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リニア延伸前倒し「体力や資金力は無い」

 新大阪まで最速2037年に延伸するリニア中央新幹線について、JR東海の柘植(つげ)康英社長は8日、「品川―名古屋間と並行して大阪の工事をやる体力や資金力は無い」と述べ、さらなる前倒しは難しいとの考えを改めて示した。在阪の報道各社などでつくる関西プレスクラブの定例会で講演した。

情報源: リニア延伸前倒し「体力や資金力は無い」 JR東海社長:朝日新聞デジタル

…うーん,,,,,,,こっちもアレだなぁ.

さすがに厳しいと思ったので,ほぼ同時開業できるように3兆円投入してもらったんだけど,このままだと単に資金の余裕ができてほくほくになるだけじゃん.

(資金準備は必要だが)用地買収は自前でなくとも(現工事区間でもそうだが)並行して自治体等にしてもらえるし,さほど難工事区間は無いので,トンネル等の工期が長引く箇所については先行して外注発注すればいいだけなんだが,相変わらず「会社ファースト」なんだなぁ.自らの図体が大きくて,影響甚大だという自覚はない模様.

 

北陸新幹線-国交省の資料と地図を重ねてみた

国交省のサイトに調査結果概要が示されているようなので,その図を切り出して,縦横比が若干おかしいので調整して,京都駅と新大阪駅と東海道新幹線の位置を頼りにGoogleMap上で位置合わせしてみた.太ーい線の中心に細い線を引くと,こうなった.テレビ画面は国交省の図をトレースしていると思うので,こっちの方が元図に近いかな.

ほぅ.京都駅を南に出ると少し西に振って油小路通りを南下し,そのまま第二京阪道へ.久御山までそのまま南下し,第二京阪道路は料金所とジャンクションのために西側へ.北陸新幹線はそのまま南下して松井山手駅には北北東から南南西へ.ほぼ学研都市線のホームと同じ方向だなぁ.この辺は標高やや高めなので,地下駅かな.

松井山手を出ると再び第二京阪道路に沿って進み,学研都市線が第二京阪道の南に出るあたりからは学研都市線に沿って河内磐船駅あたりへ.そのまま学研都市線に概ね並行して忍ヶ丘駅付近を経て新大阪方面へ.

…まぁ,そこまで分析できるほどの精度は元図には無いんだけどね.

北陸新幹線-テレビ画面と地図を重ねてみた

京都駅と新大阪駅について,テレビのニュース画面とGooleMapとで位置合わせして,テレビ画面上の北陸新幹線の中心付近をたどってみた.京都市内はどの程度正確なのかは怪しいが…

ほぅ.なるほど.松井山手駅を通りますねぇ.やっぱりそこにつくりますか.そこから南側は,生駒山系というか交野断層の断層崖に沿って南下して,やっぱりそこから新大阪目指すワケね.

ということは,リニア奈良市付近駅は,あそこなわけかな.ほぅ.

新幹線松井山手駅って,マジかよぉ

「松井山手駅」とまでは言ってないけど,北陸新幹線の京阪間に駅をつくるとして,淀川左岸(南側)を経由するとした場合,近鉄に接続させた方がヒンターランドが広くてメリット大きいんだが…

https://www.youtube.com/watch?v=wSZ_q3JCjyA

…あ,もしかして,学研都市線の京都府下の複線化工事もするってことなのかしらねぇ.松井山手を経由して新大阪に向かうとなると,北陸新幹線が俺んちの横を通る…のか?

 

な,何が始まるんです?

■麻生太郎財務相 JRの運んでいる客の数を見ますと、JR北海道の1日平均の輸送数は大体JR新宿駅とほぼ同じ。1駅で全北海道分です。JR四国でいくと、田町駅より少ないぐらいですから(経営は)難しいんです…

情報源: 「JR東と北海道の合併、一つのアイデア」 麻生財務相:朝日新聞デジタル

 

「JR東+JR北」「JR西+JR四」とな?

おそらく当事者は「何言ってんだ,こいつ」と思っているだろうが,鉄道史の有名な先生曰く,日本の幹線鉄道の経営形態は30〜40年ごとに変わっているそうな.

1871年〜 工部省(19年)
1890年〜 鐵道庁ほか(18年)
1908年〜 鐵道院(12年)
1920年〜 鐵道省(29年)
1949年〜 国鉄(38年)
1987年〜 JR(間もなく30年)

こうやって並べてみると,そろそろ何らかの動きの兆しが出始めても,歴史的には不思議では無いと言えば不思議ではないかなぁ,とも思う.次の時代の経営形態はいかに?

 

中国で鉄道建設ラッシュ「八縦八横」へ

 中国が大規模な鉄道建設ラッシュに沸いている。昨年11月末には日本円で4兆円を上回る投資金額となる北京周辺での鉄道計画が承認されるなど、鉄道建設が急ピッチで進められている。2016年夏には新たな鉄道網計画が示され、高速鉄道を中心に鉄道網整備を進める方針が打ち出された。中国当局は「鉄道は国民経済の大動脈」と鼻息が荒いが、構造改革にともなう景気悪化の影響を鉄道投資でカバーする狙いもあるとみられる。

情報源: 【中国観察】中国で鉄道建設ラッシュ 進む鉄道網整備、景気悪化カバーの思惑も 「四縦四横」から「八縦八横」へ(1/4ページ) – 産経ニュース

こっちは,資金を市中に供給するだけで無く,実需をつくり出している模様.

ただし,建設時の直接効果だけで,開業後の効果までは考えているのかどうか,ちとあやしい感じはするが…

一方,鉄道先進国のはずが,毎年の国費が780ppmだけ,毎年の建設費がGDPの0.04%,つまり400ppmの国があるとさ.

続・トランプ「アメ車買え」

デジャブ感満載の「アメ車買え」というお言葉,そういえば前回の「アメ車買え」の後には,自動車そのものに関する圧力もさることながら,「日米構造協議」なるものの名の下に,公共事業430兆円,さらに積み増して結局は630兆円の実施が決められたんだったっけか?

630兆(実際にはそんなに使ってないが)のうち,交通インフラ投資は道路ばかりで鉄道投資が認められず,「アメ車買え」と対を為すものだったのかなと.

どうも新大統領は状況を正確に理解して無さそうなので,再びデジャブ感満載の事態に陥らなければいいんだけどね.

都構想「再挑戦」らしいが…

都構想「再挑戦」らしいが,以前の構想と何が変わったんだろうか.

住民投票で大騒ぎした際の都構想の最大の問題点は,「都」の話なのに,大阪を振興したいという視点ばかり出てきて,日本にとって大阪はどういった役割を果たせるかという視点が軽薄だったことだと思っている.

大阪を振興するという点だけでは,地方がインフラを整備してくれ,企業を誘致したいというのと何ら変わらず,「都」という国政を担う意味を持たせる意味はあまりない.「大阪振興構想」で十分だ.

一歩先ずることを良しとする姿勢は大阪人の特徴だが,「都」を名乗るには先じた後にどういうリーダーシップを日本全体に対して及ぼせるかが必須の視点だ.自己のことばかり気になって,周囲が気にならないのもまた大阪人の特徴,なのだろうか?

“雑魚な客数のために面倒なことできるかよ!” と返答してJR東海が失ったかもしれないこと(その4)

やっちまったかもしれないお話の(その4)である.

今回は,輸出への影響についてである.日本の新幹線については,海外から見れば「新幹線」のワンブランドのはずだが,その実,細かなシステムがJR東系とJR海系とで異なっており,そのまま両方を直通で走れる列車は現存しない.

かつて国鉄末期には(アナログATC時代だが)両方走れる車両も試験車として開発され,試験走行もされていたかと思うが,今や昔の話.

さて,米原で北陸新幹線と東海道新幹線が直通運転を行っていたとすると,その車両はJR東系とJR海系とのシステムの差異を克服できる車両ということになったはずだった.

ところが,それを実現させる機会が失われてしまったがために,新幹線を海外販売する際に「オタクの国のシンカンセン,保安装置が統一されなくて面倒なんだってナア」と突っ込まれた際に「いえいえ,両方ちゃんと走れる方法も準備してあります」と返答する術を失ってしまった.

欧州系の高速鉄道が各種のシステムを規格化し,統一して,いわゆるインターオペラビリティを向上させてきているのに対し,日本のシンカンセンはガラパゴス化が進み,日本国内ですら自由に走れないほどタコツボ化が進行していることを証明してしまったとさ.

#システムの多様性という点では,青函トンネルにおける在来線との供用区間(三線軌)の存在や,ミニ新幹線システム(=低速在来線との乗入れ),在来線の保安システムへの対応,異なる電源周波数の切替,雪への対応,総二階建て,320km/h運転,2編成併結運転,地下駅の存在,長大山岳トンネル,etc…JR東日本系の新幹線システムの方が,海外から見ればメニューが豊富で魅力的に見えるかもね.

「米原ルート」の開業時期(3)

さらに話は続く

今日は「JR東海リスク」を回避し,乗入れOKの判断を待って米原ルートを着工することを考えてみよう.

最初に判断結果が変わる可能性があるのは,リニアの名古屋開業である2027年である.この段階までは判断を変える具体的な材料の変化は発生しない.それまでに環境影響評価を終わらせておいて,即着工するとすると2027年着工で2037年開業.これだと小浜-京都ルートを現時点で確定させて着工に向けて財源確保の努力をするのと開業時期は変わらない(か,むしろ米原ルート採用の方が遅い).

2027年段階で色よい返事を得ることが出来ずに2037年まで着工を延期したとしよう.乗入れOKの返事をもらって即着工し,10年で開業させたとすると2047年開業.これだと,財源確保サボタージュ方針の2031年着工で2046年開業の小浜-京都ルートと変わらない(か,むしろ米原ルート採用の方が遅い).

さらに最悪のケースとして,2037年まで着工を延期したものの,乗入れNGの返事が返ってきた場合は,この段階から小浜-京都ルートの建設を開始しなければならなくなる.環境影響評価から開始して工期15年なら2057年開業.当webサイトをご覧の読者の半分くらいは(悪いことをしていなければ)天国から様子をうかがうレベルの時期である.

結局,この最悪の2037年小浜-京都ルート着工や永久米原乗り換えの可能性を考えると,2027年に米原ルート着工というのも実際には採択しにくい.

全体の話をまとめると,米原ルートはJR東海が乗入れOKの返事をいつするかに依存しており,現実的には,2017年の現時点でOKの返事をしていない限り採択しにくい案,ということになる.米原ルート採用は現時点でJR東海を説得していることが必要である.誰か説得できるの?