北陸新幹線用電車水没

台風が北方に走り抜け,一夜明けたら大変なことになっていた.中心気圧が一時期915hpaだとかで風の心配をしていた人が多かったと思うが,大変な雨台風だったようで,各地で川が氾濫したり堤防が決壊したりしている.

長野市郊外では千曲川の堤防が決壊して大量の水が堤内地に流れ込み,大変なことになっている.北陸新幹線の車両基地がその決壊場所の近くにあり,北陸新幹線用のE7系電車(あるいはW7系電車)が7編成も水没している.計84両,被害額は車輌だけで250億円くらいか.さらに屋根付きの車庫の中にも別の編成があるかも.(→全部で10編成らしい)

JR東日本全体としては新幹線電車を多少やりくりできる余地がある可能性があるかもしれないが,北陸新幹線は電源が50Hzと60Hzの両方が混在していたり,碓氷峠や飯山付近の連続急勾配区間があったりする関係で,どの新幹線電車でも走れるというわけではない.

…ということで,たぶん関係者の皆さんは頭を抱えるとともに,当面どうやって新幹線を運転するか考え始めていると思う.

新幹線は車両の下の部分だけが水没しているだけなので,水が引けば使えるんじゃぁないの…と思うかもしれないが,車体そのものよりも床下の機械類の方が重要で,電車を大型機械としてみた場合は床下機器の方が実は電車の本体だったりする.電車が再使用できるまでにはかなり時間がかかるかも.

かつて国鉄時代(1982年)に関西方面で水害が発生した際,奈良県内の関西本線の電車の車両基地が水没し,電車が100両ほどが使用不能に.半分ほどは修理したものの,半分ほどは廃車になり,災害からしばらくの間は首都圏のお古の電車を急遽大阪周辺に持ってきて走らせていたかと思う.

当面はある程度運転本数を減らした上で上越新幹線用に新造したE7系電車を北陸新幹線に投入し,上越新幹線には東北新幹線用の電車を回して…古い電車でまだ廃車にしてないのがあったかなぁ,長野までなら東北新幹線用の電車を60Hzでも走れるように部分改修すれば,ゆっくりとなら碓氷峠を登り降りできるかなぁ,などと思案しているかも.

車両基地の立地についてもちょっと思うところがあるが,長くなりそうなので…つづく

#たぶん,今頃「電車を高架線に上げておけばよかった…」と悔やんでると思う.
#よく見ると車両基地の南西端に変電所があるように見える.こっちも水没してそうだが,車輌の水没よりも変電所の水没の方が運転再開の点では深刻な影響があるかも.

計画運休前日(金沢駅の場合)

10/12(土)は新幹線や在来線が計画運休するということで,前日のうちに移動しておこうという人が多数.東京駅が大混乱だったらしい.

…で,たまたま前日に金沢駅にいたわけだが,ここも大混乱の模様.

手前のカウンターは,「特設各種ご案内コーナー」のようで,奥の「きっぷうりば」がみどりの窓口だ.窓口に並ぶ行列がガラス張りの部屋の左側出入り口からはみ出し,折り返して右に続き,大規模お土産売り場の入り口で再び折り返し,また窓口入り口近くまで…といった具合.

最後尾の人が窓口にたどり着くには,2-3時間かかりそう.もちろん,自動券売機にも結構な列ができあがっている.

座席の埋まり具合的には,大阪方面の特急列車は全便ほぼ満席.東京方面の北陸新幹線はというと結構空いている.提供座席数が多いのもあるが,窓口の処理能力がネックで,席があっても販売できずに出発してしまっている感じか?

スーパー台風

数年前のドキュメンタリ番組で,地球温暖化が原因で海水温が上がり,シミュレーションしてみると東京付近にも猛烈なスーパー台風が上陸するようになり…

などという話があったわけだが,まぁ,まだまだ先のことかなと大半の人は思ってただろう.

そもそも東京付近て,勢力の強い台風の直撃ってあんまり無かったよね.枕崎台風とか,室戸台風とか,伊勢湾台風とかいったものはあったが,御前崎台風とか,相模湾台風とか,犬吠埼台風なんてのは無かったよね.(#60年前に狩野川台風というのがあったらしい.)

ところが,まだまだ先のことが意外と早く実現しつつあるわけで,某国大統領が温暖化など存在しないと強弁したところで現実の自然は納得してくれないわけで.

北欧の少女が叫ばずとも,まずい雰囲気になってきている.温暖化対策真剣にしないと,毎年鉄塔や電柱が倒れるレベルの台風がやってくるようになってきたのかもしれない.

我が国セクシー大臣に期待したいところだが,今のところ有効な政策が出されているわけでも無く,各方面に気を配りすぎて,発言が回りくどすぎて,残念ながら何を目指しているのか誰にも伝わらない状況か.

電気自動車の普及で温暖化解消,とか,自動運転普及で温暖化解消,などと踊っている場合では無い.残念ながら発電設備製造,発電,送電,充電,放電,走行の各段階でのロスの発生,はたまた電気運転であっても拡散した都市づくり,こういった状況下では電気運転といえども果たしてエネルギー効率がいいかどうか,CO2排出が少ないかどうかはあやしいわけで(ハイブリッド車程度では?,つまり,バスレベルね),これで解決するんかね,

自動運転に至っては,個別交通である自動車の利用を助長する技術なので,いくらカーシェアしても,渋滞しないようにコントロールしても,自家用車の悪い面をほぼそのまま引き継いでしまっている交通モードなわけで,状況悪化の予感しかしない.過疎地帯での交通維持には有効そうな技術なんだけどね.

#去年の台風21号はえげつなかった.マンションの上の方なので,これまでも風速20−30メートルというのは時々あったと思うけど,コンクリート台付き物干し竿がズルズルと風で押し流されたり,巨大プランターが数十センチ浮き上がったりと見たこと無い光景が現実になった.風速50メートルくらいあったんじゃないかなぁ.

トンネル残土

鉄道工事をすると,昨今は「トンネル残土」の処分に困ることが多いそう.

昔々その昔は,トンネルを掘って出てきた土砂は,そのまま別の区間の盛り土に使われていたかと思う.

確か,学生の頃の土質力学だったか施工学だったかの科目の教科書か演習書に,残土処理をしなくてもいいように道路とか鉄道の路線の線形を設計しろ(土砂の掘削量と盛り土の量を等しくするような地形を選び,勾配を設定せよということ)と書かれていたような気がする.

昨今は用地買収の容易さや騒音振動等の苦情を避けるためにトンネル部分が多くなり,さらには,盛り土に比べて市街地分断の心配が少なく,降雨時の管理もしやすい高架橋が多用されるようになって,結果として残土を再利用する場面が少なくなっているのかなぁ,と思う今日この頃.

新幹線のトンネル工事で出る重金属を含む土、いったいどこに持っていくのでしょうか。札幌市手稲区では受け入れ反対を訴える署名活動も始まり、市民の懸念の声はやみそうにありません。

情報源: <北海道>「受け入れ反対」署名活動はじまる(HTB北海道テレビ放送) – Yahoo!ニュース

バスカード(磁気)終了

日々使う近鉄バスの磁気カード(4400円分,売価4000円)が切れたので,販売を代理しているペコちゃんが店番をしているお菓子屋で買おうとすると,販売終了だというではないか.ありゃりゃ.

磁気カードに情報を書き込むエンコーダーという装置が何年か前にすでに製造中止になっているそうで,その影響がやってきたわけだな.

さて,このカード,かつては4650円分の度数があり,売価4000円であった.通勤時の利用区間の片道は当時片道240円であったので,毎月20日,40回乗車すると,運賃の支払いとしてはこういう額であった.

240円/乗車×40乗車/月÷4650円/枚×4000円/枚=8,258円/月

まぁまぁ結構な額である.

その後,4400円分,売価4000円となるとともに,片道250円に値上げされたので…

250円/乗車×40乗車/月÷4400円/枚×4000円/枚=9,091円/月

つまり,なんだかんだと10.1%も値上げされている.そのカードが終了となると,月に1万円も払うことになる.バスに乗るの止めようかな.

毎日乗るなら定期券というのが普通の選択かもしれないが,このバス会社,果たして定期券を売る気があるのかどうか疑わしい.

通勤用定期6ヶ月,乗車区間は「2区」という区分になるようで,その値段はと言うと…

55,890円

サイトには料金の計算式が載っており,1ヶ月定期は「運賃×60×69%」らしい.月に約42回乗らないといけないので,年間の全ての週の月−金で往復するような前提だ.うーん.

6ヶ月定期は,「1ヶ月定期×6×0.9」らしい.要するに正規運賃の62%だ.これでも月に約37回乗らないといけない.

年間365日あるが,週休2日を基準とすると土日で104日,祝日等で約20日,盆と正月に例えば計10日,年次有給休暇の5日休むと,出勤するのは226日くらい.約62%だ.正規運賃払って乗るのと定期券買うのとでは,支払額はほとんど同じでは? 売る気あるのか?

しかも,定期はいったん払ってしまうと予定外に使わなかった場合(出張とか…)は無駄になるが,正規運賃はその分支払いが減る.定期は乗り降り自由とはいうが,乗り降りしたくなるような路線でも無いし… 売る気あるのかなぁ?

この件,10年以上前にも書いているが,何の改善もない模様.

1円たりとも損はしたくない,という行動が客を逃がすかもしれないという構図.

 

芳賀・宇都宮LRTただいま建設中(5)

2022年には走る芳賀・宇都宮LRTの工事の様子,Part 4につづいて,Part 5だ.

「最終コーナー」を曲がると,「かしの森公園」という公園がある.運動場が主体の公園のようだ.

さらに進むと,本田技研工業の工場があり,このへんがLRTの終点になるようだ.

この工場まで従業員輸送なのかな…と思いながら辺りを見回すと,こういう風景が広がっていた.

「9・11P」と言うことは,第1から第8,第10駐車場もどこかにあるということか?

気になるので,GoogleMapで様子を見ると…ありゃ,駐車場だらけだ.工場の面積の1/3くらいが駐車場? これじゃぁ工場のために用地確保したのか,駐車場のために用地確保したのかわからない.そういえばトヨタの工場も従業員輸送に苦労していて,愛知環状鉄道の輸送力増強につながったかと思う.

気になるので,手前の芳賀町の工業団地も見てみると…ありゃ,こっちも駐車場だらけだ.さらに宇都宮市内のLRT沿線になるはずの清原工業団地も…やっぱり駐車場だらけだ.帝人の宇都宮事業所の北東側の駐車場はかなり巨大だな.ざっと見てこの駐車場だけで収容台数4000台かな?

なーるほど,芳賀・宇都宮LRTは,「まちづくり」という視点というよりは,切実な産業政策上の課題解決ツールという役割かな.

#電動アシストチャリで宇都宮駅から約15キロ.バッテリーが切れてしまって帰りのペダルの重いこと重いこと.

(おわり)

新幹線で農産物を輸送

日本郵便とJR東日本は2018年11月5日(月)、両社の輸送網を活用した物流トライアルを行うと発表しました。

情報源: 新幹線で農産物を輸送 朝収穫、東京で午後販売 日本郵便とJR東日本が試行|ニフティニュース

去年の秋にこういう話題があった(もうリンク切れてるかも).その後どうなったかについてはよくわからないが…

今年6月には長野からも「第二弾」が実施され,「あんず」が輸送されているようだ.

そろそろ第三弾の季節?

なお,(もう止めちゃったけど)過去にはフランスのTGVで郵便物輸送してたわけで,農産物だけじゃなくて,東北とか北海道とかあたりから小包とか宅配荷物とかを輸送するってのもありかも.

在りし日の「La Poste 用TGV」(2014年9月,パリにて)

インフラ企業と地元の関係

マルウェア対策のために当サイトを数ヶ月休止していたが,再開しても相変わらず長崎の新幹線の件静岡のリニアの件は解決できずにこじれたままなワケやね.

そうこうしているうちに,ここ数日で関西電力幹部が若狭湾の電源開発がらみで地元から金品を受け取ったり,関連会社の役員にして利益を渡したりと,なかなかのズブズブぶりが発覚したわけだが…インフラ企業と地元の関係という視点からすると,これは静岡の件の真逆なんだなぁ.

静岡のリニアの件は,地元対策の経験が少なすぎる企業が「まぁイケるやろ」と甘い見通しで進めた結果,こじれってしまった件.

一方,関西電力の件は,地元対策の重要性を知りすぎていたがために,ズブズブになってしまった件.

どちらも,過ぎたるは尚及ばざるがごとし,か?

芳賀・宇都宮LRTただいま建設中(4)

2022年には走る芳賀・宇都宮LRTの工事の様子,Part 3につづいて,Part 4だ.

市民センターを過ぎても,工業団地はつづく.

工業団地内の道路は,交通量に比べてやたらと幅員が広く,車道だけで4車線,両側と分離帯に植樹,緑地帯付きというものなので,LRT軌道を敷設するのはかなり容易そう.

この右側の整地された空間はLRT予定地か?

沿道には有名企業の工場が並ぶ.

もしかして,今写しているこのカメラのレンズはこの工場製か?

LRT予定地?は続く.

工業団地が終わっても,その先,LRT予定地の延長方向では何やら工事をしている.

そして,次の交差点を曲がると,郊外に向かう,よく見るような構造と沿道—ロードサイドショップが建ち並ぶ—が目に入る.

あと3年で,ここをLRTが通るのか? 工業団地と違って,車道を削るか沿道の用地を削らないと軌道敷設は難しそう.

このあたりはテクノポリスという名前が付いているようだが,テクノを感じさせるものは無さそう.単なる郊外開発地といった感じ.清原工業団地の方がテクノっぽい.

さらに進むと,ついに宇都宮市内を突破し,隣接する芳賀町に突入.すると,再び工業団地になる.工事はまだ始まっていないが,ここも幅員は広く,軌道用地の確保はさほど難しくはなさそう.

そして「最終コーナー」を曲がる.

つづく

芳賀・宇都宮LRTただいま建設中(3)

2022年には走る芳賀・宇都宮LRTの工事の様子,Part 2につづいて,Part 3だ.

鬼怒川を渡った東側では工事が進んでいる.

近づいてみよう.

次の停留所の予定地だ.

ここからは小さな丘を切り通しで抜けて…

丘の反対側でも工事中.

完成するとこんな感じになるようだ.

高架橋のまま田んぼを越えて,台地の上の学校(宇都宮清陵高校)の横に至る模様.

ここを通って…

隣の学校(作新学院)の横の林の部分を通る.このへんに電停設置か? 海外のLRTのルート取りを見ると,必ず沿線に学校がある.ここも沿線に学校2つ.

樹木には何やら印が付いているようなので,伐採対象か?

丁字路を左に曲がる.このへんは工業団地になっている.従業員輸送のニーズはありそうだが,どの程度の人数を雇用しているんだろうか.

住友電工産業の前で右に曲がり…

この写真の右側を走って…

清原地区の市民センターなどがある地区付近に達して,そこに電停ができるはず.

つづく