三葉の乗った列車はどこに向かうのか?

ファンタジーにいちいち突っ込んではいけないとわかってはいるものの,気になるものは気になる.ただでさえ時間軸がずれた上に入れ替わりがあるので,話の筋がややこしい.その上に鉄道関係の描写がいい加減なので,訳がわからなくなってくる.

ということで,例の人気映画の鉄道関係気になる点いろいろ.

(その1)
2013年10月3日,三葉は東京に日帰り往復するが,最初に乗る列車が「美濃太田行き普通列車」.つまり,高山線を南下するわけだ.
ところが,車内で三葉がたたずむ様子では,三葉は画面左側の席(進行方向右側)に座っており,陽光が窓から差し込んでいる.
高山線がいくら曲がりくねっているからと言って,朝日が西から差し込むわけはないので,この列車は北に走っている.富山駅方向に向かっているのか?

(その2)
上の続き.三葉は新幹線に乗車し,三列席に座っている.つまり海側だ.車窓はなぜか山が画面左から右へと動いている.もちろん,海側に座っても三島-熱海間あたりでは山が左から右へと動くこともあるが,なんか変だ.

(その3)
さらにその続き.東京が近づいてきて,東京タワーが車窓に登場.ただし,風景は左から右に動いている.逆だろ.

(その4)
最後の方の場面.三葉がすぐ隣を併走する電車の方を見ていると,瀧の姿が目にとまる.その電車は隣で併走していたかと思うと,徐々に間隔が開き,その瞬間,逆方向の電車が視線を遮る.その「逆方向の電車」は一体どこの線路走っているのか? 謎である.

(その5)
上の場面の直前の場面での三葉の乗った電車の走行方向と,その直後の電車の走行方向が逆になっている.同じ電車のはずだが,謎である.

(その6)
瀧と友人2名が飛騨を訪れる際に乗車した新幹線.3名は三列席に座っているが風景が後方に流れている.東京に戻っているのか?

(その7)
名古屋駅での乗換時,通路をなぜか乗換口方向に歩いている.歩く方向が逆では? 弁当買うためにいったん改札外に出て,在来線用の改札から入り直したのか?

#気になる点いろいろ天文編も書いてみたいが,やめとく.

【祝】新車導入-和歌山線・桜井線に投入 – 車載型IC改札機…

JR西日本は7日、和歌山線・桜井線で運用している105系・117系の置換えとして、車載型IC改札機を搭載した227系を導入すると発表した。

情報源: JR西日本227系、和歌山線・桜井線に投入 – 車載型IC改札機を搭載 | マイナビニュース

大半の人には新しい電車が導入される話など,どうでもいい話だろうと思うが,この路線の電車は…

…電化開業して以降,そのままである.

電化開業はいつだったかというと,1984(昭和59)年なので,34年前だ.そんでもって,その電車はというと,当時東京で余っていた電車を改造して持ってきたものなので,元々は1970年頃の製造だ.ほぼ50年もの.

新車導入,めでたし.めでたし.

ところで,この新しい電車には「車載型IC改札機」なるものが搭載されると書いているが…

https://news.mynavi.jp/photo/article/20180307-596457/images/003l.jpg

これって,もしかして「バスのICカードリーダー」そのままじゃん.

モノは言い様だなぁ.

#学研都市線や京都線神戸線の普通電車には,使われていない運転席つき車両が2両ずつ挟まっているので,きっとこれを寄せ集めて仕立てるんだろうなぁ,と思っていたが新車を準備するのね.

12時40分発パリ行き

「12時40分発パリ行き」じゃなくて「15時17分発パリ行き」じゃないの? …といわれればその通り.

2015年8月21日,アムステルダム15時17分発,パリ北駅行き,タリス9364列車が,ベルギー国境を越えてフランスに入ったあたりでテロリストが車内で自動小銃をぶっ放したわけだが,折しも休暇中の米兵友人らが乗車しており,取り押さえたという事件があった.

列車としては,これ(右から2番目)ですね.

平日はリール行きだが,週末だけパリ行きになり,ブリュッセルからは増結編成がくっつくというもの.

ベルギーからパリへは高速新線を300Km/h運転するが,当該列車内で事件が発生した時点では列車はこの辺を走行しており,急遽その先のジャンクションから(高速道路のインターで一般道に降りるように)通常路線に移り,アラス駅に臨時停車したようだ.

映画は,列車内で犯人を取り押さえた3名本人を出演させて撮ったものだが…うーん.

主人公たちの生い立ち40分+直前の旅行記20分+車内の再現ドラマ30分,といった構成だ.前半の40+20=60分については,15分程度にまとめた上で,犯人の背景を追加,列車そのものの乗客のインタビュー等を追加し,再現ドラマ30分はそのままならば,いいドキュメンタリテレビ番組になったと思う.

これから映画を見に行こうとしている方には,毎月1日とか,20日とか,火曜とか,木曜とか,早朝上映とか,そういった機会を狙った方がよさそう(かなり遠回しな表現).

さて,本日の話題のタイトルがなぜ「12時40分発パリ行き」かというと,この事件の3週間後に調査旅行の行程上でケルン12時40分発パリ行きタリス9448列車(上の時刻表の左から2番目)に乗車したわけだが,そのとき,なぜタリスが狙われたのが何となくわかった.

1等車に乗車したんだが,乗車時にも乗車中にもチケットを一切確認することは無く,ほったらかし.無賃乗車してもわからないような列車だった.

映画中でも主人公たちは2等車から勝手に1等車に移ってドリンクサービスを受けてしまう場面があったが,まさしくその通り.事件発生時は車掌が乗客をほったらかしにして便所に立てこもってしまったらしいが,想像できてしまう.

残念ながら乗務員に責任感の感じられない,そういう列車であった.

都道府県GDP愛知に抜かれ大阪3位転落

大阪府が9日に発表した2015年度の府内総生産は39兆1069億円。前年度比2・4%増だが、愛知県の県内総生産39兆5593億円と比べると、約4500億円下回った。

情報源: 都道府県版GDP、大阪は3位に転落 愛知に抜かれる:朝日新聞デジタル

 

2年ほど前の話題ですが,このへんを読んで復習しておきましょうね…

第1話-新幹線偉大なり編第2話-産業振興vs交流編第3話-他の交通機関編
第4話-東海道vs中山道編第5話-新幹線駅が都市圏形成編第6話-駅アリ>駅ナシ編
第7話-20年差が命取り編第8話-後手必敗編第9話-東密西粗編編
第10話-リニア編

# うまく事が運んでないと,視点が近視眼的になって内向きになるんだよねぇ…

山形新幹線最弱伝説-返上への道

山形新幹線の福島県境部の抜本的な防災対策に関し、トンネル新設の概算事業費を1500億円と試算したJR東日本の調査結果を踏まえ、吉村美栄子知事は1日、JR東日本本社(東京)で冨田哲郎社長と面談し、トンネル整備の早期事業化を要望した。

情報源: 福島県境のトンネル新設、JR東に事業化要望 吉村知事|山形新聞

ちょっと前の新聞記事.まだリンクつながってるかな.

山形新幹線は「新幹線」なのにすぐ止まるという話をしたが,手をこまねいているわけでは無さそう.

福島-山形間の県境,つまり板谷峠に新しいトンネルを掘って「山形新幹線最弱伝説」を返上しようとしているようだ.

この区間は全幹法に基づく基本計画区間でもあるので,この際トンネルを掘るなら将来を見越してフル規格新幹線電車の走行が可能な形で掘るのが当然だろうとは思う.

短期的な目先の支出にとらわれるのか,それとも長期的な出戻り作業を避ける形で建設するのか,注目の案件だな.

団子と御食事券

ガキンチョの頃の誤解.それは「団子」と「御食事券」.なぜテレビのニュースで取り上げられるのか,わけわからず.

なんとなく,みんなで「うまいもん食ってたのかなぁ…」と思っていたが,当たらずとも遠からずであった.

さて,「久々の食い放題!」と思っていたら大目玉を食らったわけだが,公金投入がされていることをすっかり忘れていたことが大きいかも.

3兆円とは,鉄道会社と建設会社が頑張って頑張って頑張ると,何とか数年遅れで全線完成できるように,そして「金が無いから無理」と言わせないように設定された金額なんだけどなぁ.

「食い放題!」のためではありません.

#各社とも,自らがガリバーであることも忘れている.当然目立つし,模範的行動も要求される.
# 不思議なのは,かなりの額の金銭的損害を被っているはずの施主が,鷹揚に構えていること.普通なら賠償請求を即座に検討しているレベルだと思うんだがなぁ.

三葉の東京滞在可能時間

ファンタジーを真剣に考えてはいけないのは重々承知だが,気になるの調べてみた.

三葉が彗星落下の前日,瀧君の動向が気になって飛騨地方から東京まで日帰りしたわけだが,果たして東京に何時間いることができたのだろうか.

2018年ならば,高山線を北上して富山から北陸新幹線に乗るのが最速ルートで,10時半頃には到達できる.だが,2013年なら素直に南下して名古屋を目指すことになる.飛騨北部って北陸新幹線沿線エリアなのね.

さて,2013年10月3日の朝,三葉は登校するかと思いきや汽車に乗って東京に向かってしまう.最初に乗る列車は「美濃太田」という行き先だ.

朝の美濃太田行きは1本だけなので,これに乗車すると,東京の四谷界隈には最速で12時41分に到着する.発地は彗星落下地点推定で登場した「打保」にしておく.

復路は最も遅い乗り継ぎを検索するとこうなる.

ということで,午後3時半頃には帰路につかなければならない.日帰りの場合は東京での滞在可能時間は,2時間48分だけである.三葉にはあまり時間が無かったわけだ.

短かぁ〜.

#1 2018年3月現在なら,始発で富山方面に向かうと四ツ谷駅10時39分着,終電だと四ツ谷駅17時04分に出ればいいので,滞在可能時間は6時間25分に拡大する.北陸新幹線最強なり.
#2 三葉と四葉の登校時間帯は午前7時半過ぎのようなので,この時刻だと美濃太田行きは高山以南を走行しており,いろいろと映画中の設定はつじつまが合わない.…が,そもそもファンタジーである.きっと,その日だけ早起きだったんだ.
#3 三葉が瀧を電車内で見つけた頃には日は傾いてきている描写になっているが,実はもう家に帰れない.…が,そもそもファンタジーである.

山形新幹線最弱伝説

山形県民から靴が飛んできそうだが…

今年1月下旬の大雪の際には…

そして,先日も…

山形新幹線だけとまっとるやんけ.東北を走る「新幹線」なのに,雪に弱くてどうする.もっとがんばらんかい.

…とは言っても,新幹線とは名ばかりで,設備がほとんど在来線なので割とよく止まる.

#秋田新幹線も結構雪に弱い.雨で止まるのも山形新幹線や秋田新幹線である.

北陸新幹線最強伝説

先月2月上旬の大雪の時,北陸本線の特急は大混乱,と言うか,身動きできず.

その際,目を疑うような迂回の案内がwebサイトに出ていた.

 

金沢から大阪や名古屋方面に行きたければ,北陸線新幹線で東京に行き,東海道新幹線で西に向かえ,ということである.

北陸新幹線最強伝説の誕生である.

#この話題,先日(3/1)の参議院でも取り上げられていた.

’18年度は整備新幹線772ppm

2018年度予算案が衆議院を通過したようだ.予算総額が97兆7128億円.

鉄道関係の予算については,この資料に書いてあるが…

新幹線3,480億円とな.前年度比1.32倍なり.

…がしかし,国交省の他局は国費ベースで書いてあるのに,なぜか鉄道局は国費ベースでなくて事業費ベースで書いてある.国費がいくらなのかはよく見ないとわからないようにしてある.事業費ベースで書くと,国費以外の財源も含めて書くことになるので,「立派に見える」からかな?

資料をよく見ると,国費は754.5億円.つまり変わってない.

ということで,例年通り国家予算総額に占める濃度を計算してみよう.

754.5億円÷97兆7128億円
=0.000772160863265
=0.077216086326459 %(百分率)
=772.160863264587649 ppm(百万分率)

そう,次年度は772ppmだ!(濃度下がってるぞ)

※ざっくり言って,電子顕微鏡の倍率が100万倍らしい.