続きである.
北陸新幹線「高架の」京都駅の西側方向のうち,今回は貨物駅(京都貨物駅)付近の検討である.前回は移転の可能性について書いたが,移転不能だった場合についても検討しておこう.今回は,「京都貨物駅にはこんなにたくさんの線路いらんだろ」という話である.
現在の京都貨物駅の中央部の線路配置はこんな感じ.コンテナの積み下ろしができる荷役着発線が2本と,単に貨物列車が停泊できる着発線が5本(1〜5)である.✕印の線はどこにもつながっていない未使用線だ.荷役線については,構内配線的に北側の荷役着発線は主に上り列車用,南側は上下両用か.
昔は着発線に貨物列車が到着したら,貨車の一部または全部を架線を張っていない荷役線に入れ替え,積み下ろしをしたら再び着発線に入れ替えをして,そして出発という手順であった.コンテナ貨車が一般化する以前のさらに大昔は,着発線に行先別の貨物列車を並べておき,1両ずつ行先を振り分けて増結してゆくという方式であった.なので,着発線はたくさん要った.
だが今は荷役線にも架線が張られ,荷役線に直接貨物列車が到着して積み下ろしをして,そのまま出発してゆく.「ホーム」の無い着発線は,単なる時間調整の待避線代わりに使うか,荷役線がいっぱいのときの待合場所になっている(かな?).・・・ということなので,昔ほど着発線は数多くは必要ない.
では,比較的最近整備された京都貨物駅と同規模の貨物駅を見てみよう.下の写真は鷹取に移転した神戸貨物ターミナル駅である.
旅客線に挟まれた構造だが,構内配線から見て「ホーム」の北側は上り荷役着発線,南側は上下両用の荷役着発線のようで,(2)の着発線は荷役線としても使えるようになっているようだ.構造的には京都貨物駅とよく似ている.
この駅の基本構造は荷役着発線が2本と,着発線が4本(うち1本は荷役可能)である.
ということは,京都貨物駅も着発線は4本でも特に問題ないということかと思う.というわけで,新幹線の敷設空間は,「はるか」と書いた線,および着発線5本の内の1線,計2線分を転用という方針にしてみる.(はるかが山科駅発着になった時点で,「はるか」と書いた線には特急はるかは走らなくなる.また,電車区から京都駅に向かう列車については,桂川橋梁の東側に旅客線への渡り線を設ければ,この線を走る必要がなくなる.)
なお,神戸,京都両貨物駅とも,ホームは約500mで25両のコンテナ列車(1300t)対応.300m長(15両)程度の短編成なら引上げ線を使って荷役線と着発線間で入替えは可能なように設計してあるっぽい.
話が長くなってきたので,続きは次回.(つづく)