鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(京都駅東側編- ver. 1.5)

続きである.前回の続きではなく,京都駅およびその東側の話が少々荒かったので,その解像度を上げたVersion 1.5である.

まずは駅西側.タキイ本社やホテルの前の部分は相変わらずギリだが,駅構内に入ってしまうと配線を整理すれば高架橋の足の場所(黄色)はありそう.急カーブもなく高架の北陸新幹線京都駅へ.

 

北陸新幹線ホームは在来線用の橋上駅舎のさらに上なので,地面から+20m程度.1番線2番線の間の貨物列車の通過線や3番線4番線の間の留置線に高架橋の足を確保するとともに,2番3番線のホーム上に1本足を立てれば幅20m程度の2面2線の新幹線駅は作れそう.コンコースは在来線橋上駅舎を拡大する形で2階部分か.自由連絡通路から直接入れる北陸新幹線西口と在来線跨線橋からの乗り換えになる北陸新幹線東口,後はエレベータで地下通路への連絡口かな.

工事は大規模になりそうなので,一旦2番線3番線の機能を停止して工事をすることにして,(ちょっと狭いが)米原方面は4番線5番線に移し,大阪方面は6番線7番線でやりくりするかな.

東側はそのままの高さを維持して,少し南にズレて奈良線の直上へ.一応,タカバシはアーチの上を超えられる高さにしてある.引上げ線を廃止して在来線の大阪方面の2線を1線分北にずらして高架橋の足場を確保.これならギリ現有鉄道用地内で処理できるか? 無理でも用地買収は最小限.西側と同じく,駅構内の配線を整理すれば高架橋の足を立てる場所は確保できるかも.奈良線の直上に達したら,最大限の勾配でだんだん地上におろしてゆく.

奈良線が南に向くあたり以降は,大阪方面の2線の直上へ.高架橋の足は引上げ線部分と最小限の用地買収をした線路南側.線路の高さを下げながら鴨川へ到達.高架橋の高さ10m.鴨川を渡りきったところで7m.

鴨川を渡る間に米原方面の2線を北側にずらす.以後,線路の北側は新規買収して米原方面の2線を北側に通す.北陸新幹線は在来線の複々線の間に入れて高さを下げてゆく.

鴨川を渡って東海道新幹線が東山トンネルに入るあたりで北陸新幹線も在来線と同レベルへ.北陸新幹線はさらに勾配を下ってゆく.

東大路を超えた先で-10mに達し,トンネルに入る.そのまま南へ.

 

ということで,工事はめんどくさそうだが,一応できそう(かな?).面倒くささは,上野東京ラインの工事なみ?

次回はペンディングにしている「準備工事」の話へ.(つづく)

 

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(桂川の西側編-2)

続きである.

桂川をわたった先,山岳トンネルに突入するまでの約3kmの話である.

桂川の堤防の頭の標高は概ね24m,堤防の外側の平地の標高は概ね20m.新幹線の高架橋が東から桂川に到達した際の新幹線線路の高さは在来線(貨物線)の上7m(新幹線線路の標高31m)としてみる.

桂川を渡るうちに在来線の直上から北にそれる必要があるので,100m程はそのままの高さを維持し,その後,30‰の勾配で標高を下げ,桂川の右岸(西側)堤防で24mに達し,そこからは35‰の勾配でさらに下ると,桂川街道という4車線道路にぶち当たる.この段階で標高12m,地下8mなので,ギリ道路直下を横切れる.

さらに地下深くまで潜り,この地区を東西に横切る件の道路直下に達する段階で地下24m.特に問題なければオープンカットで工事ができる程度の浅い地下でもいいとは思うが,上下水道等あると思うので,一応,このくらいにしてみる.土被り15m程度か?

道路直下に達するまでは,用地買収したり地下の利用権を買い取ったりする必要はあると思う.

西京区の桂地区の住宅地(1)

そのまま西に進むと,地面の標高自体が徐々に上がってくるので,西の端では地下40mほどになり,大深度になる.山岳トンネルの少し手前からは25‰の上り勾配にする.そのまま京大の桂キャンパス付近まで到達し,山岳トンネルへ.

西京区の桂地区の住宅地(2)

ここからは地面が山そのものになるので,京大のキャンパス付近を通過するといっても,地下80m以上になるので,特に大きな問題はないと思う.

京大桂キャンパス付近

そのまま標高を上げ続け,標高80m程度のところで一旦水平箇所を作る.理由は後日.「準備工事」だ.その後,再び25パーミルで標高を上げ,130mで水平に.このまま北に向かうと,保津峡を超えるが,保津川や嵯峨野山陰線,旧山陰線の線路をオーバーパスできる.あとは元々のJRTT案のライン取りにつなげる.

桂川-西京区の住宅地-京大キャンパス付近-保津峡

ということで,概ね,一連の話は終わりである.この地上案については,この世の全てのものは固定化されているわけではなく,常に変化し続けている,ということを中々ご理解いただけない1000年前の人たちにもご納得いただけるのではないかと思う.

ということで,「準備工事」の話へつづくが,その前に補足説明を.(つづく)

 

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(桂川の西側編-1)

続きである.ライン取り最終局面に入ったが,難所は過ぎたと思う.だが,まだヤヤコシイ話は続く.でも京都特有の話ではなく一般的なヤヤコシイ話である.

桂川を渡った先は西京区の住宅地である.

既成住宅地を新幹線が通るとなると,東京の北部〜埼玉県にかけてのここを思い出す.色々もめて,埼京線を併設したり緩衝地帯を作ったり,新交通システムを作ったり.東北・上越新幹線が一気に上野まで開業せず,しばらく大宮発着だったのはこの辺の工事の影響でもある.

東北新幹線西側のナゾの空間(歩いてみた編)

最初から地下線にでもしておけば,その後の東北・上越新幹線の複々線化も容易だったかもしれない.

ということなので,桂川を渡った先の住宅地については.そのまま用地買収して,高架橋を建設してという方法ではなくて,地下線を考えてみる.桂川から西山の端っこまで約3km.御土居の外側の桂川のさらに向こう側の地区なので,さすがに1000年の歴史が,とは言われないと思う.桂川の氾濫原.昭和初期までは京都市ですらなかった.

さて,住宅の直下工事はなるべく避けて,3kmのうちの1.8km程度はこの道路の下を通ることを考えてみる.

東の方で,幅員15m程度,左の水路を含めて21m.上下水道等の地下埋設物はある模様.

一部は拡幅されていて,幅員30m程度.西の方は再び15m程度.

地下線のまま西山の端っこに到達してそのまま山岳トンネルへと言う作戦だ.(つづく)

 

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(貨物駅通過編-2)

続きである.

北陸新幹線「高架の」京都駅の西側について,京都貨物駅の端っこを通す方法の検討のうち,今回は貨物駅から桂川橋梁までの間のライン取りの話である.こっちも基本方針は同じである.

まずは京都貨物駅から西大路駅まで.貨物駅構内の留置線(白色点線)を1本潰すとともに,配線を整理し,新幹線(太い紫破線)の高架下に着発線(青)→着発線への進入退出経路(青)を収容する.もちろん「はるか」用の線路(白色点線)も高架橋の足のための用地に使う.そうすると,比較的簡単に高架の線路が敷設できそう.

写真がツギハギなのはご容赦を.
これで西大路駅に到達した.西大路駅から西側は,北から順に東向き(上り)の進入経路(緑),引上げ線(橙),西向きの退出(兼東向き進入)経路(青)の順に整理する.新幹線の高架線路は西向き退出経路を跨ぐように敷設する.

西大路駅の西側で東向きの進入経路と西向きの退出経路を入れ替えるとともに,本線外側線(上り)から東向きの進入経路へと渡り線を入れておく.新幹線は基本的には西向きの退出経路を跨ぐ直上高架.

更に西側で,西向きの退出経路(電車区からの出庫経路)から本線外側線への渡り線を入れておく.ここも新幹線は基本的には西向きの退出経路を跨ぐ直上高架.

そのまま西向きの退出経路を跨ぐ直上高架で桂川の東側に到達.

西側については、ここまで新規の用地買収なし.

この先,桂川を渡ってトンネルに入るが,それについては次回.(つづく)

 

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(貨物駅通過編- ver. 1.5)

続きである.

前回のライン取りに若干無理があったように思えるので,今回は改善版のversion 1.5である.

前回のこの「シケイン」,このままだと超徐行運転になってしまい,駅近くとはいえ新幹線向きではない.そこで,今回は,在来線の複々線線路を順次ずらして,その隙間に橋脚を立てることを考えてみる.

( ↓ ↓ ↓ 前回の無理がありそうな部分)

さて,改善版である.

大宮通り跨線橋をくぐる段階で,複々線の線路の北側2線(米原方面)は貨物駅の元構内線路2線部分の用地を転用する.南側2線(大阪方面)は元の複々線の空間を使う.

北陸新幹線の線路は大宮通り跨線橋の手前までは南側の現貨物線および引上げ線の2線分を転用して進み,大宮跨線橋付近で西行貨物線,大阪方面外側線,内側線,米原方面内側線,外側線の順でそれぞれまたぐような形で北側にズレてゆく.

そして,複々線の線路が大きく南へカーブし始める頃には現在線の位置に戻るとともに,北陸新幹線の線路は在来線の北側に腹付けで建設できる.

以下,貨物駅方面へは前回と同じライン取り.めでたしめでたし(?).ということで,貨物駅から桂川橋梁までについては,次回へ.(つづく)

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(貨物駅通過編-1)

続きである.

北陸新幹線「高架の」京都駅の西側について,京都貨物駅の端っこを通す方法の検討である.前回は貨物駅から用地をひねり出せるかどうかについて書いた.

今回は,京都駅付近から貨物駅までのライン取りの話である.

京都駅西側の堀川通と大宮通りの間の狭隘部については,引上げ線と貨物駅への出入り線を転用すればなんとかなりそうなので,そういう方針にする.下の図は,赤い太い線が北陸新幹線のライン,やや濃い目の青線が京都駅→貨物駅の進入線,薄い空色が本線(大阪方面),薄い緑が本線(米原方面),緑色が貨物駅→京都駅への退出線,紫色が山陰線,白い破線は既設線の撤去である.

京都駅→貨物駅の出入り線は専用線を廃止して大宮通り東側で本線から分岐するように変更し,堀川通りから大宮通りまでは既設線群の南側を通す.貨物駅(左上)の線群のうち,貨物駅→京都駅への退出経路は現状では2経路あるが,これを1つに集約するとともに,引上げ線を1線廃止する.一応,残された引上げ線や貨物駅→京都駅への退出経路を使えば,400m位の距離はあるので,荷役線や着発線間で15両分程度の入れ替えは可能.

整理した線路2本分を使って新幹線の経路は設定でできそう.ただし,大宮通りの東から西にかけての部分で,シケイン*みたいになりそう.緑の退出経路を1線分南に移し,この経路をまたぐように新幹線高架橋を設置すれば若干緩和できるかな.あるいは,本線(米原方面)の外側線を1線分北側に移設して,これをまたぐように新幹線高架橋を設置する方法もありそう.

*サーキットで,クランクやS字になって減速させるところ.

その先(西方向)については,複々線の本線の北側にほぼ腹付けで建設できそう.

貨物駅南側着発荷役線については,そのまま真っすぐ緑の貨物駅→京都駅の退出経路につなぐようにするとともに,京都駅→貨物駅の進入線も新幹線の高架の北側に移設してそのまま真っすぐに着発線につなぐ.着発線と荷役線間には両渡りを設置.もう一つ南側の荷役しない着発線は新幹線の高架下でも問題ないと思うので,高架下へ.

ということで,京都駅から貨物駅までの間もなんとかなりそう(かな).

ちょっと「シケイン」が気になるなぁ.(つづく)

 

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(京都貨物駅縮小編)

続きである.

北陸新幹線「高架の」京都駅の西側方向のうち,今回は貨物駅(京都貨物駅)付近の検討である.前回は移転の可能性について書いたが,移転不能だった場合についても検討しておこう.今回は,「京都貨物駅にはこんなにたくさんの線路いらんだろ」という話である.

現在の京都貨物駅の中央部の線路配置はこんな感じ.コンテナの積み下ろしができる荷役着発線が2本と,単に貨物列車が停泊できる着発線が5本(1〜5)である.✕印の線はどこにもつながっていない未使用線だ.荷役線については,構内配線的に北側の荷役着発線は主に上り列車用,南側は上下両用か.

昔は着発線に貨物列車が到着したら,貨車の一部または全部を架線を張っていない荷役線に入れ替え,積み下ろしをしたら再び着発線に入れ替えをして,そして出発という手順であった.コンテナ貨車が一般化する以前のさらに大昔は,着発線に行先別の貨物列車を並べておき,1両ずつ行先を振り分けて増結してゆくという方式であった.なので,着発線はたくさん要った.

だが今は荷役線にも架線が張られ,荷役線に直接貨物列車が到着して積み下ろしをして,そのまま出発してゆく.「ホーム」の無い着発線は,単なる時間調整の待避線代わりに使うか,荷役線がいっぱいのときの待合場所になっている(かな?).・・・ということなので,昔ほど着発線は数多くは必要ない.

では,比較的最近整備された京都貨物駅と同規模の貨物駅を見てみよう.下の写真は鷹取に移転した神戸貨物ターミナル駅である.

旅客線に挟まれた構造だが,構内配線から見て「ホーム」の北側は上り荷役着発線,南側は上下両用の荷役着発線のようで,(2)の着発線は荷役線としても使えるようになっているようだ.構造的には京都貨物駅とよく似ている.

この駅の基本構造は荷役着発線が2本と,着発線が4本(うち1本は荷役可能)である.

ということは,京都貨物駅も着発線は4本でも特に問題ないということかと思う.というわけで,新幹線の敷設空間は,「はるか」と書いた線,および着発線5本の内の1線,計2線分を転用という方針にしてみる.(はるかが山科駅発着になった時点で,「はるか」と書いた線には特急はるかは走らなくなる.また,電車区から京都駅に向かう列車については,桂川橋梁の東側に旅客線への渡り線を設ければ,この線を走る必要がなくなる.)

なお,神戸,京都両貨物駅とも,ホームは約500mで25両のコンテナ列車(1300t)対応.300m長(15両)程度の短編成なら引上げ線を使って荷役線と着発線間で入替えは可能なように設計してあるっぽい.

話が長くなってきたので,続きは次回.(つづく)

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(京都貨物駅移転編)

続きである.

北陸新幹線「高架の」京都駅の西側方向のうち,今回は貨物駅(京都貨物駅)付近の検討である・・・が,そもそもこの位置に貨物駅が必要なのか,という話はある.

現位置は京都中央卸売市場の近傍であり,またかつては市街地の外縁部で工場も多かっただろう.だが今や京都の工場は,多くは滋賀県へ.そうでない場合も京都市の南部あるいはさらに南へ移転してしまっており,(右京区などに多少あるものの)必ずしも梅小路がベストな位置ではなくなりつつある.

京都駅の南側地域

大阪の場合も梅田貨物駅を廃止して吹田に機能移転しているし,大阪の中央卸売市場への貨物線も廃止になっている.神戸の場合も神戸港付近にあった神戸港駅を廃止して鷹取に移転している.ということで,中心市街に貨物駅を置く理由は薄れている.

京都南部で移転できそうな場所を探すと,こんな場所もあるといえばある.

吹田総合車両所京都支所(向日町電車区)の東側

東西100-200m,南北1.5kmくらいはありそう.貨物駅は夜間に稼働するので,NIMBYの対象になりそうなので,結構移転は骨が折れるかも.

移転すれば新幹線線路のライン取りは格段に楽になる.ほぼ単純に跡地に線路を敷くだけである.既設線の位置も調整しやすくなって高架橋の足の位置決めも楽になる.

それから,(「はるか」が山科駅発着になった後は)電車区への出入りや貨物駅への出入りに使われる「複々線+α」の第5番目の「α」の線路は不要になる.桂川橋梁の西側で複々線に合流させてしまえば「α」部分の桂川橋梁すら不要になる.

貨物駅のその他の広大な用地も市街地の再開発地として有効利用できる.梅小路新駅作って公共交通指向の開発を行うのも良いかも.

さてさて,貨物駅移転には新幹線整備以外のかなりの労力が必要なので,移転不能の場合についても考えておかネバならない.ネバネバ.(つづく)

 

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(京都駅西側狭隘部編)

続きである.

北陸新幹線「高架の」京都駅の西側方向のうち,今回は平面の検討であり,特に大宮通と堀川通の狭隘部の話である.北陸新幹線京都駅付近の「地上案」最大の難問がここにある.

まずは,現状の京都駅西側の線路の使い方であるが,上から順に紫色が嵯峨野(山陰)線,黄色が京都貨物駅と向日町電車区への出入り用,空色が京都線(京都方面),緑色が京都線(大阪方面),薄茶色が奈良線関係,点線は引上線等である.

堀川通と大宮通りの間が最も厳しい状況であり,複線化が進められている山陰線もこの区間だけは単線である.

京都駅西の貨物駅(梅小路)への出入りだけを考えるなら,「貨物駅電車区出入」と書いた黄色の線路は東側からやってくる貨物列車が貨物駅に進入する際だけに使うので,大宮通りと堀川通の間に専用の線路を設ける必然性はない.黄色の線路は京都線大阪方面から大宮通りの東側で分岐するように変更すれば,さらにその下に点線で示した引上線の分と合わせて2線分の空地が確保できるので,ここ(幅8m程度)に太めの一本足の橋脚を立てれば,ギリ新幹線の高架橋を建設することはできるかもしれない.

狭隘部の引上げ線と貨物駅出入り線

下の写真は浜名湖を渡る新幹線橋梁の橋脚であるが,左右の架線柱が12m程度の間隔なので,足の太さは6.5m程度である.ギリ行けるか? これは橋脚に対して上部の橋梁が左右対称だけど,3mほど片方に寄っても何とかなる・・・よね?

ところで,「貨物駅電車区出入」と書いた黄色の線路は貨物駅への進入だけではなく,もしかしたら向日町にある電車区(吹田総合車両所京都支所,昔の向日町電車区)から奈良線へ電車を送り込むような使い方もされているかもしれない.信号機の向きは京都駅→貨物駅方向しかなさそうなので,そういう使われ方はされてなさそうだが,一応考えてみる.

電車区から奈良線への経路としては,「電車区→貨物駅の南側の線路(“はるか”と書いた線路)→京都線京都方面外側線→内側線→4番線→(構内逆線運転)→奈良線奈良方面」というルートはある.だが,電車区から出してきた電車を京都駅始発の列車として仕立てにくい.

渡り線を新設して「電車区→(“はるか”と書いた線路)→京都線京都方面外側線→内側線→(新設渡り線)→(大阪方面構内逆線運転)→(新設渡り線)→奈良線ホーム」という方法もある.追加設備投資無しなら,「電車区→(“はるか”と書いた線路)→京都線京都方面外側線→山科駅の引上げ線→大阪方面外側線→奈良線ホーム」かな.

まぁ,電車区からの送り込み用に使われているとしても,何とかならないこともないかなぁ.

では,この狭隘部に(直上高架を基本として,幾分の既存線路の整理をした上で)新幹線の高架橋の足をどこに設置できるか考えてみる.

・・・ということで,ギリ何とかなるかなぁ.

※こんなことしなくても,在来線と東海道新幹線の間の土地を買収すれば比較的簡単に解決するが,専門学校が建っていたりするし,東海道新幹線の建設時には京都駅付近で用地買収で揉めた実績があったりするし,いろいろヤヤコシい.

では,続いて貨物駅付近をどう通すか考えてみる.(つづく

 

北陸新幹線京都駅付近の「地上案」(京都駅西側勾配編)

続きである.

北陸新幹線「高架の」京都駅の前後に線路を取り付け可能かどうかの検討に戻り,今回は西側方向の検討であり,まずは高さ方向の検討である.

高架の北陸新幹線京都駅のホームは地上20mの2面2線で,ここから西に進みながら勾配を下り,桂川の橋梁付近まで既設線上の直上の架設を考えてみる.直上高架の線路の高さは,近鉄南大阪線の直上高架を参考に,桂川付近では地上10mとしてみる.

さて,京都駅ホームの高架の地上からの高さは20mであるが,西側にゆくとまずは堀川‐油小路通がある.ここは道路が線路をアンダーパスしているので高さ方向の問題はない.

次いで,大宮通りの高架橋がある.ここの道路面は6-7mくらい,頭上の高さを5mと見積もって,線路の高さは15mもあれば大丈夫だろう.アーチ式の橋ではないので,余裕がある.京都駅ホームの西端から約600mなので,10‰の下り勾配で十分だ.

大宮通り跨線橋

その次は西大路駅の構内跨線橋だが,12m位の高さがあればクリアできそう.大宮通りからは約1.5kmあるので,5‰以下の下り勾配で十分だ.

西大路駅構内跨線橋

このまま10m程度の高さを維持して桂川の橋梁へ.ということで,高さ方向的には特に問題はなさそう.

ところが,京都駅西側については,平面的には色々と難問が待ち受けている.直上高架を基本とするとしても,その足をどこに作るか,それが問題だ.北陸新幹線京都駅付近の「地上案」最大の問題は,特に堀川通と大宮通りの間に存在する.…という話は次回へ.(つづく)