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ショッピングセンターと同じ方式なのね

地方都市の駅には,駅前駐車場は当たり前.ここは送迎対応だろうか,20分まで無料のようである.

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それ以降はドンドン額が上がってゆくが,鉄道利用者には割引がありそうなことが書かれているように見える.

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ラッチ内の改札横にはこういう機械が置かれていた.ショッピングセンターの総合案内とかに置かれているのと同じ機械である.これに駐車券突っ込むと割引されるわけね.なるほどぉ.

 

国内幹線鉄道網に忍び寄る乗継ぎ割引解消の甘い誘惑

新幹線と在来線特急を乗り継ぐと在来線特急料金が半額とか,直通運転している新幹線の特急料金は通しの料金体系とか,そういった印象があるが最近は段々と違う方向に向かっている.

山陽新幹線と九州新幹線は直通運転しているが会社をまたいで乗車すると急激に料金が上昇するし,東北新幹線と北海道新幹線については料金が高いことが新聞沙汰になってしまった.目立たないが北陸新幹線も会社境界をまたぐと高くなる.

在来線と新幹線の乗り継ぎも,いつの間にか九州島内の特急と新幹線の乗り継ぎ割引制度は無くなっているし,山形と秋田の両「新幹線」は在来線区間の特急料金は半額では無くて約3割引にしかなっていないので,通しで乗ると結構割高である.そのほかにも「あれ? ここって乗り継ぎ割引無いの?」と思う箇所はいくつかある.

もちろん鉄道事業者の言い分としては「もともと1本の列車だったものを部分的に新幹線にしたから乗り継ぎ割引にしていただけであって,もともと別列車だったところは割引にはなりませんよ」だろう.

だがしかし,客はそんなことは知ったことでは無い.比較対象は並行する航空路線であったり,高速路線バスであったり,マイカーであったりするわけだ.実際の支払額が高ければ鉄道の競争力は失われ,回り回って地球環境をも悪化させる.

「乗り継ぎ割引解消で増収」なんてこと考えてませんか? 消費税率上げて,かえって税収低下を招いた某国政府のアホな政策は他山の石ですよ.

 

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(新編)

以前,大阪与党の都市計画や交通計画がらみの方針案は妥当な案かどうかについて考えてみた.OSバージョンアップの失敗で,リンクが切れてしまったようなので,あらためて並べてみると以下のようになる.

第1話-新幹線偉大なり編,第2話-産業振興VS交流編,第3話-他の交通網編
第4話-東海道VS中山道編,第5話-新幹線駅が都市圏形成編
第6話-駅アリ>駅ナシ編,第7話-20年差が命取り編,第8話-後手必敗編
第9話-東密西粗編,第10話-リニア編

VOL.5編,VOL.6編,VOL.8編-その1,VOL.8編-その2,VOL.8編-その3
VOL.9編,VOL.10編, VOL.11編, Vol.12+Vol.13編

あれ?住民投票できるんじゃなかったの??
大阪府市統合+道州制=関西総大阪化計画??
毎年2200億円あったらできること
「2200億円」は無かったんや・・・で?
大阪府市統合+道州制=神戸市が州都?
大阪府市統合+道州制=地図に残るは「大阪駅」のみ?
ドーナツの認識方法について

政党がくっついたり離れたりと言った事情の詳細にはついてゆけていないが,とりあえず新しい党になったらしい.ということは政策もリニューアルされている可能性があるので,再度検討してみよう.(今日はここまで)

 

 

今日の魔除けのお札→日本国憲法第21条
あーこわいこわい

平成28年度鉄道関係予算概算要求

平成28年度の鉄道局関係の予算概算要求概要をみてみよう.
資料はこれ→ http://www.mlit.go.jp/common/001101353.pdf

まず,鉄道局の概算要求額そのものであるが,約1163億円.対前年度比1.14倍.

ここだけ見るとおぉ,増額している!となるのだが,国土交通省の概算要求額全体では約6兆7千億円ほどなので,比率は約1.7%である.国全体での予算総額は98兆6千億円ほどなので,国家予算に対する鉄道関係の予算は約0.118%である.

前年度比増額していること自体は評価してもいいのだが,その絶対的な比率は絶望的に小さい.

比率10%というと,こういう感じ.
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比率1%というと,こういう感じ.国交省予算に対する鉄道予算の比率のイメージはこれに近い.
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そして,比率0.1%というと,こういう感じ.国家予算に対する鉄道予算の比率のイメージはこれに近い
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なお,新幹線に投じられる予算は,鉄道関係予算の,さらにその一部であるという事実.

もっとがんばろうよ…

TPPと鉄道

TPP参加で貿易が盛んになると,農業等は大変になると言うが運輸部門はどうだろうか.

一応,輸送されるものが多くなるので,貨物輸送は盛んになりそうである.

一方で旅客部門は?

投資がしやすくなるので,資産の割には株価が安いといわれている日本の鉄道会社は,片っ端から株式が買われまくって,資産を切り売りされて…という可能性が無いではない.西武鉄道が(あまり事業に理解のない株主で)大変なんだったっけ?

それから,無いとは思うが,整備新幹線は公設民営なので「どうして特定の会社に国は便宜を図っているんだ.オレにも高速鉄道事業させろ」と言ってきて,新幹線事業に外国の会社が参入してきて,LCCの新幹線版みたいなのを走らせようとするかもしれない.

もちろん,整備新幹線以前の既設新幹線も安泰では無いかもしれない.「独占事業だ! おかしい!」などと言われてしまう可能性無きにしもあらず.通信事業を見てみるといい.電話事業は元々NTTの独占だったが,「末端部分の電話線使わせろ」によって,あっという間に各社参入した.将来的には技術基準さえ合っていれば第三者への事業参入を認めざるを得なくなる可能性もある.

電力会社も発送電分離されてしまうが,鉄道会社も将来的にはインフラ部分と運行部分を半強制的に分離させられて,運営部分は多数の事業者が乱立する状況という未来が無いではない.欧州では一部ではそういう様相を見せ始めている.

 

列車版LCC

欧州では,線路とその上の鉄道運行が基本的に上下分離されている.旅行者としてはICEやTGVをよく使うのでほとんどそのことを意識することはないのだが,最近,特にドイツなどでは比較的近距離の都市間連絡列車で,見かけない会社の列車を見かけることが多くなってきている.

例えば,この列車.

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機関車は比較的最近の機関車で,確か発車時には「ドレミファソラシド…」という音を発したはず.けど,よく見るとかつては書かれていた「DB」の赤い文字が無い.

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ハンブルグとケルンを結ぶ列車のようである.

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車両は結構年季の入ったもので,元オーストリア国鉄? 土手っ腹には大きく「HKX」と書かれている.

ハンブルグとケルン間ならICE等を使って移動するのが通常の方法だが,同じ線路上を別のHKXという会社(私鉄)が列車を運行しており,ドイツ鉄道の列車に乗るよりも安価に移動できるようになっているようだ.

ただし,車両はお古の使い回しであり,とにかく安く,しかも早く移動したいというニーズを満たしているようである.

ユーレイルパスでも乗れるようだが,良い時間帯の発着時間は確保できていないようで,あまり便利では無い.しかもICEにも乗れるチケットでわざわざ選択するような列車では無い.

だが,地元の人にとってはこういった別の選択肢も準備されているのである.

日本では,都市内交通が自由化されている一方,新幹線を含む幹線鉄道および同じ線路上を走るローカル列車の運営は国鉄時代からの地域独占が継続しており,ユーザーの選択肢は限定的である.

フランスの鉄道博物館の収蔵物(パリ発ロンドン行編)

古い欧州の時刻表を見ていると,パリ発ロンドン行きとかそういった列車が存在していることに気がつく.1990年代後半の話ではなく,1950年代とかそういった時代の話である.

パリ→鉄道→連絡船→鉄道→ロンドン

こういった乗り継ぎルートを「パリ発ロンドン行き」として一括表示しているのだと思っていたが,どうやらそうではなかった.本当に「パリ発ロンドン行き」という列車があったようである.

ミュールーズにある鉄道博物館の展示物にこういうものがあった.まずは,古い機関車.これは「パリ発ロンドン行き」に使われていたもののようである.

IMG_4034そして,その傍らにあるヘッドマーク,これが答え.

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さらにこんな模型展示もあった.

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なるほど,「パリ発ロンドン行き」である.日本にも鉄道連絡船は存在したが,基本は乗換であったかと思う.欧州では現在もデンマークがらみの列車の一部に,旅客列車をそのまま航送している列車が存在する.

 

 

 

ダブルスリップ×10以上

またまたバーゼル駅である.この写真にヨーロッパの駅の独特の構内配線が写っている.便利でもあり,遅れの原因でもあり.

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この線である.端っこから端っこまで斜めにゴリゴリと全線路を横切る渡り線.そして横切る際にはご丁寧に全箇所ダブルスリップスイッチ,つまりどちらから進入してもどちらにでも出て行けるという便利な分岐器が設置されている.この駅は左手前から右奥方向だけだが,駅によっては右手前から左奥方向にも設置されていることがある.

IMG_3315便利な分,高価であり,複雑である.そしてなによりも,これを使って端から端までゴリゴリと列車が駅に出入りしている最中は,他の路線の列車の発着が一切できなくなるので遅れの原因にもなる(高価でメンテが大変で遅れの原因になるので,日本ではまずやらない使い方らしい).

でも,これ見るとヨーロッパに来たなという実感があるよね.

 

 

フランスあるある(その4)

フランスあるあるシリーズの最新版である.旧版はこちら(その1)(その2)(その3

  • 入国管理の列が長いと,「はーい,日本人はこちら」と言って,なぜかEU住民の窓口へ誘導される.滞在期間もどこに行くのかも聞かずに判子を押してくれる.
  • 主要駅には兵士が自動小銃を持って警戒している.しかし,駅前広場には誰のものかわからないスーツケースが数個積み上げられて放置されている.
  • 田舎の小都市で,おばちゃん一団がなぜかローカル列車の乗り換えについて質問してくる.どうしてデカい荷物を持った東洋人が知っていると思ったんだろう?
  • フランス語で「私はフランス語をしゃべれません」と言うと,なぜか納得してくれる.
  • 中心街でバスや電車や交差点の標識にカメラを向けていると,「あの丘の上の要塞から写すといい写真が撮れる」と優しく教えてくれる.(まぁ,変な観光客だわな)
  • チューリヒ行きのTGVは定刻にパリを出発する.珍しく順調に快走.途中駅に5分早着する.
  • ローカル列車も例のごとく,30秒前には車掌は笛を吹く.客が少ないのでドアは早々に閉まる.そして定刻前に出発する.
  • 地域急行TERの車内が混んできても,最後まで東洋人の隣の席は空席.そして,よくしゃべるおばちゃんがそこに座る.
  • 車内検札の巡回がさっぱり来ないのに,なぜかピンポイントで検札される人がいる.

二階建て列車(ダブルデッカーとは言ってない)

大きな駅付近で線路を眺めていると,いろんな列車が出入りして面白い.特にここ,スイスのバーゼルはスイス国内の要衝であるほか,ドイツやフランスからも路線が乗り入れており,さらに車両基地まで隣接しているという立地である.お弁当を持って一日中観察したいくらいだ.

さて,しばらく見ていると車両基地からバーゼル駅へと向かう列車がゆっくりと足下を通過して行く.ゴトン,ゴトン.

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ん?

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なんか変だぞ.

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二編成併結の「二階建て」列車である.

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日本の感覚では編成の途中に機関車がはさまっているのは変だが,こちらの機関車は機関車のようで機関車ではない.遠隔操作できる電動ユニット車と表現した方が分かりやすいかもしれない.

そういうわけで,進行方向の先頭の運転台で2つの機関車を同時に制御すればこういうこともいとも簡単にできてしまう.

ま,TGVやICEも電車のようなフリをしながら,その実,機関車が客車をPush&Pullしているわけなので,TGVやICEが2編成併結できるのなら,上の写真のような光景も別に不思議でも何でもないわけだな.