都市計画」タグアーカイブ

初夢鉄道2016(平成東京地震編)

こんな夢を見た.

東京オリンピックに浮かれていた熱もさめやらぬ20xx年,悪夢の一つ目が起きてしまった.首都直下地震である.大量の帰宅難民が出たことはもちろん,地盤の軟弱な密集市街地で発生した火災が猛威をふるい,大災害になってしまった.

比較的近年に建設したビルなどは持ちこたえたものの,首都東京には多数の古いビルや家屋があり,倒壊,火災等おびただしい.地震の規模は阪神淡路大震災程度あろうか.中心部の官庁街をはじめとするオフィス街そのものは助かったが,古くから更新されていなかったインフラ類——上下水道や初期の地下鉄・高架鉄道など——は倒壊したり致命的な破損が起きたりで使えなくなったものが多い.住宅を失った人も多く,仕事どころではない.住宅が残った人も通勤手段が限られていて,日々の生活が著しく非効率になってしまった.知人親類等が被災した人も多く,直接の被災を逃れた人々も仕事が手に着かない.

あれほど首都機能の移転やバックアップについて検討してきたものの,ほとんど実行されていないので日本全体が機能不全になってしまおうとしている.オリンピックに浮かれている場合ではなかった.今さら言っても仕方がないが.怪しい国籍不明の艦船や航空機が近海をウロウロしている.

東京駅へ達する在来線や地下鉄が機能しないので,東北上越北陸新幹線は大宮で折り返し運転である.東海道新幹線も小田原で本線を引き上げ線にしながら折り返している.リニアはかろうじて開通した直後で,インフラそのものは被害が少なかったが,電気系統や通信系統が不十分で満足に運転できない状態になっている.そもそも,アクセス交通が動いていない.

道路も首都高速の何カ所かで落橋があり—防止装置があったはずだが不良品があったようだ—ネットワークが十分機能していない.国道等の一般道は大渋滞だ.

結局,阪神淡路大震災の教訓はどれほど活かされただろうか.復旧復興作業に入り始めたその時,泣きっ面に蜂の事態が起きた.

専門家の大方の予想どおり,紀伊半島沖を…

ここで目が覚めた.

南海トラフ、超高層揺れ最大6m…長周期地震動

ほらね,センス無いだろ?

 内閣府の専門家検討会は17日、南海トラフ巨大地震が発生した場合、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の超高層ビルが、最大6メートル揺れる可能性があるなどとする予測を初めて公表した。

情報源: 南海トラフ、超高層揺れ最大6m…長周期地震動

いや,読売新聞の記事がセンス無いんじゃなくて,大阪の港湾地区の超高層ビルに大阪府庁の一部機能を移してしまったということ.よりによって,一番ひどい箇所に.

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(防災強化編)
大阪は副首都になれるか(用地確保編)
大阪は副首都になれるか(地盤編)

一部の政治家の方は,専門家の意見を無視するのがかっこいいと思い込んでいるようだが,重大事が起こって割を食うのは府民なので念のため.府庁が機能しないと,多くの死人が出ることもありますのでね.

#ガーガーがなり立てるトップの場合,いろいろと忠言したい人がいたとしても黙っちゃうよね.府庁にも(市役所にも)事情のわかった専門職がたくさんいるはずなんだけどね.

新幹線基地の井戸掘削—JR東海と摂津市の裁判泥沼化—

これマズいなぁ,と思った記事.

JR東海が東海道新幹線の水の確保のため、鳥飼車両基地(大阪府摂津、茨木両市)で井戸の掘削を計画し、摂津市が掘削禁止を求めて提訴している問題で、同社は摂津市に対し…情報源: 地盤沈下に影響? 新幹線基地の井戸掘削 JR東海と摂津市の裁判が泥沼化   – 産経WEST

市境付近で地下水をくみ上げようとしているが,訴えている市の外なので,摂津市との協定の対象外だとして争っているというお話.詳しくはリンク先を参照.

地下水は市境など知ったこと無く流れているので,市境のわずか外側だからといって摂津市に影響が無いとは限らない.なので,市の主張はごもっとも.協定の範囲外なので,法的拘束力は無いという鉄道会社の主張もごもっとも.

この辺の論争は法廷に任せるとして,こういったトラブルが出るということが全国に知れ渡ってしまったことの方が大問題.今後,この鉄道会社が新規に工事をしようとすると,地元自治体や住民の目が厳しくなってしまい,「法やルールの抜け穴を使って意図しないことをするのではないか」と見られてしまう.つまり協力を得られなくなる可能性あり.特に駅ができない沿線が要注意.

これから約30年にわたって大規模な工事をしようとしているのに,頭が痛くなる話である.こういった小さな話を発端に,大きなプロジェクトが実行しにくくなる可能性無きにしも非ず.千里の堤も蟻の穴から崩れかねないというお話.

#なお,この鉄道会社は実は今までに大きな工事をしたことがないので,自治体や沿線対応はあまり慣れていない,という話は業界内ではたまに聞く.

初夢鉄道答え合せ(リニア編)

さて,年末になってきたので,今年の重大ニュースを振り返ってみよう…と言いたいところだが,単に振り返ってもつまんないので,年始に見た夢が正夢だったのか,逆夢だったのかをチェックしてみよう.まずは,リニア編である.

こんな夢を見た.その夢の中では,リニアの東京-大阪間はもちろん完成している.使いにくいと言われた品川駅はサブターミナル化し,リニアは東京駅に乗り入れている.あまりの所要時間の差があったため,東海道新幹線を使う人が少なくなり,東京駅には14-19番線の6線も必要なくなった.そこで14-15番線だけ残して残りはリニア用ホームに改造されている.14-15番線も東北新幹線と直通できるように配線変更されて首都圏内はスルー運転されており,もはや東京行きあるいは上野行きなどと言った新幹線は珍しくなっている.

リニアの大阪延伸(同時開業)の話は,残念ながら進んでいない.政治家の皆さんは「同時開業」を異口同音に唱えるが,誰も具体的かつ有効な策は打ち出せていない.最近,コンセッション方式なる方法を唱える経済学者もいるが,それって当サイトで1年半以上前に書いた方式の一つ(No.1)だよね.他にも案があるよぉ.

リニアの東京側ターミナルに関しての計画の進化はないので,「初夢」が正夢か逆夢かの判別はついていない.東北新幹線系統と東海道新幹線系統のスルー運転も,見えていない.技術的にはそんなに難しい話じゃないんだけどね.

続いて…

致命的な被害はなかったものの,首都圏でM6クラスの直下地震が発生したことを機に首都機能の本格的な受け皿を関西に求めることになり,ある程度まとまった土地が探された.その影響もあり,リニアの名古屋以西ルートは京都と奈良で揉めていたが,京都でも奈良でもない場所にリニア駅ができることになり,同時に副首都駅になった.副首都機能の稼働開始間もなくして大地震と大津波が太平洋岸を襲い,静岡県下の東海道新幹線の海岸に近い区間では復旧に数年以上の期間を要する被害が出ている.新幹線の線路を内陸に付け替えるべきかどうかで議論が出ているようだが,結論は出ていない.

幸い,今のところ首都圏の直下大地震は発生していないので「正夢」にはなってはいない.がしかし,大地震の危機は過ぎ去ったという話は聞かれない.2011年からもうすぐ5年,そろそろ「のど元過ぎれば熱さ忘れる」ような状態になりつつある.

リニアの名古屋以西についての進展はないので,ルートについても(表面的には)何も進んでいない.「副首都」に言及する政策案を提言する政党も出始めているが,現時点では防災を意識しているのかそれとも関西の振興策なのか判然とせず,目的がぶれたレベルにとどまっている.

首都圏直下地震と南海トラフ地震は独立事象ではなくて連動する可能性が否定できないが,現中央政府は有効な対策を打ち出せないまま5年を消費してしまおうとしている.大阪地方政府も数年を消費したが,かけ声の勇ましさに比べて成果は少ない(というか,「黒歴史」に近いプロジェクトがいくつかあった).

それから…

終点は大方の予想どおり新大阪駅になった.関西空港への延伸の要望はあったものの,空港アクセス客を運ぶほど線路容量に余裕がなるわけではないことが分かってきたため,関空アクセスの改善は別の方法が採用されることになった.航空ネットワークと鉄道ネットワークの結合政策の影響もある.

リニアの西進に手が着いていないので,リニア大阪駅の位置も公式には出ていない.関空アクセスリニア案がお話にならないのは,「夢」を検証するまでもない.

さらに…

リニアは500km/h運転で営業開始されたが,開業後も数々のデータやノウハウが蓄積し,もう少しスピードアップできることが分かってきた.東京-大阪間67分であったものをほんとうに1時間で結ぶべく,600km/hでの営業運転が検討され始めており,試験運転では700km/hも記録されている.

リニアの速度向上の話は現時点ではまだ時期尚早のようであり,「正夢」には至らず.

リニアの完成により三大都市圏のリニア駅の拠点性が高まったので,全国的な幹線鉄道網の再編の気運が盛り上がってきており,同時に便利な鉄道網と航空ネットワークの結合も実現しそうである.

これについても,何の議論もされておらず,この国には幹線鉄道のまともな国策は無いようである.

つづく

 

新潟駅の在来線高架工事

ただいま新潟駅の在来線高架工事中.

IMG_5629

IMG_5632

完成すれば,「いなほ」と「とき」が同一ホーム条で乗り換えられるようになる模様.完成予想イメージ(↓)?

完成後も笹団子は,買えるんだろうか?

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(その他まとめて編)

引き続きこれである.残る項目については,重複が多いので,まとめて記述.

 

「5.二重行政の根絶」

副首都、国際エンターテインメント都市”OSAKA”を実現するためには、大きな投資が必要であり、1円の税金も無駄 にできません。二重行政は典型的な無駄です。現在、二重行政の解消は、大阪会議における“話し合い”がまったく機能 しないまま、依然として二重のままになっています。あらゆる手段を使って二重行政の解消に正面から取り組みます。

まず,副首都の部分であるが,本当に国家の重要機能を大阪に配置する場合には,それは国家事業になるので基本的には地方自治体である大阪府や大阪市の支出を当て込むようなものにはならないでしょう.なので地方による「大きな投資が必要」ではないと思いますけど.

それから「国際エンターテインメント」実現を目指す場合は,エンターテインメントの基本的な部分は「民活」じゃないかと思いますが.

 

「6.大阪を豊かにする「1.」から「5.」を実現するための統治機構改革」

副首都大阪を確立するためには、大阪に強力な行政機構が必要です

副首都は国家機能なので,強力な行政機能が求められるのは副首都機能そのものであり,大阪府(や市)が首都機能を果たすわけではありません.東京都は都市としては首都ですが,地方行政府としての東京都が日本を牛耳っているわけではありません.

もっとも,副首都が防災を強く意識したものであるのなら,地理的に淀川河口付近に位置する大阪市が適切な場所かどうかは,かなり慎重な議論が必要ですね.

 

「9.市町村への権限委譲」

事務事業を移管する場合には,関連する財源も移さないと,移された側は「仕事だけ降ってきた」という状態になりかねませんが,大丈夫???

 

「12.市民サービスの充実(大阪市)」

(1) 公共施設の避難所機能強化
(2) 密集市街地対策の推進
(3) 南海トラフ大地震への対策
(4) 要支援者の把握サポート

具体的に何しようとしているんしょうか.防災の専門家が怒ってるんですけど.

在阪マスコミは,そろそろ社会部だけじゃなくて政治部を創設した方がいい時期に来ていると思う.それとも「長いものには巻かれろ」か? ならばネット上の”便所の落書き”の方がマシだな.
(あーこわいこわい.)

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(防災強化編)

引き続きこれである.今回は,「4.防災強化」についてである.

大阪市域内と大阪市域外の縄張り争いをなくして大阪全体で防災力を強化します。

「縄張り争い」が防災力強化のポイントだと思っているようである.そういうセンスなので,府庁舎を埋め立て地の高層ビルに移そうなんてことを考えたのね…

(1) 防潮堤の津波浸水対策の推進
(2) 消防施設・装備の充実(大阪消防庁の設立)
(3) 災害に強いみどり空間の整備
(4) 府強靭化計画による防災力強化
(5) 拠点病院の耐震化補助

他にもたくさん防災減災でしなければならないことがたくさんあるんだけども,防災に関する詳細な指摘は防災の専門家に任せることとして,一点突っ込みを入れておこう.

これ→「府強靭化計画」

”強靱化”のキーワードは,自民党が国政与党に戻ってくる前から,小チンピラのおバカ学者こと藤井聡先生が提唱していたお話で,その後,内閣官房参与(防災・減災ニューディール政策担当)就任→国策化→法制化の流れをくむものなんだが,堂々と入れちゃうのね.いいんですよ.大事なことですからw.

つづく

在阪マスコミは,そろそろ社会部だけじゃなくて政治部を創設した方がいい時期に来ていると思う.(あーこわいこわい.)

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(国際エンターテインメント都市編)

引き続きこれである.今回は,「3.国際エンターテインメント都市”OSAKA”の実現」についてである.

大阪を世界中から人々が訪れる国際エンターテインメント都市へ進化させます。当面の目標は2020年の外国人訪 問客数650万人、ゆくゆくは世界一を目指します。

なるほど.じゃぁ,エンターテインメントのコンテンツは重要そうだね.

(3)夜間経済のさらなる振興(関西空港対応)
(4) 宿泊施設の拡充
(5) 都心の再生(うめきた2期、御堂筋、中之島等)

このへんのお話しはともかく…

(2) 国際人材の育成確保
・本当に使える英語教育の実践

…ここの部分だが,関空をLCC対応させたおかげでアジア各国からの客が増えており,「英語」だけで対応できるのかしら?

それから,肝心のコンテンツ関係では…

(1) 大阪の魅力向上
・万博の開催
・統合型リゾート(IR)の誘致

…えっ!? これだけ? 万博はせいぜい半年の一過性のイベントですし,統合型リゾートって,カジノのことだよね.わざわざカジノするだけのために大阪に来るのかしら.有名なラスベガスなんかだと,カジノ場に行かなくてもいろいろ楽しい,という都市になっているんだけど,カジノ以外のコンテンツには言及しないの?(「統合」に含まれている?)

大阪と言えば,(そのままでは外国人に受けるかどうかはわからないが)お笑いで有名であり,(実際に確かめたことはないが)都市年鑑にも主要産業としてお笑いが書かれていたりするらしいではないか.さらには歴史方向にも深みがあり,落語,能,狂言,文楽,歌舞伎,それから期間限定で相撲とかあるけど,こういうのって結構異文化体験になるので観光客が興味示すはずなんだけど,それに対する言及はないのね.全国的には各地の首長さんは地場産業や文化を大事にしてそれの売り込みに躍起になっていることが多いんだが,そういう視点はないのかな.(そういえば,補助金打ち切りまくってたっけ)

つづく

放送法第4条 四:意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
あーこわいこわい

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(都市交通インフラ編)

引き続きこれである.今回は,「2. 大阪の経済成長戦略」のうちの「(4)広域インフラ整備」関係の部分であるが,「広域」というよりは都市交通インフラだろ,というような項目についてである.

・大阪圏鉄道ネットワークの充実

これは広域インフラじゃなくて,都市圏内だね.One Osakaって範囲が狭いんだなぁ.大阪市内および大阪府下での都市圏鉄道のプロジェクト構想については,以前から幾つもあげられている.

VOL.8編-その1,VOL.8編-その2,VOL.8編-その3
VOL.9編,VOL.10編,VOL.11編

各プロジェクト構想に共通するのは,「その資金,どうやって工面すんねん?」である.「大阪府と大阪市が二重で無駄だ」,あるいは「公営交通は民営にしてしまえ」とか言っている割には大盤振る舞いの構想である.資金の出てくる打ち出の小槌があるんだろうか? 完成した後は誰が運営するんだろうか? 昔から構想がある割には今現在で実現していない建設プロジェクトについては,「採算」の面で多かれ少なかれハンディーのあるプロジェクトが多いんだけど,大丈夫か?

・淀川左岸線延伸部等の道路整備

これも広域交通というよりは都市圏交通ですね.わざわざ政策に入れなくても,すでに国の出先機関主導で環境影響評価の段階まで進んでいるんだが,この段階からわざわざ書いて何がどうなるんだろう.書いておけば,後々政策集の事後評価をしたときに○が付けられるから? これに限らず,マニュフェストの類の事後評価は気をつけた方がいいかもしれない(政策の影響の有無の慎重な審議が必要ということ).

つづく

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
あーこわいこわい

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(広域インフラ編)

引き続き話題の対象はこれである.今回は,「2. 大阪の経済成長戦略」のうちの「(4)広域インフラ整備」関係の部分である.さらにそのうちの,新幹線がらみの部分である.

・東京・名古屋・大阪リニア同時開業

えーと,この件は非常に重要で,当サイトでもしばしば取り上げてきた.

第1話-新幹線偉大なり編,第2話-産業振興VS交流編,第3話-他の交通網編
第4話-東海道VS中山道編,第5話-新幹線駅が都市圏形成編
第6話-駅アリ>駅ナシ編,第7話-20年差が命取り編,第8話-後手必敗編
第9話-東密西粗編,第10話-リニア編

だが,悲しいことにそろそろ「同時開業」は難しくなってきている.確か大阪与党のトップがJR幹部に掛け合っていたと思うが,その時期ならまだ同時開業はあったかもしれない.JRから突っぱねられることは当時としては予想できたことなんだが,突っぱねられた後に有効な策を講じることができていない(…というか,いっぺん会っただけで,何もしていないと思う).年月は経過し,そろそろ次善策を考えた方がいいだろう.かけ声だけでは何も進まない.

リニア関係の当サイトの記事はこちらへ.

・北陸新幹線大阪開通、…

北陸新幹線については,大阪与党は敦賀-米原間接続(米原ルート案)を当初は推していたと思うが,特段具体的な働きかけはなく,かけ声主体だったのではないだろうか.敦賀-米原間接続案は工期が短く,費用も安く,リニア開業後は毎時1−2本程度の線路容量を確保することはさほど難しい話ではないと思うので,魅力的な案なのである.浮いた費用は他の新幹線プロジェクトに回せる可能性があるので,広域ネットワーク早期構築の観点でも望ましい.だが,いかんせんJRの協力が必須である.継続的かつ具体的な働きかけが必要であったと思うが,そういう様子は無かったようである.

最近は敦賀から小浜付近を経由して京都へという案も出てきているが,どのルート案であれ,完全に「満場一致」の案はないので意見の調整が必要である.それができるのは中央政府か,そうでなければ盟主である大阪のはずだが,意見をまとめる気概はあるだろうか.近隣府県等を”口撃”していてもまとまらないんだが.

・…、関空アクセス鉄道の整備

なにわ筋線のことを指しているんだろうか? だとすると,あんまり効果はないので,そろそろあれを関空アクセスと位置づけるのは止めて,都市交通の充実として計画を位置づけた方がいい.JR&南海の南北線プロジェクトでいいだろう.

もしも関空リニアのことを指しているのなら,こちらを読んだ方がいい.関空リニアは目を引くがコスパは悪い.リニアはそんな短距離を結ぶような乗り物ではない.お勧めは通常型新幹線の関空乗り入れである.大阪中心市街からのコスパがいいというだけでなく,山陽新幹線や北陸新幹線を乗り入れさせることができれば,関空の後背地がぐんと広がり,西日本における大阪の地位も格段に向上する.そこまで考えてこの政策項目を書いているのならすばらしいんだが…

関空アクセス新幹線として四国新幹線を推している地方もあるって知ってるよね,西日本の盟主なら.

つづく

学問の自由はこれを保障する。
あーこわいこわい