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列車版LCC

欧州では,線路とその上の鉄道運行が基本的に上下分離されている.旅行者としてはICEやTGVをよく使うのでほとんどそのことを意識することはないのだが,最近,特にドイツなどでは比較的近距離の都市間連絡列車で,見かけない会社の列車を見かけることが多くなってきている.

例えば,この列車.

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機関車は比較的最近の機関車で,確か発車時には「ドレミファソラシド…」という音を発したはず.けど,よく見るとかつては書かれていた「DB」の赤い文字が無い.

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ハンブルグとケルンを結ぶ列車のようである.

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車両は結構年季の入ったもので,元オーストリア国鉄? 土手っ腹には大きく「HKX」と書かれている.

ハンブルグとケルン間ならICE等を使って移動するのが通常の方法だが,同じ線路上を別のHKXという会社(私鉄)が列車を運行しており,ドイツ鉄道の列車に乗るよりも安価に移動できるようになっているようだ.

ただし,車両はお古の使い回しであり,とにかく安く,しかも早く移動したいというニーズを満たしているようである.

ユーレイルパスでも乗れるようだが,良い時間帯の発着時間は確保できていないようで,あまり便利では無い.しかもICEにも乗れるチケットでわざわざ選択するような列車では無い.

だが,地元の人にとってはこういった別の選択肢も準備されているのである.

日本では,都市内交通が自由化されている一方,新幹線を含む幹線鉄道および同じ線路上を走るローカル列車の運営は国鉄時代からの地域独占が継続しており,ユーザーの選択肢は限定的である.

あったあったケルン駅にもAirRail

以前,鉄道は航空路だという話をしたが,ケルン駅の構内にもあったあった.

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日本でもすぐにできるサービスのはずだが,航空と鉄道は犬猿の仲だからか,協力関係を築くことができない.

海外客のインバウンドがあーたら,どーたら,と言うなら,これくらいのサービスは始めてもいいと思うのだが.特にインフラ投資も必要なさそうだし.

日本の区画整理に曳家というのがありますがドイツでは…

「質より量」と言い切ってしまうドイツのカールスルーエのトラム.さすがに量が多すぎてトラムの渋滞が問題になり,地下化することになった.この光景ももうすぐ見納めになる.

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市内中心街は工事のまっただ中で,日本の土地区画整理なら曳家という方法で建物を移動させますが,ここドイツでは…

IMG_4194おおおおぉぉ…すごいことやってる.カナダで小さな家をトラックで運んでいるのは見たことがあるが,クレーンだ.ん?

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なんだ,これは??? 家に根っこが…

この工事現場の角を曲がったところには…ん?

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どうやら,殺風景になりがちな工事を楽しくやり過ごしてもらえる工夫,アートのようである.

日本の工事現場も昨今は「○○の工事をしています」という看板を掲げたり,遮壁の一部を透明にしたりしている努力をしているが,こういった工夫もありなのかもしれない.

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夜には明かりも灯ります.

日本のガソリンは高いと言うが…

日本のガソリンは高いと言うが…それは北米に比べてということである.これを見てもそう言えるだろうか.

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ユーロ標記なので,上から順に140円/€で換算すると…

  • 軽油   :159円/ℓ
  • バイオ燃料:187円/ℓ
  • レギュラー:190円/ℓ
  • ハイオク :201円/ℓ

原油の元値自体は欧州も日本も変わらないはず(むしろ日本の方が高値のものを買わされている可能性も…)なので,この差は税金であろう.この税金が環境対策や公共交通の拡充および維持にまわっている,ということなのであろう.

これを見ても日本のガソリンは高い?

#写真は,ドイツのKarlsruheの2015年9/10の価格.

バーゼルを8分遅れで出発したICE,次の駅で定刻に

スイスのバーゼル駅を8分遅れで出発したベルリン行きICE.フランクフルト方面への路線を走るのだが,残念ながらスイス付近は線形が悪く,ローカル列車のような走り方しかできない.川沿いに右へ左へと流れに沿って敷かれた線路をたどる.

…と,過去の記憶をたどればそうだったのだが,今回は途中で「本気」を出した.そして次の停車駅のフライブルクではなぜか定刻着.

本気を出した秘密は,以前は無かったこのトンネルのようである.トンネルなのでGPSが機能せず,正確な速度はわからないが,200km/hくらいか.8分遅れは確信犯だな.

元々の線路はトンネルの左側の川沿いの線路.独仏は訪れるたびに幹線鉄道の設備が更新されて行く.日本はどうなんだ?

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北陸新幹線に荷物置き場…訪日観光客らに対応

ちょっと前に,こういう新聞記事があった.

 JR東日本とJR西日本は、北陸新幹線にスキーや大型のスーツケースなどを置くことができる荷物置き場を設置すると発表した。

情報源: 北陸新幹線に荷物置き場…訪日観光客らに対応 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

こんなことで新聞で話題になるとは,実は情けないお話.

もちろん,車端部にはこういったバゲージスペースがあることが多いのだが…

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独仏あたりだと,こういうローカル列車でも…

IMG_3529こういう海外旅行で使うようなスーツケースが…

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そのまま,普通に頭上の荷棚に収まる.

IMG_3526というわけで,空港でもないのに,欧州の駅の客はスーツケースゴロゴロ転がしている人が多い.

いっぽう,日本の新幹線の荷棚は車体がデカい割に荷棚が小さく,小型のスーツケースしか荷棚には収まらない.車体の基本設計の問題やね.

 

 

フライブルクにもあった変な電車

バーゼルのExtra Wagenとか,チューリヒのSHUSHI TRAMとか,変わったトラムは時々見かけるが,ドイツのフライブルクでも見かけた.

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その名もParty Wagen.気がついてからカメラを構えたので,後ろ姿になってしまったが,低床式電車が多い中,旧式中の旧式なので一目瞭然.

IMG_3522ま,ビール電車とか,お座敷列車の乗りやね.

 

今年も行くぞ欧州調査

今年も行くぞ,欧州調査…と言うと,「あぁ〜いいですねぇ」などと言われることが多いが,もしも実際に同行したならば,初日の昼過ぎには別行動の提案をされること請け合いである.

  1. 基本的には観光地に行かない
  2. 訪問都市は都市交通的に見るべきものがあるかどうかで決めるので,楽しい都市かどうかわからない
  3. 基本的には中心街を通る路面電車の線路に沿ってうろうろするだけ

調査中に横でじっと待たれても困るので,基本的には単独行動である.

今年の訪問都市はこんな感じ(天候により急遽変更の可能性あり).

  1. Besançon(仏)
    • 以前訪問したとき,あまりにも開業早々で電車がまともに動いておらず,途中で降ろされてSNCF駅まで徒歩で帰ってきた経験アリ.今回はいかに?
  2. Basel(スイス)
    • そういえば何度も乗換で通ったことがあるのに,駅前広場以外見たことがないので.トランジットモールもあるかな?
  3. Bern(スイス)
    • ここ,スイスの首都です.
  4. Zurich(スイス)
    • ここ,スイスの首都ではありません.何度か訪れたことがあるが,測り忘れた項目があるので再訪.
  5. Freiburg(独)
    • ここも何度も訪れた音があるが,測り忘れた項目があるので再訪.
  6. Strasbourg(仏)
    • 5度目か?いや6度目か?今回はいつもと異なる視点で訪問.
  7. Mulhouse(仏)
    • 2度目.測り忘れた項目があるので再訪.そういえば,鉄道博物館もあるよね.
  8. Karlsruhe(独)
    • 地下化工事は進んでいるかな?以前訪れたときに新線開業間近だったが,その後どうなった?
  9. Köln(独)
    • トラムというか,地下鉄というか…
  10. Essen(独)
    • ガイドウェイバスって無くなったんだったっけ?
  11. Reims(仏)
    • Besançonと同じ事情.以前訪問したとき,開業早々で電車がまともに動いておらず,途中で降ろされて調査を早々に切り上げたことあり.

さてさて,どうなるかな.

#旅の途中,自動小銃持った男が取り押さえられた国際特急タリスに乗るんだが大丈夫かな?

グリーン車と一等車

ヨーロッパに調査に出かけると,陸路移動はほとんど鉄道だ.ほとんど毎日乗るので,レールパスを使うが,長期間有効のパスは1等車しか設定がなかったりするので,移動はいつも1等車だ.(日本国内では余程のことが無い限りグリーン車には乗らないが)

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ドイツの列車はけっこう田舎のインターシティーでも必ず食堂車が付いていたりする.もちろんICEは食堂車付き.このへんが日本とサービス提供の根本的な思想の違いを感じる.日本は客を運びさえすりゃぁいいんだろ,みたいな感じが年々強くなって行くのが残念なところ.

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そして,標題のお話し.下の写真はフライブルク駅3番線を出発する列車の編成表であり,黄色が一等車,赤が食堂車,緑が二等車である.

DSCN0907概ね3種類の編成が使われていて,客車12両+機関車2両の初代ICE編成,8両×2のICE3編成,それから制御室客車付の8両+機関車1量のIC編成.あとは写真にはないが,夜行列車.

まず,さっき書いたように,必ず赤い食堂車が入っている.1等車に陣取れば席でオーダーすれば軽食は持ってきてくれる.

それから,気付くだろうか,1等車の比率が日本に比べてちょっと多い.列車によって微妙に違うが,初代ICE編成だと比率は1等車が4/12=33%,2等車が7/12=58%,食堂車が1/12=8%.ICE3編成でも,1等車が4/16=25%,2等車が11/16=69%,食堂車が1/16=6%.IC編成だと,1等車が1.5/8=19%,2等車が6/8=75%,食堂車が0.5/8=6%.

日本の新幹線だと,東海道新幹線16両は,グリーン車3/16=19%,普通車が13/16=81%,食堂車なし.東北新幹線だと,グランクラスとグリーン車で2/10=20%,普通車が8/10=80%,食堂車なし.

日本のグリーン車の方が希少性が高い感じ.実際にICEやICの1等車に乗ると,日本のグリーン車ほどの高級感はない.もちろん,2等車の座席が布張りに対して1等車は革張りだったり,差別化は図られている.だが,日本のグリーン車が「お金持ち」がターゲットな感じであるのに対して,ICEやICの1等車のターゲットは,ビジネスマン,長距離旅行者,どうしても静かな雰囲気で乗りたい人等々.カジュアルな服装で若い人が乗ってくることもしばしば.これはフランスのTGVにも共通している.

日本の新幹線は大都市間連絡列車なので,基本的にはビジネスマンが主ターゲットなのに,なぜか本当の意味でのビジネスマン向けの座席の設定がなく,高級席かエコノミークラスしかないというナゾ.

ICEの座席指定

日本の新幹線は,座席指定車と自由席車が車両単位で分かれている.じゃぁ,ドイツ版新幹線といわれるICEはどうかというと,座席単位になっている.

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写真は,1等車の内部.ブレブレだが,窓の上に黒い小さな横長の表示器が付いていて,なにやら表示されていることがわかるだろうか.

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拡大すると,こんな感じ.これは,マンハイム-ケルン間については座席の予約が入ってますよという意味である.

DSCN0901じゃぁ,表示されていない区間はどうなのかというと,自由席扱いである.予約の入っていない席もあるので,そこは始発から終着まで自由席扱い.

こうすることで座席の利用効率を上げているようだ.