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’18年度は整備新幹線772ppm

2018年度予算案が衆議院を通過したようだ.予算総額が97兆7128億円.

鉄道関係の予算については,この資料に書いてあるが…

新幹線3,480億円とな.前年度比1.32倍なり.

…がしかし,国交省の他局は国費ベースで書いてあるのに,なぜか鉄道局は国費ベースでなくて事業費ベースで書いてある.国費がいくらなのかはよく見ないとわからないようにしてある.事業費ベースで書くと,国費以外の財源も含めて書くことになるので,「立派に見える」からかな?

資料をよく見ると,国費は754.5億円.つまり変わってない.

ということで,例年通り国家予算総額に占める濃度を計算してみよう.

754.5億円÷97兆7128億円
=0.000772160863265
=0.077216086326459 %(百分率)
=772.160863264587649 ppm(百万分率)

そう,次年度は772ppmだ!(濃度下がってるぞ)

※ざっくり言って,電子顕微鏡の倍率が100万倍らしい.

種籾食っちゃえキャンペーン

予算編成の時期になると,「無駄な」公共事業は止めてしまえ,というキャンペーンが在京マスコミによって繰り広げられる.

「無駄な」という枕詞がミソで,多くの人に「そうそう,必要なことだけして,無駄なことをするのは止そう」と考えさせるとともに,「公共事業は無駄だ」という印象操作に成功してしまうことが少なくない.

そういった報道では,本当に無駄なのかそれとも有効なのかという適切な調査や検討無しに「公共事業は無駄だ」と言わんばかりな内容が垂れ流されている.日々困っていることがあるからそっちに回せと.無駄じゃない公共事業の方が多いのにね.

さてさて,よくよく考えてみるとインフラ投資は各種活動を長期にわたってしやすくするものなので(あるいは補修費用なら今の機能を将来も維持することなので),いわば種籾(たねもみ)である.今,種をまいて,未来で収穫する.これがインフラ投資のはずだ.

文教関係費用や科学技術開発も種籾だ.今,種をまいて,未来で収穫する.同じだ.

インフラ投資も文教予算も技術開発も無駄だとキャンペーンすることは,いわば「種籾食っちゃえ」と言っているようなものだ.目先の利益に流されて,後々大変困ることを主張しているのかもしれない.

気をつけよう,甘い言葉と「種籾食っちゃえ」キャンペーン.

#貴重な技術を易々と外国に売り渡す企業とか,ブランドを簡単に売り渡す企業とかも後々後悔しそう.(その頃には,消滅しているかも)

30年で全国新幹線網を実現する方法

全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線ネットワークの基本構想(基本計画)に示されている新幹線を全て建設するには,整備計画路線の未完成区間を含めて概ね3000kmあまりの工事をしなければならない.

一方,毎年の建設費の確保状況は結構厳しい状況にあり,国費700億円台半ば,いろいろくっつけて工事費ベースで2000〜3000億円程度になっている.

工事単価は場所や時期によって違っており,㎞あたり50〜100億円程度という実績だ.年間の整備延長は30kmあまりといったところだ.

ということで,全幹法の残路線を建設するには,約100年を要するということになる.これでは時間がかかりすぎだ.これを何とか約30年で完成できないもんだろうか.

全幹法が定められてから40年以上経過し,もうしばらくすると50年にもなろうとしている.これほど放置され続けたインフラ計画は他に無いと思う.ということは,計画が定められてから時代が変化してしまっており,本来なら計画を抜本的に見直してもいい頃である.

さて,(どこをどう見直すかで,かなり揉めると思うが)計画を見直して,上記の約3000kmの路線のうち,1/3を新幹線以外の方法で利便性向上させることにすると,整備完成までの期間が100年から約67年に短縮される.

これから建設される新幹線は,毎時片道15本処理できるような新幹線は求められておらず,安くて速い,某チェーン店の牛丼のような路線が求められる.ウナギを注文したらドジョウやアナゴが出てきた,ではなく,牛丼が出てきた,である.建設単価を35%ほど安価にできたとすると,約67年の整備期間が43年ほどになる.

毎年の国費は700億円台半ばであるが,国家予算の750ppmとあまりにも小さいので倍増!…と言いたいところだが財政が厳しいのは確かだ.そこで,国費毎年1000億円,つまり+33%ほど,建設費ベースでも同程度の増額にすると,整備期間は約43年から33年弱になる.

これならば,現実的な全国レベルのインフラ整備の実行計画にならないだろうか.どうかな?

再び札幌駅を観察

またまた札幌に行く機会があったので,札幌駅を観察してみる.

相変わらず終着始発便が多く,この駅を出発してゆく列車の半分くらいは「回送列車」ではないかと思うくらい多い.長距離特急は致し方ないとしても,快速列車や普通列車までこの駅を終点にする理由はあんまり無いように思う.

ホームの利用効率は悪そうだが,もはやそれを改善できる人材もいないのではないかという話もあるようだ.

回送列車はともかく,このディーゼル機関車1両だけで一体何をしに来たのだろう.昭和時代ではないので客車列車は存在しないし,札幌駅を通過する貨物列車もなかったと思うし…

ううううぅぅ〜ん.

さて,札幌駅観察の目的は,今回は1番線2番線である.前回訪問時は主に西側からの観察だったが,今回は対面の3番線の東側からの観察だ.

1番線2番線を新幹線に転用する場合,建築限界の関係からそのまま転用するのではなく,いったん取り壊して新幹線用の効果を建設し直すことになっているらしい.

2番線と3番線の両方に在来線列車が停車した状態ですでに車両間隔にさほど余裕は無く,ここに幅が40cmも大きな車両が入るのは無理がありそう.
(回送列車のツーショット ↓ )

1番線2番専用ホームは高架橋上の台座のような上に乗っかっているだけなので,ホーム自体は幅の縮小が可能そうに見えるが,ホームに立っている鉄柱の上には屋上駐車場が乗っかっているので,それがやっかいだ

1番線の上には現時点でいろいろはみ出している模様で,作り替えるのも面倒そう.

困ったもんだね.

四国新幹線「単線で早期着工を」

提言では4県県庁所在地を全国初の単線で結ぶ。概算事業費は複線の1.57兆円から1兆円に減る。四国には単線技術の蓄積があるうえ、日本の経済界にはインフラ輸出の競争力が高まる期待がある。本州側の山陽新幹線・岡山までは複線仕様の瀬戸大橋があり、有効活用する。新大阪と2時間圏内になる。

情報源: 四国新幹線「単線で早期着工を」 輸出の新モデルに提言  :日本経済新聞

…ん? もしかして,これの影響?

実践政策学 第2巻 第2号 2016年 秋号

実践政策学 第3巻 第1号 2017年 春号

単線新幹線の建設費は,あくまで構想段階の目安で,具体的な区間が想定されるならば,想定ダイヤをもとに交換可能駅の設定と複線区間の設定を行い,トンネルや高架橋の位置を具体的に想定し,インフラの整備費用を工費積算した方がより正確.

衆院選における主要政党の交通政策

あんまり話題になってないが,衆院選における主要各党の交通政策(交通産業の労働政策除く)を見てみた.以下,最終的に議席確保しそうな政党をwebサイトから情報収集できた範囲で順に見てみる.

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 自民党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転等の新技術の社会実装
      2. 道路整備推進
      3. 高速道路民間施設直結インターチェンジ推進
      4. 高速道路料金体系整理
    2. 鉄道関係
      1. 整備新幹線の建設中区間の早期開業
      2. 北陸新幹線の未着工区間について財源を確保して早期着工
      3. リニア中央新幹線の全線早期開業
      4. 新幹線の基本計画だけでなく幹線鉄道ネットワーク構築
    3. 航空関係
      1. オープンスカイの推進
      2. 国内地方航空路線の利活用
      3. LCC参入推進
      4. 空港アクセス充実
    4. 港湾航路関係
      1. 整備推進
      2. 国際バルク戦略港湾,国際コンテナ戦略港湾の整備
      3. 離島航路整備推進
    5. 強靱化関係
      1. リダンダンシー向上
      2. 老朽インフラ更新推進
      3. ミッシングリンク解消
    6. その他
      1. インバウンド対策
      2. コンパクトシティ政策推進
      3. 自転車活用推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 公明党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転推進
      2. 電気自動車や燃料電池車の普及推進
      3. ユニバーサルデザインタクシー普及
    2. 鉄道関係
      1. リニア中央新幹線,整備新幹線の建設推進
      2. 交通バリアフリー推進
    3. 港湾関係
      1. 整備推進
      2. 離島航路の維持活性化
    4. その他
      1. 観光立国推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 希望の党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転推進
      2. 電気自動車や燃料電池車の推進
    2. 鉄道関係
      1. 時差通勤による満員電車ゼロ
      2. ユニバーサルデザイン,バリアフリー推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 日本共産党
    1. 道路関係
      1. 三大都市圏環状道路予算引き下げ
    2.  鉄道関係
      1. JR北海道の路線廃止を食い止める
      2. 全国の鉄道網維持
      3. リニア新幹線への投資水準引き下げ
    3. 港湾関係
      1. 国際コンテナ戦略港湾予算引き下げ
    4. その他
      1. 公共交通基金の創設による鉄道網維持
      2. 老朽箇所の改修

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 立憲民主党

※ 社会インフラ整備等の政策の具体的記述なし

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  •  日本維新の会

※ 社会インフラ整備等の政策の具体的記述なし

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 社民党
    1. 自動車交通関係
      1. 自家用車のライドシェアへの反対
    2. 公共交通全般
      1. 交通政策基本法を活かして地域公共交通への支援拡充

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

……(いろいろ突っ込みたい箇所もあるが)ということのようだ.なーるほど.

リニア名古屋開業時のルート動画?

公式動画では無さそうだが,かなり手間がかかっていそうな動画に遭遇.リニアの品川-名古屋間のルートを追ったものである.

これを見ると,わかっていたことではあるが,大半がトンネル区間で,明かり区間も防音壁で覆われていることが多く,「超高速地下鉄」だなぁ.

あと,これもわかっていたことではあるが,途中駅へのアクセスがあまり便利そうではない.名古屋の西側も不便な場所に駅つくるつもりだろうか?

トンネル多過ぎ&短時間で到着なので,全線開業時に名古屋で降りる客が眠りこけて寝過ごして,終点まで連れて行かれる事案が多数発生しそう…

名古屋開業まで,今日でちょうど10年? 10年後の2027(平成39)年10月2日は土曜日で大安である.

新潟空港アクセスは上越新幹線の延伸 あるいは …

このお話…

新潟県政の長年の課題となっている新潟空港(新潟市東区)のアクセス改善策をめぐり、米山隆一知事が年内に一定の方向性を打ち出すことに意欲をみせている。焦点は、下りの…

情報源: 新潟空港アクセス改善策、焦点は上越新幹線の延伸 年内に方向性 知事が意欲 – 産経ニュース

在来線を伸ばすか,新幹線を伸ばすか,という議論のようだが,延長が数キロしかないので,新潟駅を基準にするとどっちを伸ばしても大した差はない.

問題はその先(新潟駅以遠)で,新潟空港にはどこから客を集めたいのか,という点が重要.在来線だと新潟空港からあまり遠くからは集客しにくいが,比較的こまめに客を拾える可能性がある.新幹線だと燕三条,長岡,湯沢の各駅周辺が主な対象かな?

新線整備するなら,最初から狭軌と標準軌の三線軌を敷いておいて新幹線も在来線も両方走行できるようにしておくという手もないではない.(電源や信号が面倒そうだけど.)

なお,うまいことやれば,ホームは共用できる可能性はある(↓).
フル規格新幹線と在来線車両に関するトリビア

FGTにはSONTAC

JR○州:「フリーゲージトレインて,導入するのヤダなぁ.メンテ費用は高そうだし,そもそも,もし事故があったら人柱や.非難されるのは我々や.やめとこっと.」

J□西:「うちも…」

マスコミ:「JR○州が長崎新◇線へのフリーゲージトレイン導入を見送る方針」

鉄○局:「なんだとぉ.勝手に見送られたら,俺たちの立場がねえ無いじゃねえか! 財△省にも顔向けができん!! (会計検査院に目ぇ付けられたらどうするんだ) 許さん!!! JR○州が非協力的ならこっちにも考えがある!! 少しはSONTACしろ!」

JR○州:「ひえぇぇ〜」
J○西:「ひょぇ〜」

 

国○交○大臣:「JR○州から『フリーゲージトレインの導入を断念 する方針を固めたとの事実はない、評価委員会に向けて引き続きフリーゲージトレインの 開発に協力する』との回答があった

#登場人物や団体は実在するものかどうか不明です.話の流れは想像です.