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NancyのBRT(TVR)停留所編

NancyのTVRの停留所のお話.といっても,ほとんど欧州の標準的なLRT停留所と変わらない.

低いプラットホームに屋根付き停留所.電光掲示と自動券売機,それから時刻表と路線図,運賃の案内.

終点の停留所では,バス路線と対面乗換.

ということで,あんまり新規情報はないが,「BRT」を名乗るなら,LRTと同程度のクオリティの停留所が必要,というお話.

ただし,このNancyのBRT(TVR)であるが,1本レールのトラム区間と無軌条のバス区間があり,バス区間についてはLRTとあまり変わらない停留所もあれば,街路沿いの単なるバス停もある.

 

連節バスは狭い道路を走れないって?…これ見てから言えよ

単なる連節バスを「BRT」といってしまう日本であるが,その単なる連節バスの運行ですら,なにやら仰々しい会議を経なければ運行が難しそうである.

運行経路についてもいろいろと注文が付く気配があるが,単なる連節バスはそんなに機動性が低いわけではない.

フランスのMetzの3連節ではない普通の連節バスの様子だ.中心街に連節バスがやってきた.

そして,そのまま「ボラード」で進入規制がされた区域に突入!

いわゆるトランジットモールの定義に当てはまる歩行者エリアを連節バスが進む.日本の警察が見たら気を失いそうな光景である.

とりあえずこの位置からは,人混みに消えてゆく連節バスが観察できたが,面白いのはこの先である.観察位置を変えて,しばし待つ.場所は上の写真の奥の狭い街路の交差点である.

やってきた.連節バス.そして,この交差点を曲がった!

……ということで,「連節バスは狭い道路は走れない」は運転士の技能依存だということが判明しましたとさ.

#追記:これは「BRT」ではありません.単なる連節バスを使った路線バスです.

 

Metzの3連節BRT(走行空間編)

日本の「BRT」とは異なり,ちゃんとした「BRT」は原則として専用走行空間が確保されている.郊外の専用道路の場合もあれば……

大学の敷地内の専用道路の場合もある.下の写真はソルシー大学の構内で,ぐるっと1周する「単線」の専用道路だ.

市街地内では元々あった道路をBRTの路線にしており,一般車両のレーンを制限しても専用のレーンを確保している.

元々あった街路なので,BRT用の2車線を十分に確保できない場合もある.そういう場合は信号機をつかって交互通行だ.

中心街部分は公共交通専用の通路と歩道の組合せ,つまり,いわゆるトランジットモールだ.ここは石畳になっている.残念ながらBRTの乗り心地はガタガタしており,あまり良くない.

中央駅前広場も一般車と区別されており,石畳の専用通路だ.

時には専用通路を確保することが難しい場合もある.そんなときには一般車両とレーンを共有することもある.下の写真は片方向は専用通路になっているが,反対方向は一般車とレーンが共通である.

十分な広さが確保できる場合は一般者用の道路と別に歩道やBRT専用道路が建設される.

日本の「BRT」って一般車に交じって運転されてるところがあるんだってねぇ.それって単なるバスだよね.

 

気になる風景

昨年度までの欧州調査は「中心街のすべての交差点を訪れる」という方針の調査だったが,大変疲れたので,本年度は「朝から晩まで都市交通に乗り続ける」にしてみた.

基本的に座っているだけなので「楽勝」と思いきや,そもそも長時間座ることを想定していない椅子に座り続けることになったため,予想の以上に苦痛であった.尻が痛い.

さて,何度も同じ場所を繰り返し通過していると,特に理由はないのだが気になる風景が目にとまって,頭から離れなくなることがある.例えば…

単なる民家の庭木だが,日本じゃこういう刈り方しないよね.

 

カールスルーエ地下線建設進行中

あまりにも電車の本数が多かったので,カイザー通り(とマルクトプラッツから南下する通り)は地下化工事中である.

すでに地下線の出入り口は姿を現しており…

そう遠くないうちにこの風景も無くなる.
反対側の出口.

 

ボクはジドウ運転ソウチ

ボクはジドウ運転ソウチ.
ナビゲーションの「左2レーンをお進みください」に合わせて車線変更をする.

ボクはジドウ運転ソウチ.
ナビゲーションの「右です」を合図に右に曲がる.

ボクはジドウ運転ソウチ.
後部座席から聞こえてくる「ショッピングセンターへ行って」と言う声に従って目的地を変更する.

ボクはジドウ運転ソウチ.
リニアの工事に合わせてメーエキ周辺が変わったらしい.「めー駅の隣の郵便局のビルの駐車場に突っ込め」の声に従って10階建て駐車場ビルに入る.

ボクはジドウ運転ソウチ.
ボクの動作は,もうすぐ機械でリプレース可能.

ボクはジドウ運転ソウチ.
ボクの夏休みはいつだろう.

ボクはジドウ運転ソウチ…

青春18切符握りしめて行くもよろし

例年なら前期の成績をつけ終わるとお盆の大移動までの間に少しだけ時間があって,青春18切符を握りしめて小旅行に出かけるのだが,今年はなんとなく予定が詰まっていて,丸々一日の休みが取りにくい.

時間のある学生諸君,出かけるなら今のうちだ.

さてさて,丸々一日の休みは取りにくいが,3分の1日程度の休みならとれる(要するに早引け)ので,例の映画館に出かけて,いつもは地味なのが多いが,今回は珍しくスイーツ系だ.話の筋的には10年以上前のセカチュー系か.桜が印象的だ.

全体のロケ地が滋賀県下が多いのはすぐわかったが,桜の場面のロケ地自体はよくわからなかった.だが,原作本の表紙の桜はどうやらここのようだ.桜の枝振りまで同じである.

原作本の発刊前に撮っていた写真である.一時期,毎月この場所を通っていたので,桜のきれいな季節にも通っており,記念に一枚.原作本のヒロインの立っている位置からはこう見えたはず.

奥のトラス橋は北陸本線のもので,福井駅が高架化された際に架け替えられたものである.なお,90度方向を変えると,こんな感じの風景も見えたはずでもある.

上の桜の写真は幸橋南詰の東側の張り出し部分から写したもので,左右を反転(裏焼き)してある.時間のある人は,青春18切符握りしめて,現地確認するもよろし.福井へ行くのに青春18切符が使えるのも今のうちかも.

また、クルマが石畳を走ってる(京都編)

久々のシリーズである.今回は日本の京都だ.

今回は世界的大メーカーのCMである.Drive in Japan 自動ブレーキ篇と言うらしい.

我が家での反応をそのまま書くと…

「京都いいよねぇ. まだまだいっぱい行ったことがないところあるし…」

https://www.youtube.com/watch?v=pHbxMo2HBCY

…とまぁ,前半はすこぶる好評であった.前半はね.

後半に入ると…
「うわっ,こんなとこ走ってる.鬱陶しいよね.自動車進入禁止にしてほしいわ.最悪!」

トヨタさ〜ん,商品PRになってませんよ.むしろ企業イメージ悪化CMになってますよぉ.

ついでに書いておくと,京都市では「歩くまち京都」という都市政策をしており,自動車交通の分担率を下げようとしているので,京都市にもケンカを売っていることになる.知らないって怖いよね.

なお,CMで出てくるような場所をCMの走行イメージのような速度で走った場合,数年前に運転手が急病で歩行者数名をはね殺したのと同じような状況になるような場所を走っていると思うので,念のため.

ということで,2017年になった現在でも,自動車メーカーは商品の正しい使い方を消費者に伝えることが出来ないようである.

なお,この手の指摘は10年前にもしており,このときはスズキだったけなぁ.その後も定期的に主に欧州の石畳の上で車を走らせるのが日本のメーカーは好きである.

2006年3/19号:また、クルマが石畳を走ってる(無知ほど恥ずかしいものは無い編)
2006年2/17号:石畳を走るクルマ

 

どうする欧州調査(怖いよぉ)

英国マンチェスタでテロ発生.

欧州は最近テロが多いが,多くの発生場所が行ったことのある場所ばかり.

有名都市の路面電車の走っているような中心市街をひねもすウロウロしてればそういうことになってしまう模様.

つまり,昨今のテロの発生場所は中心繁華街は繁華街でも,LRTが走っているような地方中核都市レベルのところが標的にされていることが多いということか.

怖いよぉ.今年はどこに行けば安全なんだろうか.都市の選定が年々難しくなってきている.加えて,数年前ならさほど気に留める人も少なかった街路でのビデオ調査やレーザー距離計を使っての幅員調査などは何となくやりにくくなってきているし,調査方法の選定も難しいねぁ.

どうする,今年の欧州調査.

天満橋の前後

大阪の京阪電車の天満橋駅のことではありませんので,念のため.

2年半くらい前の話である.広島市内に「天満橋」という電車(+歩行者)専用橋がある.この前後の街路は天満橋が自動車通行不可なために自動車の通過交通が非常に少ない.トランジットモールではないが,日本でトランジットモールに実態が最も近い街路ではないかと思っている.電停でいうと,土橋電停から小網町,天満町を経て観音町までの街路である.

路面電車の走る通過交通の非常に少ない街路ということなので,何かのデータに使えるかもしれない.動画撮影+騒音計+レーザー距離計での幅員計測というフル装備で臨んだ.もっとも時間がかかるのが動画撮影だ.

往来の邪魔にならないように,そば屋の道をはさんで向かい側,マンションの前あたりに陣取って撮影開始.30分ほどで撮影終了…のつもりが,マイクのスイッチが入ってなかった.再度30分ほど撮影して終了…のつもりが…

…「何してるの? 結構長いことがんばってたよね」

あちゃぁ.欧州各都市でも同様に計測していると,結構な頻度で沿線住民から”職質”される.只の電車のビデオ撮影にしては時間がやたらと長いし,よく見ると単なるビデオ撮影には使わないものを持っていたりなんかして,,,はっきり言って不審人物だよね.そば屋の奥様から声をかけられてしまった.

”ビデオ撮影結果から歩行者と電車の位置関係を計測し,その相対的位置関係より歩行者の横断行動を”…などと説明すると余計にあやしい人物になりかねないので,つい…

「いやぁ,ここの電車の線路を南側の大きな街路に付け替えることになるかもしれないって聞いたので,撮影しておこうかなと思って」(まぁ,ウソではない)…が,どうやら”スイッチ”を入れてしまったようだ.

…「そんなことは許さない」

えっ!?

…「私たちは,ここに電車が走っているのを誇りに思っている.線路を付け替える話は断固阻止する」(という趣旨のことを言ってたと思う)

えっ!?
おそるおそる質問してみた.「細い街路に電車が走っていて,うるさいとか…」

…「そんなことはない!」

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2年以上経って,ふとテレビをつけると広島市内のような風景が映っている.そして例の「天満橋」が映され,電車と歩行者しか渡れない橋は今や珍しいという説明.その天満橋と電車の走る街路について熱く語る女性の姿が……………ぁあぁっ!

”世の中あんまり広くない”と,久々に思った瞬間であった.