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北陸新幹線工事で配水管破損…ということは

京都市左京区の宝が池公園内で、北陸新幹線の詳細なルート選定のための掘削工事中に業者が配水管を破損させた事故について、京都府の西脇隆俊知事は30日の定例記者会見で、「地元の不安を増長させるもので極めて遺憾」と強く批判した。

情報源: 北陸新幹線工事で配水管破損 「不安増長させる」と京都府知事 : 京都新聞

へぇ〜,そこで地質調査しているんだ(棒).

そのライン取りだと,小浜付近からその位置までについては…
長大トンネルの縦坑の設置箇所が限られて,工期伸びないかなぁ.
原生林(演習林)の地下を通ることになると思うけど,大騒ぎになって面倒なことにならないかなぁ.

その位置から京都駅までについては…
あの街路の下通るつもりかな.かつての下宿のほぼ真下だな.
その街路,新幹線が通るには結構曲がってるんだが.
関係部署に根回しした?
文化財系施設の下掘って大丈夫かな.
お寺さんは,なかなか口が達者な人が多いんだけど,大丈夫かな.

他の部分は大深度で,その位置部分附近はオープンカットにするのかな?

…などと思う今日この頃.

北陸新幹線大阪延伸JR負担増容認か?

JR西日本の来島達夫社長は28日、未着工となっている北陸新幹線敦賀(福井県)―新大阪の早期開業のため、現在の建設費負担ルールを見直し、JRの負担を増やすことを容認する可能性を示唆した。新幹線の建設財源を検討する与党会合に出席後、記者団に「新大阪までの早期開業を願っている。今のルールが全てではない」と述べた。

情報源: 北陸新幹線の大阪延伸、負担増容認示唆 JR西社長  :日本経済新聞

駅間の線路は公設民営であっても,重要営業拠点の駅は自費100%で建設するのが(JRWにとっては)吉じゃないかと思うけど.

たぶん忘れてると思うが,新幹線の整備5線は国鉄時代から営業主体が決まっていたが,これからの新幹線はその都度決めるので,パブリックなインフラは公共使用を求められた場合には一切拒否できなくなるんじゃ無いかな(基本的に港と同じ).

京都-新大阪間については,実質的に山陽新幹線の延伸区間として機能させることを前提に,完全自社路線として建設するという方法もあると思うけど(もちろん,北陸新幹線も直通).

新幹線建設,JR負担増提示

財務省は16日、財政制度等審議会の分科会に公共事業予算などの改革案を示した。高騰する整備新幹線の建設費について、財政を圧迫しないようJR各社の負担を引き上げて賄うよう求めた。…2019年度予算案に反映させたい考え。

情報源: 財務省、公共事業予算など改革案 新幹線建設、JR負担増提示 – SankeiBiz(サンケイビズ)

後出しで負担増を求めるくらいなら,初めから実際の輸送量と予測値に解離があった場合の調整条項を入れておけばいいのになぁと思う.

もっとも,せっかく出た利益を全て召し上げられてしまうような仕組みだと,民間側の営業努力が引き出せないので,「ほどほどに」ということになるかな.

それに,調整条項入れると輸送量が少なかった場合には負担軽減(貸付料軽減)を求められた場合には応じざるを得なくなるけどねぇ.

調整条項を固定部分と輸送量比例部分に分けるというのが落としどころかな.

 

関西空港「海底トンネル構想」推進へ

関西国際空港と対岸を海底トンネルで結ぶ「第2のルート」整備計画が日の目を見るかもしれない。9月の台風の影響で連絡橋が破損し、利用客らが一時孤立。周辺自治体はこの事態を懸念し、30年以上前から整備を求めてきた。巨額の資金がネックで計画は動かなかったが、懸念が現実になり、リスク管理や関西経済への側面からも首長らは来月、国土交通省や総務省に構想推進を直談判する。

情報源: 地元自治体:関西空港「海底トンネル構想」推進へ  – 毎日新聞

当サイトの最近1ヶ月のアクセスベスト10は以下の通り.

1位:関空連絡第2ルート
2位:高速鉄道の単線運用
3位:Metzの3連節BRT(曲線通過編)
4位:あの貨物線がLRTに!?
5位:関空に日々1便来るだけの海外航空会社の来週の方針
6位:この踏切が閉まるのは列車通過の●分前
7位:中国の高速鉄道建設が爆速な理由
8位:新幹線長崎-関西直通困難-導入費も大幅増
9位:三葉の乗った列車はどこに向かうのか?
10位:三葉の東京滞在可能時間

関空アクセスについては,気になる人が多かったワケやね.

国交省の担当者は「(施設を所有する)新関西国際空港会社は多額の負債を抱え、すぐに新ルート整備に着手するのは現実的ではない。まずは地元自治体で建設費の試算や需要予測など具体的な計画を立ててほしい」としている。

…ということらしいが,「需要予測」がこのプロジェクト構想の適切な判断基準かというとそうではないよね.冗長性とか信頼性の問題であり,量を捌く問題じゃ無いから.国土交通省,大丈夫か?

今や成田空港並みに成長した日本国の西の玄関に関する話を「地元」にまず任せるというのは当事者意識薄すぎると思うが,国土交通省,大丈夫か?

今回の件での反省点はまだ出てこないが,運営を民間に任せていたので「関係ナイモン!」なのか,もしかして?

どっち向いて仕事してる? 民営化したら仕事が終わったと思ってない?

朽ちゆく新設LRT

スペイン南部のハエンという都市.市内中心部には新設LRT用線路がある.

ところが,どうも使われている様子がない.

レールも錆び放題.

人工芝もめくれ上がり…

券売機はゴミ箱と化している…

州政府が主導で整備したものの,市に運営能力が無いようで,設備が完成したものの使われないままの模様.

現在は2025年を目標に運営開始したい模様.

都道府県GDP愛知に抜かれ大阪3位転落

大阪府が9日に発表した2015年度の府内総生産は39兆1069億円。前年度比2・4%増だが、愛知県の県内総生産39兆5593億円と比べると、約4500億円下回った。

情報源: 都道府県版GDP、大阪は3位に転落 愛知に抜かれる:朝日新聞デジタル

 

2年ほど前の話題ですが,このへんを読んで復習しておきましょうね…

第1話-新幹線偉大なり編第2話-産業振興vs交流編第3話-他の交通機関編
第4話-東海道vs中山道編第5話-新幹線駅が都市圏形成編第6話-駅アリ>駅ナシ編
第7話-20年差が命取り編第8話-後手必敗編第9話-東密西粗編編
第10話-リニア編

# うまく事が運んでないと,視点が近視眼的になって内向きになるんだよねぇ…

山形新幹線最弱伝説-返上への道

山形新幹線の福島県境部の抜本的な防災対策に関し、トンネル新設の概算事業費を1500億円と試算したJR東日本の調査結果を踏まえ、吉村美栄子知事は1日、JR東日本本社(東京)で冨田哲郎社長と面談し、トンネル整備の早期事業化を要望した。

情報源: 福島県境のトンネル新設、JR東に事業化要望 吉村知事|山形新聞

ちょっと前の新聞記事.まだリンクつながってるかな.

山形新幹線は「新幹線」なのにすぐ止まるという話をしたが,手をこまねいているわけでは無さそう.

福島-山形間の県境,つまり板谷峠に新しいトンネルを掘って「山形新幹線最弱伝説」を返上しようとしているようだ.

この区間は全幹法に基づく基本計画区間でもあるので,この際トンネルを掘るなら将来を見越してフル規格新幹線電車の走行が可能な形で掘るのが当然だろうとは思う.

短期的な目先の支出にとらわれるのか,それとも長期的な出戻り作業を避ける形で建設するのか,注目の案件だな.

’18年度は整備新幹線772ppm

2018年度予算案が衆議院を通過したようだ.予算総額が97兆7128億円.

鉄道関係の予算については,この資料に書いてあるが…

新幹線3,480億円とな.前年度比1.32倍なり.

…がしかし,国交省の他局は国費ベースで書いてあるのに,なぜか鉄道局は国費ベースでなくて事業費ベースで書いてある.国費がいくらなのかはよく見ないとわからないようにしてある.事業費ベースで書くと,国費以外の財源も含めて書くことになるので,「立派に見える」からかな?

資料をよく見ると,国費は754.5億円.つまり変わってない.

ということで,例年通り国家予算総額に占める濃度を計算してみよう.

754.5億円÷97兆7128億円
=0.000772160863265
=0.077216086326459 %(百分率)
=772.160863264587649 ppm(百万分率)

そう,次年度は772ppmだ!(濃度下がってるぞ)

※ざっくり言って,電子顕微鏡の倍率が100万倍らしい.

種籾食っちゃえキャンペーン

予算編成の時期になると,「無駄な」公共事業は止めてしまえ,というキャンペーンが在京マスコミによって繰り広げられる.

「無駄な」という枕詞がミソで,多くの人に「そうそう,必要なことだけして,無駄なことをするのは止そう」と考えさせるとともに,「公共事業は無駄だ」という印象操作に成功してしまうことが少なくない.

そういった報道では,本当に無駄なのかそれとも有効なのかという適切な調査や検討無しに「公共事業は無駄だ」と言わんばかりな内容が垂れ流されている.日々困っていることがあるからそっちに回せと.無駄じゃない公共事業の方が多いのにね.

さてさて,よくよく考えてみるとインフラ投資は各種活動を長期にわたってしやすくするものなので(あるいは補修費用なら今の機能を将来も維持することなので),いわば種籾(たねもみ)である.今,種をまいて,未来で収穫する.これがインフラ投資のはずだ.

文教関係費用や科学技術開発も種籾だ.今,種をまいて,未来で収穫する.同じだ.

インフラ投資も文教予算も技術開発も無駄だとキャンペーンすることは,いわば「種籾食っちゃえ」と言っているようなものだ.目先の利益に流されて,後々大変困ることを主張しているのかもしれない.

気をつけよう,甘い言葉と「種籾食っちゃえ」キャンペーン.

#貴重な技術を易々と外国に売り渡す企業とか,ブランドを簡単に売り渡す企業とかも後々後悔しそう.(その頃には,消滅しているかも)

30年で全国新幹線網を実現する方法

全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線ネットワークの基本構想(基本計画)に示されている新幹線を全て建設するには,整備計画路線の未完成区間を含めて概ね3000kmあまりの工事をしなければならない.

一方,毎年の建設費の確保状況は結構厳しい状況にあり,国費700億円台半ば,いろいろくっつけて工事費ベースで2000〜3000億円程度になっている.

工事単価は場所や時期によって違っており,㎞あたり50〜100億円程度という実績だ.年間の整備延長は30kmあまりといったところだ.

ということで,全幹法の残路線を建設するには,約100年を要するということになる.これでは時間がかかりすぎだ.これを何とか約30年で完成できないもんだろうか.

全幹法が定められてから40年以上経過し,もうしばらくすると50年にもなろうとしている.これほど放置され続けたインフラ計画は他に無いと思う.ということは,計画が定められてから時代が変化してしまっており,本来なら計画を抜本的に見直してもいい頃である.

さて,(どこをどう見直すかで,かなり揉めると思うが)計画を見直して,上記の約3000kmの路線のうち,1/3を新幹線以外の方法で利便性向上させることにすると,整備完成までの期間が100年から約67年に短縮される.

これから建設される新幹線は,毎時片道15本処理できるような新幹線は求められておらず,安くて速い,某チェーン店の牛丼のような路線が求められる.ウナギを注文したらドジョウやアナゴが出てきた,ではなく,牛丼が出てきた,である.建設単価を35%ほど安価にできたとすると,約67年の整備期間が43年ほどになる.

毎年の国費は700億円台半ばであるが,国家予算の750ppmとあまりにも小さいので倍増!…と言いたいところだが財政が厳しいのは確かだ.そこで,国費毎年1000億円,つまり+33%ほど,建設費ベースでも同程度の増額にすると,整備期間は約43年から33年弱になる.

これならば,現実的な全国レベルのインフラ整備の実行計画にならないだろうか.どうかな?