスーパー特急方式と言った「暫定整備計画」という手法が採用できることになっている.
ところが,この暫定整備計画は残念ながら欠陥だらけであり,はっきり言って役に立たない.
もちろん,フル規格新線の途中にごく短区間だけミニ新幹線区間がはさまるとか,フル規格新幹線から短い枝線を分岐させるとか,そういったものならば許せるのだが,距離が長くなるとその欠点が顕在化する.
ざっと整理すると,各手法には赤字で示した箇所のような欠点がある.
例え暫定であっても,なるべくフル規格新幹線に近いようなサービスレベルが確保できることが望まれるのだが,そういった手法が現時点では未開発なのだ.
この表の「本当のニーズ」を単線システムで実現できないだろうか,というのが国会での質問の背景であろう.
整備手法の課題と本当のニーズ
フル規格 |
ミニ新幹線 |
スーパー |
本当の |
|
概要 |
複線の |
軌間を |
軌間以外は |
??? |
速度 |
260km/h |
120km/h |
140〜 |
260km/h 以上 |
片道 |
15本/時 |
1〜2本/時 |
複線区間は |
2本/時 |
費用 |
50〜100 |
数億円/km |
50〜100 億円/km |
なるべく安く |
信頼 |
ほとんど |
普通列車・踏切 |
普通列車 |
ほとんど 遅れない |
車両 |
新幹線(大型) |
新幹線(小型) |
在来線特急 |
「高速」新幹線 |
直通 |
新幹線 |
新幹線 |
在来線 |
新幹線 直通 |
駅 |
新規 |
既存 |
新規/既存 |
どちらでも |
その他 |
費用の問題 |
建設期間短い |
新車開発して |
未開発 手法 |
※ ”背景であろう” って書いてみたが,暫定整備計画の欠点を指摘してるのはどうやら私以外いなさそう.
【祝】10/14は鉄道の日!
こういう記事がある.
安倍晋三首相は13日の参院予算委員会で、自民党の西田昌司氏(京都府選出)が大阪市から山陰地方を経由して山口県下関市を結ぶ「山陰新幹線」の実現を求めたのに対し、「…
情報源: 安倍晋三首相「山陰新幹線より先に在来線複線化を」 自民・西田昌司氏の実現要望に
元ネタの国会中継を見るには,こちらから,10月13日の予算委員会を選ぶと見られる.
国会の質疑で「とりあえず新幹線のこと質問しときました」的なのは結構多いが,これは久々に聞いてみる価値あり.新聞の記事は,記者の主観が入っていて何やら否定的なイメージを受けがちだが,昨今は情報ソースへのアクセスがしやすいので,「百聞は一見に如かず」ならぬ「百見は一聞に如かず」である.
(東京にいる人が記事を書くとこういうタイトルとまとめ方になりがち)
細かい点はいろいろ突っ込みたいことがたくさんあるものの,新幹線のような高速鉄道整備はたいへん大事だという主張は傾聴に値するんじゃないだろうか.
なお,総理は「壮大な構想…」とおっしゃっているが,今の日本には公式なまともな長期計画も構想も無いのが実状.昔の人の方が構想力があったと言うことやね.
それから,「山陰新幹線より先に在来線複線化を…」という点に関しては,在来線複線化は結構費用がかかる割には劇的に速くなるわけではないので,結局のところ高速新線をなるべくローコストで整備する方法を模索するのがいいのではないかと思う.
#「新幹線の予算はわずか750億円」というフレーズが出てきていたが,ここは次回からは「新幹線の予算はわずか750億円,国家予算の750ppm」と付け足していただくと,インパクト大.
快速電車も停まらない阪和線の小さな駅である和泉橋本.ホームも線路も2本だけ.
たいていの場合は,こういう駅は単に線路上にホームが置かれただけの停留所のことが多く,快速電車が停まるような駅でもそういうことがある.
ところが,この駅の信号機は常時「赤」で,列車がやってくるときだけ「青」になる.
んんんん?
んんんん? 信号機の横に「出発」と書いてある.
どうやらこの駅は,単に線路上にホームが置かれただけの停留所じゃなくて,列車を出発させるかどうかの判断のできるちゃんとした駅のようだ(実際には列車の管制所の遠隔操作だろうけれども).
どうしてこの小駅が他の駅に比べて高度な機能を持っているのかはよくわからない.歴史的な経緯があるのかな?
JR学研都市線の電車は全て7両編成である.ところが,長尾駅のホームにはこういう目印がある.
4用編成の電車が折り返す場合の停止位置の目印のようだ.
一時期(10分サイクル運転から15分サイクル運転に変更になった直後),京橋-四条畷駅間の区間運転便が4両編成だったことがある.しかし,すぐに止めてしまった(単純にその区間便を廃止する形で).
以後,かなり時間が経っており,こんな目印は不要のはずなのだが,しかも,このホーム,割と最近改装したのだが,目印は取り外されること無く健在である.
もしかして,だけれども,昼間の電車などを中心に7両編成から4両編成に短縮して運転するための準備か?
昼間の毎時8本(快速4本+普通4本)をバッサリ毎時4本まで減らした実績があるので,あながち的外れな勘ぐりではないかも.
(もしそうなら)後ろ向きの対策ばっかりだなぁ.